いま世界を見渡せば、石油・ガス・鉱物などの資源開発や、発電所・鉄道などのインフラ整備が盛んに行われている。こうした大規模な民間事業へ融資する際によく使われる手法である、プロジェクトファイナンス。その特徴は、事業への投資家の信用力ではなく、プロジェクトそのものが生み出すキャッシュフローをもとに融資をすることだ。坂井は今、それらの融資を取り扱うプロジェクトファイナンス営業部で、海外の案件を担当している。
案件の成約までには数年に亘るものも多く、条件交渉と契約見直しの繰り返しだ。まずは、弁護士やコンサルタントの助言も得ながら、プロジェクトに潜むリスクを法律面・技術面も含め多角的に分析し、お客さまと融資条件の交渉にあたる。同時に、海外拠点の担当者や、プロジェクトの現場となる国の当局、シンジケート参加銀行等との調整も行う。度重なる交渉でも諦めない粘り強さ、政治情勢等想定外の事態への対応力など、プロジェクトの遂行に求められる要素は多いが、融資に関わったプロジェクトの操業を見届けた時の達成感を励みに、情熱を持って前向きに取り組んでいるという。
プロジェクトのお手伝いをすることで、お客さまの事業のみならずその国の発展にも貢献できるところに、彼女は一番のやりがいを感じている。