企業の社会的責任(CSR)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、このまま地球温暖化が進むと、数億人が深刻な水不足に苦しみ、洪水の被害が毎年数百万人に及び、感染症が拡大し、多くの生物が絶滅するといわれています。現代社会は「豊かさ」を求めて旺盛な経済活動を行ってきましたが、その結果、未来の「豊かさ」を破壊していたのかもしれません。当社グループは、人々の経済活動や社会生活を支える複合金融グループとして、目の前の「豊かさ」だけではなく、未来まで見据えた真の「豊かさ」を支える存在でありたいと考えています。そのような意味で、環境問題への取り組みは、複合金融グループが本業を通じて社会的責任を最も効果的に果たせる分野であると考えています。
当社グループは、「環境負荷軽減」「環境リスク対応」「環境ビジネス」を環境活動の3つの柱として掲げ、環境マネジメントに関する国際規格「ISO14001」に基づき、積極的に環境活動を推進しています。
環境問題解決に向けた取り組みとしては、まず自社のエネルギー使用量削減が挙げられます。グループ各社に共通する取り組みは、「エネルギー使用量の削減(省エネ対策)」「ペーパーレスの推進」「ゴミの分別・リサイクル」「社員の環境教育」です。
エネルギー使用量については、ISO14001の認証対象である各社で毎年度目標を設定し、空調温度の設定や照明抑制、クールビズ導入などの自助努力による節電を実施しています。また、コピー用紙の両面使用はもちろん電子化の推進、印刷やコピーの抑制、ゴミの分別にも積極的に取り組んでいます。さらに、社員一人ひとりの意識を高めることが環境負荷軽減につながるとの考えに立ち、各社で環境問題に関する研修や勉強会を定期的に行っています。
全社共通の取り組みに加え、各社では事業特性に合わせた個別の環境負荷軽減活動を推進しています。例えば三井住友銀行では、間伐材や太陽光・風量発電設備を使用した環境配慮型モデル店舗を設置したほか、日本総合研究所とともに、主力電算センターへの太陽光発電システムの導入を実施しました。

三井住友ファイナンス&リースでは、リースアップ物件やお客さまより買い取った機械設備の販売を通じてリサイクル・リユースに取り組んでいます。
また、セディナでは、クレジット申し込み時の記載に「デジタルペンECO」を利用することで、契約書類を自動的にデジタル化する取り組みをはじめています。この取り組みにより、紙使用量削減だけではなく、契約書の回収や内部処理にかかる事務のコストと時間を大幅に削減することができました。
たとえ、各社の活動が小さなものであったとしても、全国に展開する支店、営業所、店舗、ATMなどすべての拠点で取り組めば、ある程度の環境負荷軽減効果を生み出すことができます。しかし、各社が個別に活動をしていたのでは、その効果は限定的だと考えています。今後は、当社で取得しているISO14001の枠組みやグループ各社のCSR担当者による横断会議「CSR連絡協議会」などを通じて、各社の環境負荷軽減に関する取り組み内容やその効果を“見える化”する活動を進めていきたいと考えています。集約した情報からベストプラクティスを導き出し、各社で共有することで、より良い環境負荷軽減活動が広がり、グループ全体の環境負荷軽減効果を最大化できると考えています。
金融機関が関わる環境リスクとして、担保不動産に土壌汚染やアスベストが発見され、資産価値が下落することによるリスクや、環境に悪影響を与える事業等に資金を融資したことによる貸手責任リスクなどがあります。
三井住友銀行では、与信判断を行う中で、環境リスクの視点も織り込むことが重要と考え、経営理念、行動規範を踏まえ与信業務の普遍的かつ基本的な理念・指針・規範等を明示した「クレジットポリシー」の中で、与信環境リスクを明記し、環境に悪影響を与える企業や事業に融資を行わないことを謳っています。また、大規模開発のプロジェクトファイナンスを実行する際には、環境や社会の影響を十分検討することを社会に約束する「エクエーター原則」を採択し、国際環境室において環境社会リスク評価を行っています。
また、三井住友ファイナンス&リースでは、リース満了物件の処分にあたり、産業廃棄物の不法投棄などによる環境汚染を防止するため、環境関連法規制の遵守を徹底しています。

環境問題というのは、一個人や一企業の取り組みで解決できる問題ではありません。個人、企業、NPO/NGO、自治体、政府、それぞれが同じベクトルで協働し、地球全体に活動を広げていくことが大切です。当社グループはこのような視点に立ち、多くのステークホルダーと協働しながら、環境ビジネスの推進を目指しています。そもそも「環境ビジネス」とは、本業である金融サービス等を通じて持続可能な社会づくりに貢献する取り組みのことを指します。
グループ全体の取り組みとしては、最新の環境ビジネス情報を提供する情報誌「SAFE」を隔月で発行しているほか、国内最大級の環境総合展示会エコプロダクツ展内で毎年実施している「環境ビジネスフォーラム」があります。

SMBC日興証券とSMBCフレンド証券の両社は、SRIファンドや環境保全型債券の販売により、環境ビジネスの推進および環境保護活動の支援を実施。セディナは、「地球にやさしいカード」「セディナカードAXU」等といった社会貢献環境型カードの発行を通じて環境保全団体の活動を支援しています。三井住友ファイナンス&リースは、省エネや環境負荷低減に役立つ環境関連設備・機器を低コストでリースする環境配慮型リースを提供。三井住友銀行および関西アーバン銀行、みなと銀行の三行では、環境配慮に取り組む企業に貸出金利等を優遇する環境配慮型融資などを実施しています。また、三井住友銀行では、お客さまの環境への取り組みを独自の基準で評価し、環境経営を促進する「SMBC環境配慮評価融資/私募債」を提供しています。
環境ビジネス分野の産業を育てる戦略的な活動としては、三井住友銀行の取り組みが挙げられます。グループ横断で活動していたプロジェクトチームと、環境ビジネスを推進していた「環境ソリューション室」を統合、「成長産業クラスター室」として組織化し、成長産業として環境分野のビジネス開拓を進めています。『再生エネルギー』 『水』『資源』などの分野は、ひとつの業界で完結できるビジネスではありませんし、海外も視野に入れた業界横断型のプロジェクトを推進する必要があります。これに対し、当グループの総合力を生かしてプロジェクトを推進することが、アジアを含めた世界の持続的発展に貢献できると考えています。(取り組み事例はこちら)

また、三井住友銀行が環境省、国土交通省、総務省などと共に主催し、三井住友ファイナンス&リースが協賛して開催しているコンテスト「eco japan cup」を通じて、新たな環境ビジネスの芽を見出し、育成するための活動も継続的に行っています。
環境ビジネスを育てるという意味では、日本総合研究所の役割も重要です。優れた情報収集力と卓越した知見を生かし、中国天津市が展開するエコシティープロジェクトのアドバイザーを務めるなど、国内外で環境ビジネスを推進するための提言やコンサルティング活動に関わり、持続可能な社会づくりに貢献しています。
環境問題の取り組みは、単年度の目標を達成したからといって終わるものではありません。当社グループは、本業及びCSRを通じた環境活動をこれからも継続し、持続可能な社会づくりに貢献していくことを目指しています。 また、これからは地球規模の人口増加が進み、経済活動がより拡大することが予想されるため、従来とは異なる環境問題が生まれる可能性も考えられます。当社グループでは、これまで取り組んできたCO2削減や環境ビジネスの活動に加え、現在は顕在化していない環境問題の芽にいち早く気づき、適切に摘み取る、もしくはビジネスに生かせるよう、アンテナを高く掲げ、プロアクティブな視点で環境問題に取り組んでいくことを目指しています。


三井住友銀行プロジェクトファイナンス営業部・成長産業クラスター室では、再生エネルギーシステムや上下水道、スマートコミュニティなど、成長産業分野におけるマーケットの創造、および、日本のパッケージインフラの海外展開を主要テーマの一つに掲げ、事業化に向けたさまざまな活動を展開しています。
2011年度は、日本総合研究所をはじめ、国内メーカー・商社・ゼネコン・地方自治体などとともに事業化調査実施チームを結成し、マレーシアの都市の低炭素化に向けたシナリオ策定を支援しました。このほかにも中国やタイ、ベトナムなどでも、スマートコミュニティ開発の事業性評価を日本政府や現地政府、国内外パートナー企業等とともに実施しています。
今後も当社グループの総合力を生かしてプロジェクトを推進し、アジアを含めた世界の持続的発展に貢献したいと考えています。

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