資産運用戦略

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01 早川 直志 SMBC信託銀行 執行役員
ウェルスマネジメント統括部長 -
02 小林 賢 SMBCグローバル・インベストメント & コンサルティング(SGIC)
代表取締役社長 -
03 面川 秀之 常務執行役員 グループCSO補佐
資産運用戦略企画部長 -
04 五十嵐 純子 SMBC日興証券 常務執行役員
資産運用ソリューション統括 -
05 伊木 恒人 三井住友DSアセットマネジメント(SMDAM)
副社長執行役員 兼 COO -
06 加藤 聡彦 常務執行役員 リテール事業部門 副事業部門長
ウェルスマネジメント統括本部長
SMBCグループでは、資産運用ビジネスに強みを持つグループ各社が連携しながら、それぞれの強みを発揮することにより資産運用戦略を展開しています。
グループ一体での運営を一段と深めていくために各社のマネジメントが集まり、現状と課題を話し合いました。
SGICを中核としたグループ全体の資産運用戦略の推進体制を強化
面川(グループCSO補佐): SMBCグループは、お客さま一人ひとりの多様なニーズに寄り添い、最適な資産運用サービスを提供するNo.1の「資産運用ソリューションプロバイダー」を目指しています。その実現に向けて、SGICが中核となって、お客さまへのコンサルティングと、運用商品の組成・開発を担うグループ各社に対して、中立的立場からアドバイスを行い、サービスの質の向上を図る体制を整えました。
小林(SGIC): SGICに必要な機能やリソースの移管を進めており、投信ビジネスにおいてはファンドのデューデリジェンスおよびモニタリング業務を、ファンドラップビジネスにおいてはアセットアロケーションおよびファンド選定業務を2024年度中に集約しました。加えて、長期分散投資を支援する情報提供に特化したCIO(Chief Investment Office)チーム約20名をSMBC日興証券から迎え、2025年4月1日より、SMBCグループ公式の投資見解を掲載した「CIO's View」を定期的に発行しています。
加藤(リテール副事業部門長): SMBCグループでは、お客さまに銀行・証券・信託が一体となったコンサルティングができるよう、ウェルスマネジメント統括本部で総合的な戦略の策定・推進を行っています。お客さまのニーズにお応えするために最適な営業体制を整え、ポートフォリオコンサルティングに継続して取り組んでいます。
五十嵐(SMBC日興証券): SGICは高度な専門性を持つファンドリサーチ機能やアセットアロケーションに関する高い専門性やノウハウを持っています。それを中立的な立場から反映した「CIO’s View」をグループ全体で活用することで、より質の高いコンサルティングを提供したいと考えています。
早川(SMBC信託銀行): 現在、SMBC信託銀行は外国投信を中心に取り扱っていますが、これらの質のさらなる向上に向け、SGICの機能を活用したいと考えています。加えて、その時々の市場テーマに左右されることなく、中立的な立場から長期にわたり商品をご提案できるよう、最適なラインアップ構築に向けてSGICと連携していきます。
伊木(SMDAM): SMDAMは、自社の運用のみならず、世界中の優れた投資対象、運用マネージャーに対するアクセス機会を提供することを使命としています。SGICは長年のファンドラップ運用を通じて、優れたファンド選定能力と、それぞれのファンドをポートフォリオとして組み合わせる能力があります。協働を通じて、より優れたファンドの選定やポートフォリオの提供を目指したいと考えています。

貯蓄から資産形成へ、新NISAで広がる裾野をカバー
加藤(リテール副事業部門長): 投資初心者の方が投資を始めるにあたっては、知識や資金の不足、投資やリスクへの不安といったハードルが存在します。これらを解消し、お客さまの資産形成を支援するため、出張授業やセミナー等の金融経済教育を実施しています。加えて、2025年1月には気軽に金融を学べる金融経済教育ゲームをリリースしました。また、2024年1月の新NISA開始を契機に、「Olive」が牽引役となり、デジタルに関心の高い若い世代を中心に投資の裾野が広がり始めています。NISA口座数は、三井住友銀行や三井住友カードを経由したSBI証券仲介口座を含めたグループ全体でこの1年間で37万件増加し、その増加数は前年比20%増と高い伸びを示しており、特に「Olive」経由の口座開設数が大きな割合を占めています。
五十嵐(SMBC日興証券): SMBC日興証券では、お客さまが中長期分散投資を通じて安定的に資産を増やしていけるよう、お客さまの全体の資産を扱う総資産コンサルティングに力を入れて取り組んでいます。ライフプランのヒアリング、ご提案、レビューを通じてフォローアップすることで、お客さまと長期的なお付き合いを続けられることが強みだと考えています。
早川(SMBC信託銀行): SMBC信託銀行は、外貨建ての投資信託や決済サービスに強みがあり、外貨のまま決済できるVisaデビットカード「グローバルパス」は、日系グローバル企業の海外赴任者や、海外渡航の機会が多い企業オーナーの方々から多くご利用いただいています。加えて、不動産を含む非金融ニーズや、お客さまが潜在的に抱えるニーズに基づいた総資産ポートフォリオの見直しをご提案しており、運用はもちろん、融資、不動産仲介、自社株等の円滑な継承も支援することで差別化を図っています。
人材力を活かし、グループの運用スキルを結集
伊木(SMDAM): SMDAMは「Be Active.」を掲げ、アクティブ運用に注力しています。やはり、運用力強化の源泉は人材であるため、運用商品の幅を広げるべく、グループの多様な人材の活用に積極的に取り組んでいます。たとえば、三井住友銀行の市場営業部門から運用担当者を迎え、両社の運用スキルを結集し、2023年にグローバルマクロ戦略型のファンドの運用を開始しました。他方で、当社からもファンドマネージャーをはじめとする多くの運用経験者がグループ会社に移籍し、運用商品の選定、運用会社の評価、運用アドバイザリー業務に従事しています。今後ますますグループ内の人事交流が進展していく中で、運用に関するプロフェッショナルの活躍の場も広がっていくと強く感じています。
面川(グループCSO補佐): 運用力強化という点では、新しい運用者を積極的に迎え入れ、優れた投資戦略を取り入れてお客さまに提供する試みも始めており、「Emerging Manager Program(新興運用業者促進プログラム)」として、中期的に総額500億円を投資する目標を掲げています。SMDAMでは、このファンドスキームや投資先に対するデューデリジェンスの機能等も提供しています。今後もSMBCグループが持つ多様な機能を活用して、特色ある新興運用業者との連携を進めていきたいと考えています。
受託者責任を胸に、お客さまから選ばれる存在へ
伊木(SMDAM): 資産運用ビジネスにおける最も大切な価値観は受託者責任だと考えています。より高度な受託者責任を果たすためには、より高度な資産運用への理解が不可欠です。オルタナティブ投資等、投資領域が拡大している近年においては、プロダクトガバナンス、透明性の視点、幅広い経験、深い知見を持つリーダーシップが必須となります。当社の経営陣は長年この業界で経験を積み重ねてきた人材で構成されており、資産運用業界における豊富な経験と知見、見識を重視した布陣となっています。
小林(SGIC): SGICはグループ内の資産運用と商品のコンサルティングという両機能の間に立ち、中立的な立場で商品を評価する会社です。社長に就任し、受託者責任とグループ内連携をいかに両立させるかを常に考えてきました。その答えは、それぞれの関係会社が、より一層プロフェッショナル集団になるということだと考えています。質の高いサービスを提供し、SGICの商品やサービスを積極的に利用したいと思ってもらえることが最終的な目標です。
面川(グループCSO補佐): 資産運用ソリューションプロバイダーに向けて、引き続き緊密に協力し合い、お客さまの人生に寄り添い、支えとなる存在を目指していきましょう。