企業の社会的責任(CSR)
金融機関として取り組むべき優先課題を、「震災復興」、「環境」、「少子・高齢化」、「グローバル」と明確に設定し、トップのコミットメントの下、これら4つの社会的課題の解決を目指して、事業活動遂行の中で取り組みを展開していることは、高く評価できます。
活動にあたっては、グループCSR委員会が、グループ全体での推進計画の審議、進捗管理、結果のレビューに基づく次年度の計画の審議を行っており、PDCAサイクルを回しながら進めています。
レポートでは、「お客さま」、「株主・市場」、「社会・環境」、「従業員」の4つのステークホルダーごとに、各社の活動を報告していますが、それぞれ事業遂行の中で、「4つの課題」の解決を目指していこうとする姿勢が感じられます。
特に、プロジェクトファイナンスにおける環境・社会リスク評価の実施や、環境配慮評価融資/私募債、環境ビジネスフォーラム開催といったさまざまな環境ビジネスは、金融機関ならではの、本業を通じた重要な「環境」への取り組みといえると共に、それを「グローバル」に展開することで、地球規模で、課題の解決に貢献できるといえます。
「少子・高齢化」については、店舗でのバリアフリーやサービスの充実のみならず、超高齢社会で必要とされるインフラ整備支援のためのビジネスの展開や、職場において高齢化社会対応のための制度拡充に努めていることが印象的でした。
また、日本の食生活の向上と農水産業の強化を目指して、今年4月に開始された「食・農評価融資」や、iPS細胞の研究成果の事業化支援は、非常に意義深い活動だと思います。長期的・継続的に取り組まれることを望みます。
4つの優先課題の解決に向けて、グループ全体で取り組みを進めるためには、その担い手であるグループ各社の従業員が、経営理念、CSRの定義、ビジネス・エシックスに共感し、課題解決に向けた目標を共有することが不可欠です。従業員一人ひとりへの浸透は容易ではないと思いますが、銀行、カード、リース、シンクタンク、証券という広範囲の金融サービスを提供するグループの一人ひとりが理念・目標を共有して、連携してこそ、より大きな成果をあげることができるはずです。目標の共有・理念への共感を高めるための取り組みを続けると共に、意識の共有・目標の浸透状況を定期的に検証することも重要といえます。今後、そういった取り組みや浸透状況についての報告も期待します。
企業を取り巻く持続性に関わる社会的(外的)リスクは確実に増大しており、社会のリスクと企業のリスクの一体化の度合いが強まり、結果として、企業で働く人たちやその家族と社会との関係も、リスク面での一体化を避けることができない局面となってきています。
金融不安のグロ−バルな連鎖、経済活動に与える気候変動の大きな影響、日本の少子高齢化による経済停滞、グローバルな人口増大による食糧・資源・エネルギー問題等、社会のサステナビリティを脅かすようなリスクへの対応、課題の解決が不可欠といえ、まさに、企業と人、企業と企業、企業と社会、それぞれが一体となり、自然と融合し、未来に備え、サステナビリティを目指す「一圓融合(二宮尊徳)」が求められているといえます。
広範な金融機能を担う複合金融グループが果たし得る役割・責任は非常に大きく、今後も、「お客さま、社会から最高の信頼を得られ、世界に通じる金融グループ」として、金融の機能・グループの総合力をフルに活かし、社会全体の持続的な発展に貢献するようなチャレンジを続けられることを期待します。
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