三井住友フィナンシャルグループ

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システム化することが目的ではない。ITで、業務の最適化を図る。そんな提案ができる人材に。

日本総合研究所 決済システム開発部 武田 瞳

総合情報サービス企業として、シンクタンク・コンサルティング・システムインテグレーションの3つの機能を持つ日本総研。武田は、入社以来6年間、三井住友銀行のシステム開発に携わっている。 入社3年目には、新たなディーリングサポートシステムを構築する大規模なプロジェクトに携わり、要件定義から仕様策定、設計、テストまで一連の工程を担当。苦労を重ねながらも、無事、開発を成し遂げた。彼女が常に意識するのは、ユーザーが求めることの本質を探ること。それには、ITの知識はもちろん、ユーザーの業務への理解が必要だ。武田は、実際にシステムを利用する銀行の現場で数カ月間の研修を受け、専門知識や背景を体得するなど、ユーザー目線に一歩でも近づく努力をしたことが役立ったという。ユーザーからは「期待以上のレベルアップが図れた」との評価を得た。この経験を通じて武田は、求められた仕様の実現に留まらず、ユーザーの業務の質を高める提案を行うには、対象となる業務プロセスを深く理解することが不可欠だと学んだ。
そんな彼女は近々、アジアでの決済ビジネス強化を目指すプロジェクトの一員として、シンガポールへ赴く。希望していた、成長著しいアジアでの仕事。通貨や規制は国や地域ごとに異なるが、ITのチカラで、円滑な金融サービスを三井住友銀行と共に実現したい。アジアで活躍する企業の後押しにつなげる、新たなチャレンジにいま、武田の胸は高鳴っている。

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業務インタビュー

金融システム開発のプロジェクト管理を担う。
私は入社以来、三井住友銀行向けに金融システムソリューションを提供する部門に所属し、現在は銀行の海外法人顧客を対象としたシステムの開発に携わっています。新たな機能を追加してシステムを改善していくために、銀行から課題をヒアリングしてシステムの要件を定義。そして設計方針を考え、システムを組み上げてさまざまなテストを実施し、リリースしていくという一連のプロジェクト管理を手がけています。
銀行の金融ビジネスでは、様々なところでITが使われています。ITの質は金融サービスの質を大きく左右することもあり、その重要性は高まっています。金融が高度化、複雑化する中でプロジェクトを推進していくためには、ITのみならず金融の専門知識をしっかりと身につけることが必要です。そのために、これまで3度、三井住友銀行に短期出向し、、外国為替関連や市場取引の事務といった銀行業務を学びました。この経験は、ユーザー視点を理解する上でたいへん意義のあるものでした。

ユーザーからの評価が大きなモチベーションに。
これまでで一番印象に残っている案件は、3年目に携わった為替のディーリングサポートシステムの開発です。システム全体を改善する大規模なプロジェクトが立ち上がり、その開発案件の一部について担当を任されました。銀行での実務研修の経験を活かして要件定義や設計方針をユーザーと一緒に組み立てていきました。また、テストを実施する際には、他の様々なシステムと連携しているため、チーム間で認識の相違がないように他チームともコミュニケーションを密にすることを意識しました。
プロジェクト期間中は本当に苦労の連続でしたが、無事開発を完了し、銀行側のユーザーから「このシステムによって期待以上のレベルアップが図れた」と評価の言葉をいただいた時は、とても大きな達成感がありました。まさに、システムを通して三井住友銀行の業務にソリューションを提供するという、自分の仕事の価値を実感できたプロジェクトでした。

「本質」から銀行業務の全体最適化を図っていく。
プロジェクトの現場では、ユーザーが求めている本質を探ることを常に心がけています。ユーザーから課題をヒアリングする際、その背景やシステム上、業務上の問題点など詳細を理解するように努めています。本質をおさえれば、違う角度からより有益な提案ができることもあります。伝えられた「課題」を全てとは思わず、銀行業務の質を高める観点から他の改善点も見つけ出し、それらを含めて想定した「本来あるべき課題」にまで応えられる提案を行うことを心がけています。
ただし、注意しなければならないのは、業務の全てをシステム化することが、全体から見ると最適ではない場合があることです。
複雑な銀行業務のシステム化を進めれば、作業は効率化・高速化され、ミスも減少します。しかし、メンテナンス等の日々の運用面のことまで考え、業務知識の承継のために一部の作業はあえてマニュアルのまま残しておくこともあります。
私たちの仕事のミッションは、「ITでシステムをつくる」ことではなく、「ITで銀行業務を最適化していく」ことなのです。

これからは海外を舞台にキャリアを広げていく。
私は近々シンガポールに赴任します。入社時から、「海外でキャリアを積む」ことを目標に努力してきましたが、入社6年目の今年、いよいよその希望がかなうことになりました。人数が限られる海外支社では、自分ひとりで課題を解決しなければならない状況も増えるので、一層努力をしなければならないと身の引き締まる思いです。
シンガポールでは、アジア各国のユーザーのもとを回り、いま手がけているインターネット・バンキングシステムに関する課題をヒアリングしたり、三井住友銀行の提案に同行したりする予定です。様々な背景を持つお客さまそれぞれに提案をしなければならない仕事ですが、いまからとても楽しみです。
成長著しいアジアでは、国をまたいだビジネスがますます盛んになると思いますが、一方で国や地域毎に通貨や規制が違うという問題もあります。目標は、それらの影響を最小限に抑えた円滑な金融サービスの提供で、アジアで活躍する企業の活性化、ひいてはアジアの成長に貢献したいと思っています。

私の1日レポート

  • 通勤中は英語をリスニング
    起きたらすぐにシャワーを浴びて体を起こします。朝食は健康のため牛乳と豆乳を欠かさず飲んでいます。通勤時は、日経新聞をスマホの電子版でチェック。残り時間は著名人による英語の講演番組を聞いて、リスニングのスキルアップに努めています。

  • 海外とも連携しながら要件を定義
    朝の時間で集中して要件定義書の資料を作成。ユーザーから課題を取り込むだけでなく積極的な提案を心がけています。いま手がけているシステムは海外の法人顧客向けであるため、シンガポールや中国の拠点の担当者から現地のニーズを受けて開発を進めています。

  • ミーティングで現状報告
    週次ミーティングに参加。案件の進捗や懸案事項の対処状況を確認。納期までに開発を完了させるために、問題が発生した際には活発な議論が繰り広げられます。メンバーと意見が衝突することもありますが、質の高いシステムをつくりたいからこそであり、最後は一体となって乗り越えています。

  • テストに向けて入念に準備
    担当案件のテスト項目のレビューを実施。テストケースに漏れがないか入念に確認します。システム開発に間違いは絶対に許されません。影響力は常に意識していますし、責任感をもって仕事に取り組んでいます。

  • 教養セミナーに参加
    三井住友銀行主催の教養セミナーに参加。テーマは「米国から見た日本」。こうしたセミナーは、グループ内の社員であれば、申し込めば誰でも自由に参加できます。私も自己啓発のために積極的に参加するようにしています。

  • 英会話スクール
    毎週、退社後は英会話教室に通い、ビジネス英語を習得中。英語でのネゴシエーションを学んでいるところです。

休日の過ごし方

ここ2年ほど、週末にはヨガに筋力トレーニングの要素などを取り入れた「パワーヨガ」に通っています。もともとスポーツは好きで、学生時代は体育会でバスケットをやっていました。日本総研に入社したばかりの頃は、フルマラソンに3度出場しました。プロジェクトでリーダーを務めるようになってからは、少しスポーツともご無沙汰していたのですが、やはり健康のためにも体を動かさなければと思っていたところ、出会ったのが「パワーヨガ」。忙しい中でも気軽に続けられて、しかも身体的にもなかなかハードなので、いまはこの「パワーヨガ」がいちばんのお気に入りです。

私の「チカラ」分析

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  • 交渉力【4】
    物腰はやわらかに、でも伝えたいことは明確に、女性だからこそのコミュニケーションを心がけ、交渉に臨んでいます。
  • 人を動かす力【5】
    仕事は一人ではできません。必要に応じて社内外様々な人の協力を得ながら案件を推進することになります。その際は、協力者が必要な情報は何かということを意識してコミュニケーションをよくとり、積極的に取り組んでもらえるよう心がけています。
  • 瞬発力【5】
    指示を受けてから行動に移すまでのスピードを重視しています。やみくもにスタートを切るわけではありませんが、長々と考えるよりもまずは行動するタイプです。やってみなければ分からない問題を早い段階で表面化させ、解決しやすくする効果もあります。
  • 疑う力【4】
    物事を表面だけで鵜呑みにすることなく、納得するまで常に考えることを心がけています。また、以前は問題ないと判断したことでも再考することによって、新しいアイディアも生まれ、物事の本質を見抜く力もつきます。
  • 状況判断力【4】
    案件推進につきものの「想定外の事象」の解決には、発生した状況と影響をできるだけ早く正確に把握することが欠かせません。ポイントを押さえながら素早くヒアリングを行い、情報収集をすることで的確かつ迅速に判断が下せるようにしています。

3年後の「なりたい」自分