価値創造のための事業戦略

デジタル・サステナビリティ・人材戦略 執行役専務 グループCDIO 磯和 啓雄 執行役員 グループCSuO 髙梨 雅之 執行役専務 グループCHRO 小林 喬 デジタル・サステナビリティ・人材戦略 執行役専務 グループCDIO 磯和 啓雄 執行役員 グループCSuO 髙梨 雅之 執行役専務 グループCHRO 小林 喬
デジタルで切り拓く金融の未来 執行役専務 グループCDIO 磯和 啓雄 デジタルで切り拓く金融の未来 執行役専務 グループCDIO 磯和 啓雄

 SMBCグループのデジタル戦略について、新中期経営計画では「Beyond & Connect」と「Empower Innovation」という2つの方向性を掲げ、従来の戦略をさらに発展させることで、「SMBCグループの信頼をベースに、新たなビジネスの創出を通じ、社会的価値をも創り出すグローバルデジタルソリューションプロバイダーへの進化」を目指します。

 具体的には、デジタルが持つ、さまざまなものを超えていく力と結び付けていく力(Beyond & Connect)により、多様なパートナー企業と連携し、業態・企業・地域等の壁を超えたソリューションの提供を行うことで、お客さまの利便性のさらなる向上を図るとともに、将来のSMBCグループの礎となるビジネスの創出・育成を行います。

 同時に、ビジネスを進めるにあたっては、技術革新の進展、人口動態の変化、価値観の変容や地政学リスクの台頭といったさまざまな事象が複雑に絡み合って激しく変化する環境下で、新興国も含めた世界的なデジタル化が進展している状況にも目を向ける必要があります。事業環境が変容する中で、刻一刻と変化するお客さまのニーズに対応するため、状況に応じた事業の方向性のピボットを行い、時流に沿ったビジネスモデルの変革を行っていきます。

 また、新たなビジネスを創出するためには、イノベーションを加速する枠組の強化(Empower Innovation)が不可欠です。グローバルベースでオープンイノベーション組織の強化やスタートアップ投資のためのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の設立といった、新規事業のスピーディーな立ち上げのための機能を整備するとともに、「社長製造業」や社内SNS等のカルチャー変革のための取組を継続し、社内外から新規ビジネスの種が生まれる仕組づくりを加速していきます。

SMBCグループのデジタル戦略における方向性
サステナビリティの実現に向けた社会的価値の創造 執行役員 グループCSuO 髙梨 雅之 サステナビリティの実現に向けた社会的価値の創造 執行役員 グループCSuO 髙梨 雅之

 SMBCグループは、経営理念に「社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する」ことを掲げています。また、サステナビリティ宣言において、サステナビリティを「現在の世代の誰もが経済的繁栄と幸福を享受できる社会を創り、将来の世代にその社会を受け渡すこと」と定め、社会課題を解決し、より良い社会を創ることにコミットしています。

 今般、SMBCグループは、新中期経営計画「Plan for Fulfilled Growth」を策定し、社会課題の拡大・深刻化や、社会に与えるインパクトが企業を測る「物差し」に加わってきていることを踏まえ、「社会的価値の創造」を経営の柱のひとつに据えました。また、新中期経営計画の策定に合わせ、SMBCグループの重点課題(マテリアリティ)を約10年ぶりに改定しました。世界が直面する幾多の社会課題の中でも、我々が特に解決を目指すべき喫緊の課題として、「環境」「DE&I・人権」「貧困・格差」「少子高齢化」「日本の再成長」の5つを新たなマテリアリティと定め、その解決に向けた「10のゴール」を設定しています。

 このゴールの実現には、新たなマテリアリティの解決に向けた取組をSMBCグループにおける日々の活動へと落とし込み、着実に実行へと移していくことが重要となります。それに向け、社内SNSの活用やタウンホールミーティング等によって社内への発信を強化するとともに、各事業部門・部署や個々の従業員の評価項目にも「社会的価値の創造」を組み込みました。今後は、各マテリアリティに関する詳細なアクションプランを策定するとともに、「我々が社会にどのような影響を与えたか」というインパクトベースのKPIの設定・開示にも挑戦していきます。そして、インパクトという新たな「物差し」が分かりやすく可視化され、社会課題の解決へ取り組むことが、お金の流れを創出し、いずれ自分たちの価値にも還ってくることが実感できれば、社会的価値の創造に向けた取組はさらに社会全体へと広がっていきます。そうした社会の実現には、行政、企業、個人、大学等、社会のさまざまな構成員が垣根を越えて連携していくことが重要であり、我々SMBCグループは、世界中の多様な地域・産業のお客さまとつながる結節点として、こうした連携の基盤や市場の構築にも貢献していきます。

 SMBCグループは、社会的価値の創造を通じ、経済の成長とともに社会課題が解決に向かい、そこで生きる人々が幸福を感じられること、すなわち「幸せな成長」に貢献することを目指しています。新たに定めたマテリアリティと新中期経営計画の下、SMBCグループの役職員が一丸となって社会課題の解決をリードできるよう、グループCSuOとして全力で取り組んでまいります。

サステナビリティの実現
価値創造を支える人材戦略 執行役専務 グループCHRO 小林 喬 価値創造を支える人材戦略 執行役専務 グループCHRO 小林 喬

 我々のビジネスを取り巻く環境は従来以上のスピードで変化しており、「サステナビリティ」「デジタル」「グローバル」「コンプライアンス」等の重要性の高まりとともに、企業としての社会的責任も格段に増しています。

 SMBCグループでは、複雑化・深刻化する社会課題や、多様化・高度化するお客さまのニーズに対応すべく、2023年度からスタートした新中期経営計画で、「社会的価値の創造」「経済的価値の追求」「経営基盤の格段の強化」という基本方針を定めました。

 新中期経営計画遂行の最も重要な原動力である「人材」についても、さらなる多様化・専門化が不可欠であり、事業ポートフォリオの変革に対応すべく、デジタル・コンプライアンス等の分野における専門人材やグローバルなビジネスを牽引する人材を中心に、人材ポートフォリオの構築に戦略的に取り組んでいきます。

 一方で、社会の変容とともに従業員の価値観や就労観も多様化しており、企業と従業員の関係性の変化が人材の流動性を高め、人材獲得競争が激化しています。SMBCグループの持続的成長に向けて、我々が「選ばれる企業」となるためにも、これまで取り組んできた評価制度や処遇のあり方の見直しを今後も適時適切に行い、年次を重視する運用の見直しをはじめ、旧来型の人事オペレーションからの変革をさらに加速させていきます。

 多様でプロフェッショナルな人材がその力を発揮できる環境整備を一層進めるべく、DE&Iをさらに推進し、自律的なチャレンジや成長を重視していきます。また、スキルやパフォーマンスに応じて公正に評価する仕組を構築し、人材マネジメントの高度化に取り組んでいきます。

 従業員が挑戦と成長を繰り返し、お客さまや社会に付加価値を提供することでその発展に貢献し、結果としてSMBCグループの企業価値が向上するという好循環の実現を目指します。

 グループCHROとして、私自身が挑戦と変革の先頭に立ち、タウンホールミーティングやセミナーを通じた従業員との対話や人事部によるインナーコミュニケーションの機会を増やし、企業と従業員が「目指すべき姿」をグループに浸透させ、人材力の最大化を図ってまいります。

People in SMBC Group at a Glance