環境ビジネスの推進

SMBCグループでは、環境ビジネスを「本業としてのビジネスを追求しつつ、地球環境の維持や改善に貢献するための取組」と位置付け、各社で活動を展開しています。太陽光発電を用いた再生可能エネルギービジネスや投資を通じた環境への貢献など、グループ各社で実施している環境ビジネスおよび環境関連商品・サービスの実績をご紹介します。

サステナブルファイナンスへの取組

SMBC Group

SMBCグループは、本業を通じた環境・社会課題の解決に積極的に取り組んでいます。特に環境関連分野を含むサステナブルファイナンスに注力しています(2030年までの10年間で累計50兆円の目標)。

政府が策定した2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略における14の重要分野をはじめ、脱炭素社会の実現に資するお客さまの取組への支援を実施・強化しています。具体的には、三井住友銀行による融資・預金、SMBC日興証券によるESG債等の引受、SMBC信託銀行による設備や敷地の受託、三井住友ファイナンス&リースによる設備リース・開発投資、日本総合研究所によるコンサルティング等、各社それぞれの個性を活かした支援を行っています。

グリーン預金

SMBC

三井住友銀行は、「グリーン預金」を通して、お客さまの資金運用面でのESG推進サポートを行っています。「グリーン預金」は、お客さまからお預かりする預金をESGのうち環境(Environment)分野、特に再生可能エネルギー分野向けファイナンスに充当する預金です。第三者評価機関の支援を得て「SMBCグリーン預金フレームワーク」を策定の上、お客さまからお預かりした預金を環境分野へのファイナンスにて運用し、毎年の運用状況を第三者評価機関に評価いただくことで透明性を確保しています。グリーンファイナンスによる調達面でのご支援に加えて、お客さまの運用面でもサステナビリティの実現に貢献し、地球環境に配慮した持続可能な経済成長を支援していくことを目指しています。

グリーン預金の概要については、以下のリンク先をご覧ください。

三井住友銀行:グリーン預金

サステナブルバリューアップファンド

SMBC SMBC信託銀行

2021年2月、三井住友銀行及びSMBC信託銀行は、「サステナブルバリューアップファンド1号投資事業有限責任組合」を立ち上げ既に5物件への投資を実行済です。築年数が経過した不動産を中心に投資を行い、空調施設を最新設備に更新することで省エネを実現するなど、積極的な改修工事を実施中です。これにより投資不動産の価値向上による国内不動産ストックの良質化、および環境負荷の低減に貢献してまいります。

再生可能エネルギービジネスへの取組

SMBC信託銀行

太陽光発電設備および敷地の使用権(所有権、賃貸権または地上権)を受託し、信託財産を管理するとともに信託受託者として売電により得た収入を原資に受益者への配当を行うなど、再生可能エネルギービジネスへの取り組みを行っています。

太陽光発電エネルギーサービス(PPA)の取組

SMFL

三井住友ファイナンス&リースの戦略子会社であるSMFLみらいパートナーズは、オンサイト型の太陽光発電エネルギーサービス(PPAモデル)を行っています。お客さまの建物屋根等に太陽光発電設備を設置し、発電したCO2フリー電力をお客さまに供給(エネルギーサービス)します。

SMFLグループではこのほかにもオフサイト型の太陽光発電エネルギーサービスや、省エネ設備のリース、補助金コンサルティング、LEDレンタル等の脱炭素ソリューションを提供し、お客さまの温室効果ガス排出量削減に貢献しています。

サステナビリティ・リンク・リース/ローン

SMFL

三井住友ファイナンス&リースは、船舶のCO2 排出削減量に連動してリース料/金利が低減する「サステナビリティ・リンク・リース/ローンを提供しています。同社は2020年12月、海運業界の脱炭素化を金融機関として推進するために設立された「ポセイドン原則」に、リース会社として世界で初めて署名しており、本取組はリース料/金利が同原則の評価式に連動しています。海運業界におけるお客さまの環境負荷軽減へのさまざまな取組を金融面で一層支援することにより、脱炭素・循環型社会の実現に貢献しています。

不動産ブランド「NEWNO」

SMFL

三井住友ファイナンス&リースの戦略子会社であるSMFLみらいパートナーズは、2021年7月、不動産事業の新規事業ブランド「NEWNO」を立ち上げ、これまでに5物件を展開してきました。本事業では、建物で使用する電力に、発電過程において温室効果ガス(GHG)が発生しない電力を採用するといった環境面への配慮や、利用用途にあわせて、感染症対策の観点から各フロアの換気効率を高めるといった安全・安心への取組み等を行うことにより、持続可能な社会に貢献する高機能な建物の実現を目指しています。これからも、環境と利用者の健康に配慮し、快適性に優れた不動産開発や地域コミュニティの活性化に取り組んでいきます。

グリーンボンド発行実績

SMBC Group SMBC

2015年10月に、本邦民間金融機関として初となる米ドル建てグリーンボンドを発行して以降、国内外の債券市場において定期的にグリーンボンドを発行しております。


SMBC日興証券でのグリーンボンド等の発行支援

SMBC Nikko

SMBC日興証券は、金融・資本市場におけるビジネスを通じた環境・社会課題の解決のため、2018年に専門部署(現サステナブル・ソリューション部)を立ち上げました。企業や団体のグリーンボンドをはじめとするSDGs債等の発行支援に積極的に取り組んでいます。


トランジションファイナンス

SMBC Group

世界全体で早期にカーボンニュートラルを実現するためには、脱炭素化に向けて技術的・経済的に代替手段が限られ、一足飛びに移行することが困難なセクターの移行を支援することが重要です。
SMBCグループは、トランジションファイナンスに関する当社の定義・判断基準等を示す「Transition Finance Playbook」を策定し、トランジションファイナンスを通じて実体経済の脱炭素化に貢献していく方針です。
本Playbookは、NZBA(Net Zero Banking Alliance)の推奨事項やトランジションファイナンスに係る国際的な原則を踏まえて策定し、各国・地域の方針や規制、タクソノミー、ロードマップ等を参照の上、トランジション技術の特定を行いました。また、DNV ビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社より、本Playbookへのセカンド・パーティ・オピニオンを取得しています。今後の技術革新や規制変更等を踏まえて毎年度見直しを行います。


日本銀行「気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション」への対応

SMBC

三井住友銀行は、日本銀行が実施する、気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション(日銀グリーンオペ)の貸付対象先に選定されています。これを受けて、本オペレーションにかかる対象投融資に関する基準および具体的な手続きを、以下の通り定めています。


環境関連ビジネスの創出

脱炭素社会の実現に向けた取組

SMBC

三井住友銀行は、脱炭素社会実現に向けたキーテクノロジーである水素に着目し、エネルギー転換を金融面で後押しすべく、様々な取り組みを行っています。
2020年にはSMBCグループも共同代表・事務局の1社として、国内の水素関連事業者の皆さまと共に、水素社会実現を目指す水素バリューチェーン推進協議会を設立しました。また、2021年には、太陽光発電と水素製造設備、蓄電池を組み合わせた電力供給システムへのプロジェクトファイナンスに邦銀で唯一参加しました。本件は世界初のグリーン水素へのプロジェクトファイナンスです。

成長分野への取組

SMBC

三井住友銀行は2005年より、排出権に関連するビジネスを推進してまいりました。
具体的には、日本政府がポスト京都メカニズムの新たな枠組みとして推進している「二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)(※)」に関連して、日本の環境技術を導入する、海外での省エネルギー・再生可能エネルギー事業の開発を金融の側面から支援してきました。2010年度以降、アジアや中南米を中心とした30件以上の各種事業調査に加わり、金融スキームの検討などを行っています。
2022年より、複数のグローバル大手金融機関によって開発が進められている、カーボンクレジット取引のプラットフォームであるCarbonplaceに設立メンバーとして参画しており、国内外のお客さまが質の高いカーボンクレジットに容易にアクセスする機会を提供します。

  • 日本企業が得意とする低炭素技術を途上国へ普及させることによって、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、地球規模での温暖化対策に貢献し、日本の削減目標の達成に活用する仕組み。

サーキュラーエコノミー(循環型経済)への貢献

SMFL

三井住友ファイナンス&リースは、当社リース終了物件だけでなく取引先所有物件も含めて、一般中古機械・設備の買取・販売に注力しており、半導体製造装置の中古売買ではリーディングプレイヤーとしての実績を有しています。また、排出物遵法管理ASPサービス(PBasis)や排出処分支援業務の提供、SMFLみらいパートナーズ(当社の100%子会社)と金属リサイクル事業大手の株式会社アビヅが合弁で設立した「SMART」による設備・プラント処分元請事業への参入など、3R活動を積極的に進めています。これからも、リース会社としてのモノへの知見・ノウハウの活用およびメーカー・販売会社・リサイクル会社などのパートナー企業との協働によりサーキュラーエコノミーの実現に貢献していきます。

環境関連のコンサルティング事業

JRI

環境アドバイザリー事業
エネルギー分野やスマートコミュニティ分野を中心に、数多くの環境関連プロジェクトを手がけています。新しいビジネスの創出により、地球温暖化問題の解決と環境貢献型ビジネスの発展に寄与することを目指します。


JRI

エネルギー関連政策提言
日本総合研究所では次世代エネルギーシステムのあり方や、わが国のエネルギー戦略について政策提言を行っています。日本総合研究所の詳しい事例はこちらをご参照ください。


日本総合研究所:経済・政策レポート(環境・エネルギー)

海外での環境ビジネス関連の業務提携

SMBC

新興国では、地球環境とのバランスのとれた経済成長が求められる中、環境ビジネス市場も著しい進展を見せています。三井住友銀行は、新興国における環境技術を有する日本企業との橋渡しや環境関連プロジェクトへの融資、排出権取引のノウハウ提供を目的とした覚書(MOU)を複数締結するなど、新興国との環境ビジネスにおけるネットワーク強化を図っています。
また、三井住友銀行は、「気候変動に関する国際連合枠組み条約」に基づき設立された多国間気候基金である緑の気候基金(GCF:Green Climate Fund)より、GCFへの事業提案・資金要請を行うことができる認証機関(AE:Accredited Entity)として認定されました。これにより、開発途上国の気候変動対策事業や、水素等の脱炭素社会・サステナビリティ実現に向けたイノベーションをもたらす事業に対し、より幅広い支援が可能となります。
今後も複合金融グループの持つ環境関連ビジネスの知識と経験を活用し、環境・エネルギー分野をはじめとしたさまざまなニーズに応えていきます。

金融商品を通じた環境保全への取組

SMBCgroup

SMBCグループは、省資源・省エネルギーの推進や地球温暖化対策などの気候変動・環境問題への対応をはじめ、さまざまな社会的課題に取り組むお客さまに対するソリューションや商品を開発・提供しています。
詳しいラインアップは以下のリンク先をご覧ください。


サステナブルソリューション

投資を通じた環境への貢献

SMBC

2017年10月、三井住友銀行は資産運用を通じた社会貢献への取組として、東京都が初めて発行するグリーンボンド「東京グリーンボンド」(※)に投資を行いました。

※グリーンボンドは、グリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券です。東京グリーンボンドは、国際資本市場協会(International Capital Market Association:ICMA)が定義する「グリーンボンド」の特性にしたがった債券である旨、第三者機関よりセカンド・オピニオンを取得しています。

東京グリーンボンド発行による調達資金は、環境対策やスマートエネルギー/クール・クリーンで快適な都市づくり、気候変動の影響への適応に関連した事業に充当される予定です。


債券名 東京グリーンボンド(5年/30年)第1回債
取得格付 A+(S&P)
発行総額 100億円

三井住友銀行は、今後も持続可能な社会の形成に向けたSMBCグループの重点課題のひとつとして定めている「環境」への取組みを通じ、社会全体の持続的な発展に貢献していくとともに、多様な投資案件への取組みなどによる運用手法の高度化・多角化、ならびに機関投資家としての本来機能の発揮により、資産運用収益を確保し、企業価値向上を目指していきます。


三井住友銀行:東京都が発行する「東京グリーンボンド」へ投資を行いました