社会的価値の創造・経済的価値の追求

外部パートナーとの連携を通じて「Olive」の利便性を向上

 三井住友カードは、2024年7月に家計簿・資産管理アプリを提供するマネーフォワードとの資本業務提携を発表しました。その後、マネーフォワードホームを設立し、共同事業を開始しました。シームレスな資金移動やAIアシスタントによるお金のサポート等、お客さまのお金にまつわる課題解決に向けたサービスを提供できるよう両社で開発に取り組んでいます。

 2025年3月にはHTSと旅行予約サービス「Vトリップ」の提供を開始しました。HTSが強みとする最先端のテクノロジー「トラベル・フィンテック」により、旅行予約時の価格変動を予測し、最適な購入タイミングを提案します。これに、三井住友カードのデジタルサービス、日本最大級の共通ポイントサービスVポイントを組み合わせ、多様化する旅行ニーズにお応えしていきます。

連携サービスの狙いや今後の展望について、三井住友カードとマネーフォワードホームおよびHTSの担当者が対談した様子をご紹介します。

Dialogues with Partners

  • Raphael Lanfant HTS アジア太平洋・中東地域
    バイス・プレジデント

  • 山本 雄貴 三井住友カード
    ビジネスディベロップメント本部
    プロダクトオーナー

  • 高野 真由 三井住友カード
    IT戦略本部 部長代理

  • 末澤 慶海 マネーフォワードホーム
    プロダクト本部 本部長

三井住友カード×マネーフォワード

高野(三井住友カード): Oliveのさらなる発展を目指す中で、外部の優れた技術やサービスを持つ企業との連携が不可欠であると考えていました。その中でも、家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード ME」は、お客さまの生活に深く根差したオープンな金融プラットフォームを構築するパートナーとして非常に魅力的でした。Oliveとの融合により、これまでにない新たな価値を提供できると確信し、今回の提携に至りました。

末澤(マネーフォワードホーム): ありがとうございます。当社グループとしても常々「お金のプラットフォーム」となることを目指しており、Oliveの「オープンなサービスに進化していく」という思想に深く共感しました。銀行およびカード会社としての強固な顧客基盤を持ち、順調に会員数を伸ばしているOliveと手を組むことで、誰もが楽しくお金の管理を続けられる新しいサービスを実現できると強く感じました。

高野(三井住友カード): 「マネーフォワード ME」は国内トップシェアを誇り、連携金融機関の数も圧倒的ですが、やはりその連携数の多さが、高い品質と信頼性につながっているのではないでしょうか。単にデータを提供するだけでなく、そのデータを活用してお客さまの生活をより良くしていくという明確なビジョンも素晴らしいですね。

末澤(マネーフォワードホーム): マネーフォワードホームが持つお金の見える化のノウハウと、Oliveの持つ決済機能や強固な顧客基盤を組み合わせることで、お金の管理から活用までをシームレスに行い、新しい金融体験を提供できることに大いに期待しています。

高野(三井住友カード): プロジェクトを進める中で、互いのスピード感の速さも印象的でした。特に、「マネーフォワード ME」におけるVポイント連携機能を短期間でリリースしたことは、内製開発力と実行力の高さを物語っていると感じました。一方で当社としても、金融機関として守るべきルールやプロセスを遵守することが大前提にありますが、迅速な意思決定を意識して取り組んできました。引き続きマネーフォワードホームとスピード感を合わせて、柔軟かつ迅速に対応していきたいと思います。

末澤(マネーフォワードホーム): 当社としても、議論を重ねて安心安全なサービス作りに貢献できたことに感謝しており、今後もさらなる連携の道筋を考えていきたいです。たとえば、Oliveが強みとするモバイル総合金融サービスの利便性をさらに高めるため、Oliveのアプリにおいてあらゆる金融機関の取引データを確認でき、さらにシームレスに実際の取引までご利用いただけるようにする等、Oliveと「マネーフォワード ME」の連携を強化し、ユーザビリティの向上につなげていきたいと考えています。

高野(三井住友カード): お客さまの利便性を第一に考えたサービスを設計するとともに、資産形成ニーズの高まりや、富裕層のデジタル利用増加といった今後のトレンドも捉え、あらゆるお客さまにとって価値のあるデジタル金融サービスを提供していきたいと考えています。Oliveをお客さまにとって最も信頼できる金融サービスへと成長させていくことが、私たちの最大の目標です。

三井住友カード×HTS

山本(三井住友カード): 金融サービスにとどまらず、お客さまの生活全般に対する価値の提供を目指していく中で、旅行は非常に重要な要素だと考えていました。単価が高く、オンライン化が進んでいる旅行領域において、HTSの持つ革新的なテクノロジーとグローバルな展開力を活かすことができれば、Oliveにとって最高のパートナーになると判断しました。

Lanfant(HTS): HTSとしても、当初より日本市場の重要性を認識していました。その中でも盤石な顧客基盤を持つ三井住友カードは、日本の消費者の皆さまに当社独自の価値を提供する上で、有力なパートナー候補でした。特に、Oliveに見られるようなイノベーションへの取組は、テクノロジーを通じて旅行体験を再定義するという当社のビジョンと合致しており、非常に意義のある提携だったと感じています。

山本(三井住友カード): 旅行予約サイトは数多く存在しますが、世界50万軒以上の掲載ホテル数に加えて、航空券の精緻な価格予測技術や、それを可能にする膨大なデータ量と機械学習のアルゴリズムにおいて、HTSは他社を大きく上回る優位性を持っています。Oliveのオープンなプラットフォームという思想もご理解いただき、柔軟な連携体制を築けたことで、今回の「Vトリップ」案件をスムーズに実現することができたと感じています。

Lanfant(HTS): この提携によって、多くの方にメリットを提供することができます。当社の旅行予約テクノロジーと、Oliveの金融サービスやVポイントプログラムを組み合わせることで、Vポイントを旅行に利用できることはもちろん、価格変動の大きいマーケットでもお得かつ安心に航空券予約をすることが可能になります。HTSにとっても、Oliveとの連携は、日本国内の広大で活発な顧客基盤へのアクセスを意味します。

山本(三井住友カード): おっしゃるように、Vポイントという強力なアセットと、HTSの持つ高度なテクノロジーが組み合わさることの意義は大きいと感じます。それを実現する上で、日本市場への深い理解も必要だったのではないでしょうか。

Lanfant(HTS): HTSチームはグローバルな経験が豊富ですが、日本の市場特有の事情を理解し、ローカライズすることを心掛けました。HTSに日本専門チームを設立し、効果的なコミュニケーションを行ったことが、日本の消費者の皆さまのニーズや期待に応える上で功を奏しました。また、三井住友カードの徹底したプロフェッショナル意識と、旅行業界への深い理解、そして知識を吸収する速さにも感銘を受けました。

山本(三井住友カード): ありがとうございます。「Vトリップ」においては、まずはOliveを含む三井住友カード会員さま、そしてVポイント会員さまにとって、最高の旅行予約プラットフォームとなることを目指します。将来的には、Oliveとの連携をさらに強化し、たとえば、会員限定の特別な旅行プランの提供等を検討しています。

Lanfant(HTS): 当社としても、常に新しい技術を取り入れ、お客さまにとって価値のある機能やサービスを開発し続けていきたいと考えています。特に、ホテルと航空券や鉄道等を組み合わせたパッケージプランの提供は、お客さまにとってより便利でお得な旅行体験につながりますので、さらに連携を深めていきたいです。

山本(三井住友カード): 今後も、オープンな姿勢を大切にし、さまざまなパートナーとの連携を通じて、お客さまの期待を超える新しい総合金融サービスを創造していきます。