価値創造のための事業戦略

　マイナス金利政策や厳しい競争環境が継続する中、グループ各社の総力を結集した高度なソリューションの提供や採算にこだわった運営の徹底により、高い資産効率を維持してきました。
　2020年度は新型コロナウイルス感染症への対応として、お客さまの業務継続に資する支援と円滑な資金供給に注力しました。また、社会構造が大きく変化する中、お客さまの経営課題・ニーズの急速な変化にグループ一体で向き合い、事業再編やキャッシュレス・決済ビジネス、不動産ビジネス等の多彩なソリューションの提供を進めてきました。その結果、多くの提案・案件が結実し、グループ各社において業務純益の計画を達成し、ホールセール事業部門の連結業務純益は、前年比215億円増益の3,885億円となりました。
　中期経営計画2年目となる2021年度は、国内外拠点・グループ各社間の連携をさらに強化し、我々の強みである「グループベースでのトータルソリューション力」をいかんなく発揮するとともに、成長領域への経営資源の投入をより一層進めていきます。コロナ禍で加速するデジタル化・キャッシュレス化の流れや脱炭素社会実現に向けた動き等、社会構造や環境が劇的に変化する中、複雑化・高度化するお客さまの経営課題に徹底的に向き合い、お客さまとともに、新たなビジネスの創出に向けた取組を加速させていきます。フロントの高い提案力、スピード、チャレンジ精神に一層の磨きをかけ、フロント・本部一体となった付加価値の高いソリューションを提供することで、お客さまとともに成長し、日本経済の発展に貢献していきます。

　新型コロナウイルスの感染拡大や脱炭素社会実現に向けた動き等、社会構造・環境が劇的に変化する中、大きく変化するお客さまの経営課題や社会課題への対応力を強化していきます。フロントとソリューション部隊が一体となり、グループベースでトータルソリューションを提供できる体制づくりを進めていくとともに、成長事業領域に積極的に経営資源を投入することでお客さまとともに成長していきます。
　グローバルでダイナミックな企業活動を展開している大企業のお客さまに対しては、グループ各社間や国内外の連携によるセクターアプローチを強化します。事業ポートフォリオの見直しや、クロスボーダーM&A等の高度化・複雑化する経営課題に対して、スピーディーかつ質の高い提案ができる体制の構築を進めていきます。また、新型コロナウイルスの感染拡大を契機として高まっているお客さまの事業再編や財務改善、企業再生ニーズに対しては、2021年4月に新設した「スペシャライズドファイナンス部」を通じ、お客さまの状況・ニーズに応じて資本性ファイナンスや企業再生投資等のソリューションをグループベースで推進していきます。不動産ビジネスでは、経営資源の投入を進めるとともに、グループ各社の連携を一層強化し、不動産を活用したお客さまへのグループ一体でのソリューション提案を拡充していきます。

　デジタル活用においては、従来の業務効率化にとどまらず、新規事業の開発や既存事業の変革を目的としたDI／DXニーズが高まっています。そうした多様化するお客さまのニーズにお応えするため、グループ各社のデジタルソリューションをワンストップで推進する「グループソリューション推進室」を新設し、複合的なお客さまのデジタルニーズに対し、オーダーメイドのソリューション提案を進めていきます。
　また、2020年度にサービスを開始した法人向けデジタルプラットフォーム「PlariTown」を中心に、外部パートナーを含めた多様な金融・非金融サービスを提供し、中堅中小企業のデジタル化支援、新たなビジネス機会の創出を目指していきます。