経営基盤の格段の強化

CRO・CCO・CAEメッセージ

CRO
メッセージ

執行役専務
グループCRO鮫島 夏洋

 SMBCグループのビジネスは、「Olive」や「Vポイント」を通じた新たな金融サービスの展開や、マルチフランチャイズ戦略による海外事業拡大等、スピード感を持って進展しています。また、世界的な地政学リスクの増大に加え、各国の政治混乱や金融政策変更等により、外部環境の不確実性が高まっています。我々を取り巻く環境は絶えず変化しており、着実な成長のためにはリスクの見極めが重要です。ここでは、リスク管理における3つのポイントをお伝えします。

 1つ目のポイントは「不透明・不確実な環境に対する強靭性の向上」です。地政学リスクの高まりやサイバー攻撃、自然災害の増加等、不透明・不確実な環境に対する予兆把握力を強化した上で、ストレステスト等を通じて当社への影響を速やかに分析し、対応策を検討する体制を整えます。実際にリスク事象が発生した場合でも、迅速にサービスを復旧できるよう事前の備えを強化していきます。

 2つ目のポイントは「柔軟で機動的な対応・支援」です。AIの活用拡大や社会的価値創造に資する取組等の中長期的な課題に対して、適切なリスクテイク施策を事業部門とともに検討します。SMBCグループの健全なビジネス推進をリスク管理の面から支援していきます。

 3つ目のポイントは「リスク管理基盤の強化」です。SMBCグループのビジネス拡大が進む中で、グループ・グローバルベースで、より一層連携の取れたリスク管理体制の強化を目指します。加えて、SMBCグループが品位ある金融グループとして社会に認められるよう、健全なリスクカルチャーの醸成に取り組んでいきます。​

 お客さまとともにさらなる成長を果たせるよう、グループCROとして、SMBCグループ全体の連携を強化し、健全なリスクテイクを支援していきます。

CCO
メッセージ

取締役 執行役副社長
グループCCO工藤 禎子

 昨今、一層多様化するお客さまや社会の期待、SMBCグループのビジネスの拡大と多様化、そして、複雑化を続けるグローバルな市場環境や規制に対し、時代に応じ、さらに時代を先取りするプロアクティブな姿勢と迅速で自律的な行動がこれまで以上に重要になっています。

 グループCCOとして、企業不祥事を防ぐために、一番大切に考え、注力していることは、健全な企業カルチャーの浸透です。

 ガバナンスやコンプライアンスにおいて、プリンシプル・ベースの規律の重要性が一層増している近年の潮流の中で、これらの基盤となるのが企業カルチャーです。私は、「企業カルチャーは、法令やルールで明確に規定されていない領域において、役職員が正しい行動を選択するための指針」と考えています。役職員一人ひとりが、正しい行動を選択するための判断軸を持っているということが、競争力の源泉になります。

 SMBCグループの共通の価値観である「Five Values」は、「Integrity」から始まります。法令・ルールの遵守を大前提とし、また法令・ルールに記載されていなくても正しいことを行い、一人ひとりが「Integrity」を意識し体現することが重要です。そして、これらの価値観を日々の活動で実践することが、SMBCグループ全体における強固な企業カルチャーの確立につながると信じています。

 また、健全な企業カルチャーの浸透を実現するためには、健全な職場環境の構築が非常に重要です。グローバルな不確実性や規制の変化に柔軟に対応し続けるためには、互いを尊重し、「Integrity」、すなわち誠実さ・公正さの価値観を共有し合う職場を維持することが不可欠と考えています。

 今後も、グループCCOとして健全な企業カルチャーの浸透に取り組んでいきます。

CAE
メッセージ

執行役副社長
グループCAE三上 剛

監査活動を通じて、SMBCグループの企業価値向上に貢献する

 SMBCグループを取り巻く国内外の環境は、地政学リスクの高まりやサイバー脅威の深刻化等により、不透明さと不確実性が一段と増しています。また、SMBCグループでは、「Olive」の推進をはじめとするビジネスモデルの変革やインド戦略の加速といった新たな成長領域への事業拡大が進んでいます。このような状況下において、グループ・グローバルベースでのガバナンス体制の高度化や、AI活用に関するリスク、サイバーセキュリティリスクといった多様なリスクへの適切な管理体制の整備がますます重要になっています。

 内部監査部門には、こうした内部統制の有効性を経営陣および他部門から独立した立場で検証し、取締役会等に対して客観的なアシュアランス*、助言、洞察、そして先見性を提供する役割が求められていますが、その高度化への期待が一層高まっています。

 SMBCグループの内部監査部門は、「高品質の監査活動を通じて、SMBCグループの持続的な企業価値向上に貢献する」というミッションの下、経営に資する監査を着実に実践することを基本方針としており、グループ・グローバルにOne Teamでさまざまな施策に取り組んでいます。具体的には、経営陣のリスク認識の把握や監査対象部署との建設的な対話に向けた取組、グローバルベースでのベストプラクティスを積極的に取り入れた監査手続の標準化・品質評価の高度化、地域やエンティティを跨ぐ監査人の一体感を醸成するための環境整備等に注力しています。さらに、社会の関心が高い新たな領域の監査や、生成AI等のテクノロジーの活用にも積極的に取り組んでいます。

 これからもSMBCグループの持続的成長に貢献するため、さらなる高度化に取り組んでいきます。

* 監査対象部署の業務やプロセスに対する、独立した立場からの客観的評価