• 多様な働き方支援 インタビュー 家族を支える方法は仕事だけじゃない。私が育休を取得した理由。 株式会社三井住友銀行 投融資企画部 部長代理 下村 竜司 多様な働き方支援 インタビュー 家族を支える方法は仕事だけじゃない。私が育休を取得した理由。 株式会社三井住友銀行 投融資企画部 部長代理 下村 竜司

  • 所属・役職は取材当時のものです。(2021年1月取材)

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妻を支えるために育休を取得

入行したのは2014年。妻とは同期で、新人研修をきっかけに知り合いました。結婚したのは二年目の終わりごろ。私が異動で奈良から東京に引っ越すことになったので、そこからは二人で一緒に暮らすことに。お互いに希望の部署に配属され、忙しいながらも刺激的で楽しい日々を送っていました。

2018年6月に第一子を授かり、妻とこれからの育児について話し合いました。入行して5年目はちょうど仕事が一番楽しい時期。妻としては早く職場に戻りたいけれど、その間子どもをどうするか悩んでいるようでした。ならば私も育休をとって子どもの面倒を見ようと決め、6か月ずつ交代で育休を取ることになりました。

当時は男性の育休取得を推奨するという話が出始めたばかりで、周りに長期の育休を取得した男性はほとんどいませんでした。制度としては可能だけれど、いざ取得するのは不安だと多くの人が感じていましたし、今もそうした雰囲気があるのではないかと思います。私自身もまさか自分が育休を取るとは夢にも思っていませんでした。そうした状況の中でも迷わず育休取得を決めることができたのは、妻を支えたいという強い気持ちがあったから。もともと仕事だけではなく家庭も大事にしたいと思っていて、育休取得にも興味があったので、妻が働きたいというなら育休を取ろうと前向きな気持ちでした。

とはいえ、不安がなかったわけではありません。育休を取得すると職場に居場所がなくなるとか昇格できないとか、根拠のないうわさに憂鬱になることもありました。それでも一歩踏み出すことができたのは、職場の人たちとの良い関係を築けていたからだと思います。理解のある方々に恵まれ、仕事のこともプライベートのことも気兼ねなく話ができる信頼関係があったからこそ、「この人たちならきっとわかってくれるはずだ」と育休取得の相談をすることができました。実際、育休について話してみると温かく受け入れてくれて。上司が率先して育休申請に必要な手続きを調べてくれるなど、あまりにも手厚くサポートしてくれるので拍子抜けしたのを覚えています。おかげで、晴れやかな気持ちで育休に入ることができました。

子どもの成長を間近で見ることができる喜び

私の育休はまず、妻からの家事・育児の引継ぎ期間から始まりました。最初の二週間は休みがかぶるように設定し、子どものあやし方などを妻に教わりながら少しずつ一人で家事ができるよう日々特訓。この期間に料理も覚えました。妻が職場に戻ってからは毎日家事に追われる毎日。朝はご飯を作って妻を送り出した後、掃除や洗濯など家事をこなし、子どもと散歩。昼になったら子どもを寝かしつけて、自炊をして昼食。そのまま夕飯の用意をして妻の帰りを待つという生活でした。「家事や育児なんて楽勝だ!」と思っていましたが、想像していたよりもずっと忙しかったです。洗濯ものすらもたためない日もあり、「やってみないと分からないものだ」と良い経験になりました。

育休を取ってよかったのは、子どもの成長を間近で見ることができたことですね。ちょうど子どもがいろいろなことを覚えていく時期だったので、毎日新しい発見があり、自分がこの子を育てているのだと強く感じることができました。初めてハイハイをする瞬間を見ることができたときはとても感動したのを覚えています。育児ノートに子どもの様子を記録して、妻と子どもの成長を分かち合うのも楽しかったです。以前から子ども好きでしたが、より一層かわいく感じるようになりました。

また、仕事を離れたことで、改めて仕事の面白さに気づくこともできました。頭の中が整理されて新しい企画やアイデアが生まれたり、「復帰したらまたがんばろう」とモチベーションが上がったりと、いいリフレッシュになりましたね。職場環境の良さを改めて感じ、今の職場で長く働きたいと思えるようになったのも、育休を取得したおかげです。

妻と協力しながら第二子を育てる

育休から復帰すると、職場の人たちは「おかえり!」と温かく迎えてくれました。居場所がなくなっているのではと不安に思っていましたがまったくの杞憂で、むしろ育休取得前よりも責任のある仕事を任されることが増えました。とてもうれしかったです。育休を取得しても普段と変わらず仕事ができるのだなと身をもって感じました。

2020年11月に第二子が生まれ、今は仕事の効率を意識しながら、仕事と育児の両立を図っています。今回は妻が長めに育休を取得し、日中子どもの面倒を見てくれているので、私は夕方以降の保育園のお迎えや洗濯などの家事を担当。お互いに家事や育児の大変さを知っているので、完璧を求めすぎず、やれる人がやればいいというスタンスで、適度に力を抜きながら育児に励んでいます。

育児と仕事を両立するようになってからは仕事にメリハリができたように思います。必ず定時で帰れるように、効率的に仕事を進めるよう工夫したり、できないことは次の日にやろうと臨機応変に対応したりするようになりました。あまり一人で考え過ぎずに、早めに相談したりサポートを頼んだりと柔軟な働き方ができるようになったと思います。

育休は家族を支える一つの手段

私は育休を取ってよかったと思っています。家事や育児のスキルが身についたことによって、今まで以上に二人で協力して家庭を回すことが出来るようになりましたし、子どもが成長していく様子を自分の目で見ることができました。周囲に育休を取得している男性が少なかったので不安もありましたが、成功例としていい流れをつくることができたのではないかと思っています。大学時代の友人も、私が育休を楽しんでいる様子を見て自分も育休を取得したと話してくれて、とてもうれしかったです。

今は男性が育休を取得するとそれだけで偉いと言われますが、それは少し違うと思っています。男性がみんな育休を取得しなければいけないとか、育休を取得しない人は育児をおろそかにしているとは思いません。家庭にはそれぞれ事情があるので、家族で相談しながらどうするかを決めていけばよいと思っています。育休はあくまで一つの手段。子どもの面倒を見るという仕方で妻を支えたいと思うなら、ぜひ取得してほしいです。


育休取得のタイムライン

思い出の写真

誕生日に娘からもらったお花
娘が「パパにお花買わないとね」と妻に相談し、自分で選んでくれたお花。
もらった時は思わず涙がでた。

成長の記録

育休取得中に哺乳瓶から離乳食まで経験、成長した娘。
その成長を真横で見届けた。