事業戦略
(写真 左から)
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SMBC日興証券
コーポレートファイナンス本部
TMT*グループ 阿部 一幸投資銀行業務として、M&Aアドバイスや株式・社債による資金調達支援、IPOの支援を実施
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三井住友銀行
企業戦略営業部 橘高 一典M&Aファイナンスグループに所属し、ファイナンス構築の伴走、アレンジ業務や契約書のドキュメンテーション、提案活動を実施
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三井住友銀行
本店営業第一部 岸 周平素材メーカーを中心とした大企業営業担当
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三井住友銀行
市場ソリューション部 高森 創ストラクチャリンググループに所属し、クロスボーダーM&Aやグローバル債の発行に伴う為替・金利リスクのヘッジを担当
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三井住友銀行
CA第一部 細川 京佑TMT*グループでM&Aのオリジネーションを中心に活動
*テレコム・メディア・テクノロジー
大型コーポレートアクションの実現に向けた支援
日本企業のグローバル展開が加速する中、SMBCグループのホールセール事業部門は、銀行と証券が一体となり、お客さまの複雑な経営課題に応えてきました。具体的な事例として、今回はTOPPANホールディングス(以下、TOPPAN)における米国パッケージ大手SONOCO社の事業買収と、子会社テクセンドフォトマスクのIPOという2つの大型コーポレートアクションに携わった5名に、銀証連携の舞台裏と今後の展望を語ってもらいました。
岸 TOPPANは日本を代表する総合印刷会社ですが、祖業である印刷事業が縮小傾向である中、事業ポートフォリオの変革を強力に推進しています。私が同社を担当してから3年間、何度も足を運び、財務部門だけではなく経営企画や事業部門とも議論を重ね、海外拠点で現地法人を担当する当行の社員とも連携しながら、さまざまな仮説提案を積み重ねてきました。その結果、コーポレートアクションが具現化するタイミングで、ファーストコールをいただける関係性を築けていたと思っています。
SONOCO社の事業買収案件におけるキーポイント
岸 短期間・機密性・大規模案件という3つの難しさが重なっていました。TOPPANにとっては過去最大規模となる約2,700億円のクロスボーダー案件であり、かつご相談を頂いてから契約締結までの期間が1ヵ月程度という状況でした。
橘高 最初に整理すべき論点は「資金の調達ができるか」でしたが、それと同時に売り手の要望に応じたコミットメントレターの内容についても交渉を進める必要がありました。そのような状況の中、細川さんのチームが事前に財務インパクトや格付への影響を整理しており、全額シニア調達でも問題がないという見通しが立っていた結果、早期にパーマネントプランまで提案することができました。ローンだけではなく社債調達も視野に入れた論点を整理し、さらに為替ヘッジについても高森さんと連携することで、1ヵ月以内にトータルのソリューションを提案することができました。
細川 TOPPANは事業領域が多岐にわたる企業で、多面的な分析が必要です。北米市場の動向や競合のコーポレートアクションの分析、財務インパクトや格付への影響をCA本部フルリソースで対応しました。
高森 クロスボーダーM&Aには必ず為替リスクが伴います。今回は大口外貨調達のタイミングとヘッジ商品の選定、パーマネントファイナンスの通貨構成も踏まえた買収後の為替リスクの管理という、大きく2つの論点がありました。お客さまのポリシーや選好に合わせて最適な提案をするために、買収ストラクチャーやマーケット環境を踏まえながら迅速に動きました。
橘高 また、買収対象は米国企業による事業の切り出しであったため、ファイナンスの提案に加え、買収後の資金管理体制の構築についても早期に提案しました。案件が公になれば多くの金融機関が提案を持ち込むため、スピード感を持って総合的なソリューションを提案できたことが結果につながったと思います。
テクセンドフォトマスクによるIPO案件
阿部 テクセンドフォトマスクは、TOPPANの半導体用フォトマスク事業が2022年4月に会社分割されて設立された会社です。SMBC日興証券は上場プロジェクトを支援する推薦証券会社として選定していただき、プロジェクトがスタートしてから2025年10月16日の上場まで、丸3年以上にわたり伴走してきました。具体的には、上場企業として求められるガバナンス・内部管理体制の整備や証券会社・東証審査対応を行いながら、後半は投資家向けのエクイティストーリーの構築やマーケティング支援にも注力しました。IPOは証券会社中心のプロセスですが、最終的には銀行との適切かつ幅広い連携が高く評価され、主幹事として上場を支援できました。
岸 IPO案件でも各所との連携は欠かせません。テクセンドフォトマスクは売上の9割が海外であり、上場準備の段階から海外子会社の資本構成の整理や為替リスク管理体制の構築が必要でした。高森さんのチームと早期に連携しながら、ヘッジ方針の策定から規程整備、実際のヘッジ実行、そして上場後の効果検証まで一貫してサポートしました。
高森 上場前後は為替相場が大きく動いた時期であり、為替リスクを看過できない状況でした。IPOを控えた上場企業として、外部からのさまざまな角度の質問にも答えられるように、ヘッジの効果検証を含めたアフターフォローまでしっかり伴走しました。
阿部 上場後も支援は続いていきます。一般的には、決算説明会の運営支援、国内外の投資家へのIR、そして将来的な成長戦略や新規事業展開の検討、それに付随した資金調達まで、銀行・証券一体でご支援しています。
銀証連携の強みを強化し、世界でシェア拡大
細川 いずれも良い形で結実した大きな要因は、「全体像を捉える」姿勢だったと思います。
日々のやり取りの中で、我々が提供する価値を最初に見極め、お客さまの意思決定プロセスや社内文化まで理解して提案活動を行うことで、単なる金融ソリューションのベンダーではなく、戦略的パートナーとして位置付けてもらうことが重要だと考えています。
阿部 証券の観点では、セクターに特化した深い知見が土台にあったことで、お客さまのニーズを聞いた瞬間に提案のイメージが湧き、銀行側と即座に連携を図ることができました。この初動のスピードと提案の品質が差別化につながります。今後はJefferiesとの合弁会社設立により、グローバルな情報・プロダクトの幅がさらに拡充されるため、これを武器に法人ビジネスでのシェア拡大を目指します。
橘高 銀証連携に向けては、定期的な勉強会の開催やSMBC日興証券からの研修受け入れ等、顔の見える関係作りを地道に続け、ハードルなく連携できる土台を構築しています。大型のクロスボーダー案件での実績も積み上げており、知見を活かして引き続きお客さまの多様な課題に応えていきます。
高森 論点を素早く捉えて初動で連携できる力は、一朝一夕には蓄えられません。マーケットの専門知識だけでなく、お客さまの財務状況や案件全体のスキームを俯瞰したうえで提案できるのは、各所が日頃から密に連携しているからこそだと考えています。
岸 ただ、現状に満足してはいけません。本邦No.1を目指すには、世界でも戦える実力を磨き続けることが必要です。SMBCグループの銀証連携をグローバルで進め、お客さまを支える体制を強化していきます。