

金融リテラシー教育の推進
経済状況の変化により、人々のお金に対する意識も変化しています。また近年では、金融犯罪や多重債務など、お金に関するさまざまな問題も発生しています。
SMBCグループは、誰もがお金に対する正しい知識を身に付け、安心して暮らせる社会を目指し、グループ各社が有する知識やノウハウを活かした様々な金融経済教育活動を幅広い世代に向けて提供しています。
金融教育は、お金や金融の様々な働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養います。
金融経済教育活動を通して、お金に関する知識だけではなく、自身で生計を立てることや資金計画を考えることで得られる「自立する力」、また働くことやお金を使うことを通して身に付く「社会とかかわる力」等の向上に貢献しています。実際にセミナーを受講された方からは、「来年から一人の大人となり責任をもって行動したい」、「ライフプランを実現するために早めに準備する必要があることが分かった」等のお声をいただいております。
SMBCグループは、「SMBCグループ サステナビリティ宣言」に基づく2030年までの計画である「SMBC Group GREEN×GLOBE 2030」では、2020年度から2029年度までに金融経済教育を延べ150万人に提供することをKPIと据えています。
また、SMBCグループとして注力する金融経済教育を通じて、受講者のお金に関する学びや意識・行動の変化といった社会的インパクトを創出できているのか、客観的に分析し、より効果的なプログラムにしたいと考え、特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパンの協力のもと、金融機関では国内初の金融経済教育セミナーに対する社会的インパクト評価を実施しました。
評価結果からは、セミナー受講により金融リテラシーが向上することが確認され、プログラム検証のために検討したロジックモデルにおける初期アウトカムが検証されました。
以下ではすぐに役に立つ金融情報メディアなど、各世代に向けたSMBCグループの金融経済教育の取組をご紹介します。
金融情報メディア
金融経済教育への取組

SMBCグループはグループ各社でさまざまな金融経済教育を実施しています。これらの取り組みは対面でも実施される中、お客さまの利便性向上や昨今の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、柔軟にオンラインでの対応も実施しています。
小学生向け
小学生向け取組事例
小学生向けのイベント実施
SMBCグループたんけん隊

SMBCグループは、子どもたちや家族が従業員の働く職場を訪問し、金融業務について学び体験するイベント「SMBCグループたんけん隊」を開催しています。2019年度は三井住友銀行の東京・大阪本店と、日興証券の本店(新丸ビル)にて開催し、グループ各社より84組215名が参加しました。銀行での見学会では、金融の仕事やお札の数え方の授業の後、普段は見られない金庫室や本物の1億円の重さを体験し、日興での見学会では、ブラインドサッカーの体験会や職場見学を実施しました。
夏休み!こども銀行たんけん隊

三井住友銀行は2006年より、小学生が実際の銀行業務を学び、体験する「夏休み!こども銀行たんけん隊」を実施しています。この見学会では、従業員による授業のほか、窓口業務の体験やATM・金庫の見学などを通して、子どもたちが金融や銀行業務の基本について勉強する機会を提供しています。2019年度は東京・神戸の2拠点で実施し、59組130名にご参加いただきました。
銀行見学会のカリキュラムについては、以下のリンク先をご覧ください。
三井住友銀行:夏休み!こども銀行たんけん隊

「家族でワクワク体験DAY」

SMBC日興証券は、子どもたちの夏休み期間に、実体験型の社会学習プログラム、日興「家族でワクワク体験DAY」を2006年から全国の本支店で開催しています。
本プログラムは、小学生とそのご家族が同社の本支店を訪れ、クイズや情報端末などを使った実体験や従業員による講義などを通じて、経済やお金の流れ、金融機関の社会的役割などを楽しみながら学んでいただく取組です。
出張授業

SMBC日興証券では、子どもたちに経済や金融に興味を持ってもらうことを目的に、2016年より従業員が小学校を訪問して出張授業を行っています。小学生は、「お金の大切さや役割について徐々に理解し、さまざまな体験を通じて、将来、社会の中で生きていく力の素地を形成する時期」と考えられていることから、小学校高学年の児童を対象に、テキストを使った授業や、カードゲームを活用した体験型の授業を行っています。
各拠点での銀行見学会・職業体験の実施

三井住友銀行は、全国の営業拠点が自ら企画し地域社会に貢献する活動を推進しており、各営業拠点は銀行見学会の主催や、支店周辺や屋外での清掃活動の実施、地域のイベントへの参加などを行っています。
金融セミナーなどへの協賛
「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」への協賛

三井住友銀行は、キッザニア東京・甲子園のオフィシャルスポンサーとして銀行業務体験を提供しています。「キッザニア東京」(東京都江東区)では、2006年10月の完成時より、サポート企業として銀行の店舗を出展し、「キッゾ」と呼ばれる独自通貨を発行しています。また、2008年3月にオープンした「キッザニア甲子園」では、通貨の発行のほか、子どもたちが銀行員の仕事を楽しく体験できるプログラムを用意しています。
詳細は、以下のリンク先をご覧ください。
キッザニア
(キッザニアのサイトに移動します)

スポーツイベント会場での「親子向け金融経済教育セミナー」の開催

三井住友カードは、2016年度よりスポーツイベント会場などで、親子向け金融経済教育セミナーを開催しています。このセミナーは小学生の子どもたちとその保護者を対象とし、子どもにも分かりやすいように、「お金をバランス良く使うこと」や「計画的に使うこと」の大切さを伝えるプログラムを展開しています。今後も、金融リテラシー向上と、スポーツを通じた地域活性化の両面に貢献する活動を継続して行っていきます。
金融経済教育関連ツールの提供
こども向けおこづかい帳アプリ「ハロまね」の提供

三井住友カードは、金融経済教育の一環として、小学生向けのおこづかい帳アプリ「ハロまね~親子で学ぶ、こどものお金管理~」を無料で提供しています。子どもの頃からお金について触れることで、将来必要となる収支管理を早期に身につけてもらうことを目的としています。親子で一緒にお金に関する基礎知識「使う」「貯める」「増やす」を楽しく学べるアプリで、若年層の金融リテラシー醸成をサポートします。
三井住友カード:こども向けおこづかい帳アプリ ハロまね~親子で学ぶ、こどものお金管理~

「銀行のひみつ」の発刊

三井住友銀行は2007年5月、株式会社学習研究社(当時)に協力し、「まんがでよくわかるシリーズ」から「銀行のひみつ」を発刊、同書籍を全国の小学校約2万3,000校と、公立図書館約3,000館に寄贈しました。「銀行のひみつ」は、銀行の3大業務である「預金・貸出・為替」を中心とした銀行の社会的な役割や銀行の歴史などを、漫画を用いて分かりやすく解説しています。

中学生・高校生向け
中学生・高校生向け取組事例
セミナーなどの開催
企業見学の受入・講師派遣

三井住友銀行は、中学生・高校生による企業見学の受入や、従業員の講師派遣にも協力しています。企業見学では、営業現場や市場営業部門のディーリングルームなどの見学などを通じて、銀行業務や職業について学んでいただいています。
公募講師制による出張授業の実施


三井住友カードは、役職員から講師を募り中学校・高等学校・大学などに訪問して出張授業を行っています。クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードなど多様化する現金以外の支払い方法の特徴やしくみ、キャッシュレス社会の到来に向けた金銭管理の重要性など、世代ごと、学校側のニーズに合わせた授業を展開しています。
健全な個人向け金融市場の形成に向けた金融経済教育のセミナー開催

SMBCコンシューマーファイナンスは、未来を担う学生や地域の方々がお金に関する正しい知識を習得するとともに適切な判断ができるよう、全国17ヵ所のお客様サービスプラザが中心となって、「生活設計・家計管理」「ローン・クレジット」「金融トラブル」などを主な内容としたPROMISE 金融経済教育セミナーを開催しています。地域コミュニティや教育機関の皆さまのニーズにお応えしていく中で、年々多くの方々からご依頼をいただき、2011年の活動スタート以来1万9千回以上開催し、のべ120万名を超える方にご参加いただきました(2022年2月末現在)。加えて、地域で活動する警察署や消費生活センターなどの外部団体とも協働し、地域で多く発生している金融トラブルや消費者被害防止に関するセミナーや啓発活動を実施し、地域社会に存在する課題解決へ貢献しています。
大学生向け
大学生向け取組事例
講師派遣
講師派遣

三井住友銀行は、各大学に従業員を講師として派遣し、「環境に関するストラクチャードファイナンス」のような専門的な事例紹介から、「女性の社会進出」といったテーマまで、各大学のさまざまなニーズに応えた講義を行っています。2019年度は、79大学で約3,600名を対象に講義を行いました。
教育機関との連携
データサイエンティストの育成とデータ利活用による新たな付加価値創出

SMBC信託銀行は、2017年9月、三井住友フィナンシャルグループとともに、滋賀大学とデータサイエンスに関わる教育および研究の分野における連携・協力に関する協定を締結しました。日本初のデータサイエンス学部を2017年4月に創設した滋賀大学と共同で、同大学への講師派遣やインターンシップ受け入れなど、データサイエンスの専門知識とスキルを持つ人材の育成を行っています。ビジネス分野における共同研究を通じて、データの利活用による新たな付加価値の創出に取り組んでいます。

京都女子大学での講義実施
SMBC信託銀行は、寄付講座の一環として、京都女子大学において信託業務に関する講義を実施しています。
京都大学との産学連携(情報学ビジネス実践講座)
日本総合研究所は、2018年6月に京都大学および協力企業5社と「情報学ビジネス実践講座」を設立しました。協力企業からは産業界におけるITの重要性、企業経営や実務における課題や活用事例を教材として提供しています。社会・ビジネスにおけるITの重要性を学ぶ場を通じて、実践的なITリテラシーを身に付けた人材の輩出に取り組んでいます。そして金融の理解において極めて重要なITを学ぶこの取組により、金融リテラシーの向上を推進しています。
情報学ビジネス実践講座

神戸大学との産学連携(産学官地域連携デジタル人材育成ラボ)
日本総合研究所は、2016年より神戸大学に金融ビジネスとITに関する講義を提供しています。2019年からはデジタル人材育成に向けた教育プログラムの開発・実施を本格化させるために「産学官地域連携デジタル人材育成ラボ」に参画しました。金融ビジネスにおけるITと情報システム工学の関わりをテーマにしたワークショップ形式の講義を新設し、実務者教員から学ぶ場を提供しています。
神戸大学 数理・データサイエンスセンター

東京大学「量子ソフトウェア」寄付講座の設置
日本総合研究所は、国立大学法人東京大学ほか8社と協同し、量子コンピュータによる新しい量子機械学習手法の研究や量子アプリケーションの開発を目的とした「量子ソフトウェア」寄付講座を2021年6月1日~2024年5月31日(3年間)に設置しています。本寄付講座は、東京大学大学院理学系研究科に設置し、同研究科に附属している「知の物理学研究センター」と協力して推進します。
本寄付講座では、量子コンピュータと、情報圧縮に役立つテンソルネットワークや情報抽出を行うサンプリング手法などの組み合わせによる新しい量子機械学習手法や量子アプリケーションの開発、大規模シミュレーションによる量子コンピュータの背後に潜む物理の理解、最先端知見の獲得を通じ、社会実装における課題の解決、および、量子ネイティブな専門人材育成を目的に掲げています。
東京大学「量子ソフトウェア」寄付講座の設置

社会人向け
社会人向け取組事例
企業見学・研修の受入

SMBC日興証券は、学生・一般の方に、金融や経済に関する知識を深めていただくために企業見学・研修を行っています。プログラム内のセミナーや、当社の本支店、海外拠点などの見学を通じて、私たちの生活とお金、金融機関の役割や金融取引に関するさまざまな知識について、理解を深めていただいています。
学べる金融講座

三井住友銀行は、「将来への不安」「ご自身の相続」等、お客さまの悩みやニーズに合わせた、ざまざまなテーマのセミナーを展開しております。具体的には、介護のために将来必要な「資産寿命」を伸ばす、今後の株価の値動きに備えた具体的な投資手法の紹介、また、初心者の方に向けた積立投資のメリットの説明等を実施しています。これらは店舗での対面によるセミナー開催だけではなく、お客さまのご都合のよいタイミングでお好きな場所からご視聴いただけるオンラインセミナーも行っており、過去に開催したセミナーの録画も公開しています。
特殊詐欺防止への啓発活動

SMBCコンシューマーファイナンスは、高齢者が架空請求詐欺や還付金詐欺などを中心とした特殊詐欺被害に遭わないよう、金融トラブルについて啓発を行うセミナーを行っています。実際に起きている被害事例を具体的にお伝えし、対応策をお話することで、被害の未然防止につながる取り組みを行っております。
