• 多様な働き方支援 インタビュー 障がいがあっても働きやすい労働環境。今、本当に充実している。SMBC信託銀行 人事部 安室 早姫 多様な働き方支援 インタビュー 障がいがあっても働きやすい労働環境。今、本当に充実している。SMBC信託銀行 人事部 安室 早姫

  • 所属・役職は取材当時のものです。(2019年10月取材)

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さまざまなバックグラウンドを持つ人同士が尊重し合い、能力と個性を存分に発揮できる企業風土を創る。それにより新たな価値が生み出され、より一層お客さまに貢献できるようになる。それがSMBCグループの想いであり、成長戦略そのものです。ここでは、ヘルスキーパー(企業内理療師)として、さらには障がい者アスリートとして、その能力や適性を生かしながら、活躍している従業員を紹介します。

学校で取得した資格を生かし、ヘルスキーパーとして勤務

「私の職業はヘルスキーパーです。企業内理療師ともいわれ、マッサージ治療で従業員の身体の疲労やストレスの解消をサポートして、快適な状態で業務へ励む手助けをしています。必要な資格は筑波大附属視覚特別支援学校の鍼灸手技療法科で取得しました。現在勤めている東新宿オフィスではじめての女性ヘルスキーパーとして働くことで、それまで以上に女性従業員の方々のニーズにも応えることができるようになり、多くの従業員の方々から必要とされていることを実感するたびに、この仕事をしていて良かったと思います。

1人当たりの施術時間は30分。入社したての頃は、その中での時間配分に少し戸惑いましたが、今では慣れて、多い日では1日で5人くらいの方にマッサージ治療を施しています。皆さん、それぞれの不調を訴えてきますが、一番多いのは肩こりですね。デスクワークなどでパソコンを見る機会が多かったりすると肩にくるようです。1人でも多くの方の不調を改善することで、より良い状態で仕事に励んでもらえたらと思っています。

一方で私は障がい者スポーツ『ゴールボール』の選手としても活動しているのですが、施術の際に会話を通じて『ゴールボール』に興味を持った方が、試合観戦に来てくださったりしました。その後、その方が異動になった後でも「大会結果を見たよ」とメールをくださって、とてもうれしくなりました。こうした様々な人との出会いもこの仕事の素晴らしいことの一つです。」

「ゴールボール」でメダルを目指している自分に気づかせてくれた
「働くことの重要性」

「私は病気が原因で1歳ごろから両目が見えなくなりました。沖縄生まれですが、一度は東京に出てみたいと決心し、高校生の時に文京区にある筑波大学附属視覚特別支援学校に進学。ここで出合ったのが『ゴールボール』というスポーツでした。

『ゴールボール』とはアイシェード(目隠し)を着用して1チーム3名のプレーヤー同士が点を取り合う障がい者スポーツです。目隠しをしているので頼りになるのは『音』だけ。静寂に包まれたコートの中で、耳を澄ませ音を頼りにボールの動きを読むことで、相手チームと熱い攻防を繰り広げます。視覚で選手・ボールの位置や動きが把握できないので、仲間同志の連係プレイや感覚を研ぎ澄ませることが重要。複数の選手が連動して動き、誰が投球をするのか分からなくしたり、音を立てずにパスしたりすることで、ボールのありかを曖昧にするテクニックなどが競技の醍醐味になります。

大学卒業後、『ゴールボール』の全日本チームに召集されたことで、いずれはパラリンピックに出場して結果を残したいと思いはじめました。そんな中、全日本チームの監督から『(ゴールボールだけではなく)ちゃんと働くことも大切だ』という話を聞いたのもちょうどその頃。『アスリートでいる時間は人生の中でそんなに長くない。競技を辞めた後のことも考えておきなさい』とアドバイスされたことを今でもよく覚えています」

私の理想的な働き方。その願いを叶えてくれた

「監督のアドバイス以来、私は“毎日働いて、競技との両立ができる会社”を探していました。そんな私の希望を汲んで叶えてくれたのが今の会社です。会社に所属し、仕事は仕事としてしっかりと取り組み、アスリートとして生きたいと思っていますし、そのほうが周囲からの応援を得られやすいとも思うんです。監督の言うように永久にアスリートでいることは無理なので、その先のことも考えて、苦労して取得した鍼灸師の国家資格を生かし続けたいと考えています。

日々のハードな練習ははっきり言って疲れます。特に大変なのは遠征、合宿、大会がある時期です。私自身がベストコンディションでなければ、従業員の方に対して良い施術ができるはずがありません。そのため、疲れが出やすい遠征の翌日は休暇をいただくなど考えながら勤務しています。毎日朝からしっかり働けて、競技生活と仕事の両立ができている今、私はすごく充実しています!」


SMBCグループでは、障がいのある従業員一人ひとりが、その能力や適性を思う存分生かせるよう、さまざまな業務開発や働きやすい環境づくりに取り組んでいます。法定雇用率を超える障がい者雇用率の数値目標を各社で設定しているほか、障がい者アスリートの採用や所属契約を行い、障がい者アスリートによる講演会の実施や、国内外での競技大会出場等を通じて、障がい者への理解を深める活動にも力を入れています。


一日のスケジュール

Daily schedule

思い出の写真

競技風景

「国際大会へ遠征したときは、思い出の品物として必ず遠征した先の国でキーホルダーを買います」