三井住友フィナンシャルグループ

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大規模な資源開発やインフラ整備への支援を通してお客さまと世界の発展に貢献したい。

三井住友銀行 プロジェクトファイナンス営業部 坂井 春菜

いま世界を見渡せば、石油・ガス・鉱物などの資源開発や、発電所・鉄道などのインフラ整備が盛んに行われている。こうした大規模な民間事業へ融資する際によく使われる手法である、プロジェクトファイナンス。その特徴は、事業への投資家の信用力ではなく、プロジェクトそのものが生み出すキャッシュフローをもとに融資をすることだ。坂井は今、それらの融資を取り扱うプロジェクトファイナンス営業部で、海外の案件を担当している。
案件の成約までには数年に亘るものも多く、条件交渉と契約見直しの繰り返しだ。まずは、弁護士やコンサルタントの助言も得ながら、プロジェクトに潜むリスクを法律面・技術面も含め多角的に分析し、お客さまと融資条件の交渉にあたる。同時に、海外拠点の担当者や、プロジェクトの現場となる国の当局、シンジケート参加銀行等との調整も行う。度重なる交渉でも諦めない粘り強さ、政治情勢等想定外の事態への対応力など、プロジェクトの遂行に求められる要素は多いが、融資に関わったプロジェクトの操業を見届けた時の達成感を励みに、情熱を持って前向きに取り組んでいるという。
プロジェクトのお手伝いをすることで、お客さまの事業のみならずその国の発展にも貢献できるところに、彼女は一番のやりがいを感じている。

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業務インタビュー

海外のプロジェクトファイナンス案件を担当。
私は入行3年目から、海外のプロジェクトファイナンスに携わる部署に所属しています。プロジェクトファイナンスとは、民間の事業に対して融資を行い、そこから生み出されるキャッシュフローを返済の原資とし、債権保全のための担保も対象事業の資産に限定する手法です。石油・ガス・鉱物などの資源開発や鉄道・発電所などのインフラ整備、石油化学などのプラント建設など、海外で行われる大規模な事業を対象に、プロジェクトファイナンスを活用してお客さまの資金調達を支援しています。
三井住友銀行では、グローバルネットワークを活かし、海外拠点と密に連携してチームで案件に臨んでいます。私もそのチームの一員として、海外で日系企業のお客さまが参画しているプロジェクトファイナンス案件をいくつか並行して担当しています。

海外拠点と連携しながら、お客さまと交渉を重ねる。
融資を取り組む際は、個々のプロジェクトに潜むリスクの分析を行います。プロジェクト現場となる国のカントリーリスクをはじめ、プロジェクトの関係当事者の信用度、さらには市況リスク等に至るまで、専門のコンサルタントや弁護士に相談しながら、技術面・法律面にまで踏み込んでリスクを分析します。
そしてリスクの所在を明らかにした上で、融資条件を設定し、細心の注意を払って融資関連の契約文書を作成していきます。
私は南米地域の案件を担当する機会が多いのですが、現地の拠点はもちろんのこと、ニューヨーク等の海外拠点とも連携しています。現地との電話会議なども頻繁に行いながらお客さまと交渉を重ねていきます。

困難を乗り越え、案件を成し遂げていくやりがい。
先日、一年以上にわたって取り組んできた案件が、ようやく融資契約の調印式を迎えました。
海外向けのプロジェクトファイナンスというと一見華やかに映りますが、地道な交渉や資料・契約書作成の積み重ねです。プロジェクトファイナンスは融資額が大きくなるため、自行だけでなく、複数の金融機関とシンジケートを組んで実行するケースがほとんど。その取りまとめ役を務め、シンジケート内で意見を調整し、それをもとにお客さまと交渉を重ねて契約書を作成します。
プロジェクトの所在国の政治が安定せず、なかなか許認可が下りなかったり、現地当局を含む多数の関係当事者間の調整が難航したりするなど、交渉が長期に渡り困難な局面も数々現れます。そのような中、融資を無事組成しお客さまに評価いただく時や、融資組成を行ったプロジェクトが開始され、できあがっていく様子を目の当たりにする時は、この仕事ならではのやりがいを感じます。

自らの仕事を通し、新興国の発展に貢献していく。
プロジェクトファイナンスを手がける上では、金融のみならず、国際情勢や技術、法律などいろいろな分野について精通しなければなりませんが、逆にそれが私の知的好奇心を満たしてくれます。
また、関わるプロジェクトは新興国で展開されるケースが多く、プロジェクトを成し遂げることでその国の発展に貢献することができます。私は学生時代から、新興国の発展を支援するための手段としてプロジェクトファイナンスに関心を持ち、入行時からこの仕事を志望していました。
融資したプロジェクトは形になるまで数年かかかるため、まだ自分が担当した案件が操業するまでには至っていませんが、これからこの仕事でさらにキャリアを重ね、将来ぜひその瞬間を見届けたいと思っています。

私の1日レポート

  • 世界のニュースをチェック
    通勤電車内では新聞をくまなく読み、業務に関係する国内外の記事をチェックしています。

  • 契約内容について交渉
    出社後は、夜間に海外から入ったメールをチェックして返信。そして午前中は、案件が進行中のお客さまのもとを訪問し、契約内容などについて交渉を行います。その後、弁護士のオフィスに赴き、法律面での問題について相談。外部の専門家と連携する機会もたくさんあります。

  • 文書作成に集中
    午前中のお客さまとの面談記録を作成。また、契約書や資料の読み込みや、業務に必要な文書作成にも取り組みます。正確さが求められ、細部にまで気を配って作業を進めます。

  • 海外拠点と電話会議
    案件について国内のメンバーで打ち合わせ。課題への対応について協議した後、海外拠点の担当部門のメンバーたちと電話会議。海外のプロジェクトを担う上では、英語でのコミュニケーション力は必須です。

  • 大学時代の友人と会食
    オフィスが大手町にあるため、周辺に勤務している大学時代の友人と連絡を取りあって食事に行くことも多いです。他の業界で活躍している友人たちと話をするのは勉強になりますし、刺激にもなります。

休日の過ごし方

いま打ち込んでいるのは、スキューバダイビングです。最近ライセンスを取得し、伊豆の海によくダイビングに出かけています。ダイビングは、仕事のことをまったく忘れて、海の中の世界に没頭できるのがいいですね。スポーツはもともと好きです。ダイビングの他には、ランニングが好きで、かつて会社の同僚と駅伝に出場したこともあります。

私の「チカラ」分析

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  • 粘り強い力【5】
    契約書・資料などの文書作成やお客さまとの交渉など、じっくり粘り強く取り組みます。
  • 先を読む力【4】
    先に起こることを予見して、一歩先を見据えた準備・対応をするよう心がけています。仕事をスムーズに進めるため、交渉の中で自分がこう言ったら相手はこう返してくるだろう、など先方の反応を想像して対応しています。
  • スピード力【3】
    悩んでいるだけでは、何も進みません。優先順位をつけて、スピード感を持って仕事することを心がけています。
  • 丁寧に対応する力【4】
    対応の仕方ひとつ、コミュニケーションの取り方ひとつで、仕事の進み方が変わってきますので、きめ細かく丁寧な対応を心がけています。
  • 探究力【5】
    疑問に思ったこと、関心を持ったことはすぐ調べます。業務では、ファイナンス面だけでなく、各国の事情、経済状況や技術などの幅広い知識が求められるので好奇心が大切です。

3年後の「なりたい」自分