ニュースリリース


日興コーディアル証券株式会社を中心とする事業の取得について(1/1)


平成2151

 

各  位

 

株式会社三井住友フィナンシャルグループ

(コード番号 8316

株式会社三井住友銀行

 

 

日興コーディアル証券株式会社を中心とする事業の取得について

株式会社三井住友フィナンシャルグループ(取締役社長:北山禎介、以下「SMFG」)の子会社である株式会社三井住友銀行(東京都千代田区有楽町一丁目12号、頭取:奥正之、以下「SMBC」)は、シティグループ・インク(会長兼CEO:ビクラム・パンディット、以下「シティ」)の完全子会社である日興シティホールディングス株式会社(以下「日興シティHD」)等との間で、日興シティHDが直接又は間接に保有する、@リテール証券事業を主とする日興コーディアル証券株式会社(以下「日興コーディアル」)の全ての事業(ただし一部資産・債務を除く。以下「本リテール事業」)、及びホールセール証券事業を主とする日興シティグループ証券株式会社(以下「日興シティ」)の国内株式・債券引受業務等を含む一部の事業(以下「本ホールセール事業」といい、本リテール事業と併せて以下「対象事業」)の双方を、会社分割により承継する会社(以下、「新・日興証券」(仮称))の全ての株式(以下「新・日興証券株式」)、A対象事業に関係する関係会社又は民法上の組合(以下総称して「本関係会社等」)の株式又は組合持分(以下「本関係会社株式等」)、並びにBその他の資産(「日興」に関連する商標権、政策保有株式等をいい、以下「その他資産」。新・日興証券株式、本関係会社株式等及びその他資産を総称して以下「対象株式等」)を、関係当局の許認可が得られることを前提として取得することにつき合意いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

 

 

1.対象株式等の取得の狙い

 

現在、日本を含む世界経済は引き続き厳しい状況にあり、景気回復や金融安定化に向けた取組みが世界的な規模で進められてはおりますが、世界経済の先行きに対する不透明感は依然として払拭されてはおりません。日本における個人金融資産は1,400兆円に上るものの、「貯蓄から投資へ」の流れは停滞の様相をみせており、また、昨年9月のリーマンブラザーズ破綻を契機とした金融危機の深刻化に伴い、過度なリスクテイクやレバレッジに依存した投資銀行ビジネスモデルは転換期を迎えつつあります。

 

しかしながら、金融リテラシーの高まりや金融商品に対するニーズの多様化を受け、株式市場の低迷下においても外債や個人向け劣後債へのニーズが高まるなど、個人のお客さまの投資ニーズは、特定のマーケットの動向に左右されることなく、確実に存在しているといえます。

また、不透明・不確実な経済環境が続く中、法人のお客さまの経営課題解決に対するニーズは形を変えて存在しており、今後の投資銀行ビジネスは原点に立ち返った顧客オリエンティッドなビジネスモデルに回帰していくものと考えております。

 

このような状況下、SMFGでは、「follow the basics」というキーワードの下、商業銀行の事業基盤に基づく、基本原則に則った業務運営を継続・強化する一方で、いち早く次なる成長の礎を築くべく、今般、三大証券の一角である新・日興証券を迎え入れることといたしました。SMFGでは、商業銀行事業のもつ広大な顧客基盤に対し、「先進性」、「スピード」、「提案・解決力」に基づく価値あるサービスを提供することを成長の基軸としておりますが、本件を通じて新・日興証券の質の高い顧客サービスと商業銀行の持つ安定性・安心感とを融合させた新たな「複合金融」ビジネスを共に創造し、成長力を更に高めていきたいと考えております。

 

「お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する」ことを経営理念に掲げるSMFGが、「お客さまを中心に考え、行動する」ことを経営理念とする新・日興証券を新たに迎え入れることで、 “お客さまとのリレーションシップを重視した複合金融グループ”として、「One Flag」の下、安定的かつ持続的に質の高いサービスを、広範なネットワークを通じて、提供してまいります。

 

 

2.各分野における戦略的意義

 

(1) リテール分野

 

SMFGは、従来、個人のお客さまに対して、投資信託、個人年金保険等の投資運用商品や、住宅ローン等のローン商品をご提供する「個人向け金融コンサルティング」を成長事業領域と位置付け、SMBC及びSMBCフレンド証券株式会社を通じて、お客さまのニーズの多様化や規制緩和等の環境変化をタイムリーにとらえた新たな商品・サービスの提供に努めてまいりました。更に、営業拠点網の拡充やコンサルタントの増員を進めて、あらゆる金融サービスをワンストップで提供可能な、「トータルコンサルティング」の実現を目指してまいりました。

 

今回、日興コーディアルをベースとする新・日興証券を新たなパートナーとして迎え入れることにより、同社が有する24兆円に上る預かり資産のみならず、高度なコンサルティングビジネスのベースとなる3,000人に上る質の高い営業員、全国109ヶ所に上る支店チャネル、また業界でも評価の高いオンライントレードチャネルがSMFGに加わります。これにより、SMFGのリテールプラットフォームは預かり資産64兆円、営業員約9,800人、全国約600拠点、と飛躍的に拡大し、SMFGが目指す「トータルコンサルティング」の完成に近づきます。

 

また、両社のビジネスモデルは、コンサルティングサービスの重視や、オープンアーキテクチャーの採用など、親和性が高いと考えております。加えて、SMBCは先進的な教育システムやローコストオペレーションに強みを有しておりますが、日興コーディアルもシティの下で最先端のITインフラを背景とした効率的な業務運営体制を確立しており、制度面、体制面でも親和性が高いことから、充実した銀証融合ビジネスモデルの構築が可能となり、より質の高いコンサルティングサービスの提供ができると考えております。

 

(2) ホールセール分野

 

SMFGは、平成114月以降、株式会社大和証券グループ本社との合弁会社である大和証券エスエムビーシー株式会社(以下「大和証券SMBC」)を、ホールセール証券ビジネスの中核と位置づけ、事業を展開しております。今回、これに加えまして、日興コーディアルが保有する法人取引機能、及び日興シティが保有する株式と債券の引受機能と法人顧客カバレッジ機能の一部を併せ持つこととなりました。

これにより、SMFGとしては、既存の大和証券SMBCというホールセール証券のプラットフォームに、多数の上場企業主幹事先並びに強力なディストリビューション能力を有する新・日興証券が加わることで、大きな成長ポテンシャルが期待できると考えております。

 

また、SMFGは、既にグローバルなトッププレーヤーとの協働関係を構築しておりますが、今回新たに、新・日興証券を軸としたシティとの協働関係を展望することで、グローバル・リーチを拡充し、商品や地域による制約のない、お客さまに一層ご満足いただけるサービスを提供できるようになると考えております。

 

本件を機に、SMFGは、新・日興証券と大和証券グループの間で、共同で建設的なディスカッションを行い、3者にとってメリットのある貌の提携関係を構築していきたいと考えております。

 

 

3.スキームの概要

 

新・日興証券株式の取得は、日興コーディアル及び日興シティが、対象事業を、日興コーディアルが新設して同社の子会社とする新・日興証券に対し、それぞれ会社分割(吸収分割。以下「本会社分割」)により承継させ、直ちにSMBCが日興コーディアルから新・日興証券株式を譲り受けることで実行することを予定しております。

また、本関係会社株式等の取得は、SMBCが日興シティHD又は日興シティビジネスサービス株式会社から本関係会社株式等を譲り受けることで実行し、その他資産の取得は、SMBCが日興シティHDからその他資産を譲り受けること等で実行することを予定しております。なお、SMBCによる対象株式等の取得は、関係当局の許認可が得られることを前提としております。

 

 

4.新・日興証券の概要

 

新・日興証券は新たに設立される会社であるため、純資産、総資産及び業績については記載しておりません。新・日興証券の事業の中核を占める日興コーディアル(単体)の経営成績及び財政状態につきましては、末尾記載の【ご参考】をご参照ください。なお、新・日興証券の概要につきましては、決定次第お知らせいたします。

 

 

5.取得価額等

 

(1) 取得価額

@対象株式等(但し、A政策保有株式(上場株式)を除く。)に対する取得価額の合計

 

5,450億円(但し、効力発生時の新・日興証券及び本関係会社等の純資産額等により調整されます。)

A政策保有株式(上場株式)

 

効力発生日前日の4営業日前における時価の95%相当(平成21331日終値の95%相当で試算した金額は285億円)

 

*なお、本会社分割に際し、現金2,010億円を、新・日興証券に承継させず、日興コーディアルに残存させ、本件取引の取得の対象外とする予定です。

 

(2) 取得資金

全額自己資金にてまかなう予定です。

 

(3) 取得前及び取得後の所有株式数及び所有割合

SMBCは、現在、新・日興証券株式を保有しておりません。新・日興証券は新たに設立される会社であるため、SMBCが取得する予定の新・日興証券株式の数は未定ですが、全ての新・日興証券株式を取得する予定です。

 

 


6.新・日興証券株式の取得の相手先の概要

 

(1) 名    称     日興シティホールディングス株式会社

(2) 主な事業内容     持株会社       

(3)      東京都千代田区丸の内一丁目51

(4)      ダグラス・エル・ピーターソン

(5) 株主構      シティ100  

 

 

7.日程

 

平成2151       対象株式等の取得についての取締役会決議

平成2151       契約締結日

平成21101日(予定) 効力発生日(ただし、関係当局からの必要な許認可など取引実行のための前提条件が満たされることを条件としております。)

 

 

8.今後の見通し

 

連結業績に与える影響については、詳細が確定次第、必要に応じ、お知らせいたします。

 

 

以  上

 

 

【本件に関するお問い合わせ先】                            

三井住友フィナンシャルグループ 広報部 TEL03-5512-2681

 

 

【ご参考】日興コーディアル証券株式会社(単体)の経営成績及び財政状態

 

平成203月期

平成213月期

営業収益

222,810百万円

164,135百万円

純営業収益

217,878百万円

158,942百万円

営業利益

50,945百万円

19,685百万円

経常利益

51,182百万円

22,158百万円

当期純利益

23,890百万円

3,626百万円

純資産

420,600百万円

393,392百万円

総資産

1,523,908百万円

1,466,956百万円

 





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