特集:ファイナンスを超えていくSMBCグループのデジタル戦略

Special Contents 3 「金融グループ」という枠を超え、法人向けデジタルソリューションを展開 Special Contents 3 「金融グループ」という枠を超え、法人向けデジタルソリューションを展開

 SMBCグループでは、法人のお客さまの経営課題解決、新規事業創出を支援するため、「法人向けデジタルソリューションの展開」を中期経営計画における重点戦略のひとつとして推進しています。
 その先陣を切って走るのが、「SMBCクラウドサイン」と「プラリタウン」の両社です。SMBCグループでは、前例や固定観念に囚われない従業員の新たなチャレンジを応援すべく、「社長製造業」として社内起業を後押ししており、両社ではともに30代の従業員が社長として活躍しています。本特集では、金融というカラを破って新たな挑戦を続ける両社の取組を紹介します。

中堅・中小企業のお客さまの業務効率化の課題を
デジタルツールで解消し、成長を後押ししていきます。

株式会社プラリタウン 代表取締役社長 並木 亮

株式会社プラリタウン 
代表取締役社長
並木 亮
2008年、三井住友銀行に入行。法人営業、ホールセール統括部、法人デジタルソリューション部を経て、2020年5月、株式会社プラリタウンの代表取締役社長に就任。

「大企業 × ベンチャー」をひとつのキーワードとして、
これまでの銀行のイメージを超えた新たなソリューションを提供していきます。

SMBCクラウドサイン株式会社 代表取締役社長 三嶋 英城

SMBCクラウドサイン株式会社 
代表取締役社長
三嶋 英城
2018年、三井住友銀行にキャリア入行。オープンイノベーション拠点「hoops link tokyo」の統括をする傍ら、新規事業開発に従事。2019年10月、SMBCクラウドサイン株式会社の代表取締役社長に就任。

契約の新たなスタンダード
SMBCクラウドサイン

 SMBCグループは弁護士ドットコム株式会社と共同で、電子契約サービスを提供する「SMBCクラウドサイン」を2019年10月に設立しました。当社は、「契約プロセスを中心とした日本のレガシーな風習・業務プロセスの変革」を事業ビジョンに掲げ、オンライン上で締結から保管までを完結させる「クラウド型の電子契約サービス」を提供しています。契約交渉が完了した契約書を、利用者がクラウドにアップロードし、相手方がオンライン上で承認するだけで契約を締結することが可能です。この結果、契約締結のスピードアップ、コスト削減、検索性の向上を実現しました。
 現在、新型コロナウイルス感染症を契機に「脱ハンコ」の流れが加速化しています。企業活動における従来型の紙の契約書による契約締結の手法は、大きな変革の時期を迎えており、「クラウド型の電子契約サービス」への関心が一層高まっています。

SMBCクラウドサインの仕組

SMBCクラウドサインの仕組

電子契約市場を勝ち抜く「競争優位の源泉」

 現在、電子契約市場においては新規参入が増え、競争が非常に激化している状況です。その中での当社の優位性は、市場シェアの高さとSMBCブランドとしての安心感だと考えます。当社は弁護士ドットコム株式会社と合算した場合、国内最大シェアを獲得しています。また、SMBCグループの法人のお客さま基盤を営業活動に活かせるため、一般的なベンチャー企業に比べて、大企業や歴史の長い企業へもアプローチしやすいという利点もあります。SMBCグループの営業リソースを活用して企業へのニーズヒアリングを行う等、グループ間で連携を取りながら事業を推進しています。

「大企業×ベンチャー」による新たな価値創造

 SMBCグループがグローバルソリューションプロバイダーを目指すには、金融にとどまらず、お客さまの課題全体を解決していく必要があります。当社のような、従業員のアイデアが新たなビジネスを創造する「大企業×ベンチャー」がひとつのキーワードとなり、これまでの銀行のイメージを超えた新たなソリューションを提供できると考えています。当社は、コロナ禍における脱ハンコ意識の高まりもあり、2020年度に設立1年半で通期黒字化、累積損失の解消を実現しました。今後もグループの利益に貢献できるように実績を積み重ねながら、社長製造業の成功事例として、これから先に続く従業員の起爆剤となれるよう、日々の業務に取り組んでいきます。

売上高および営業利益の推移

売上高および営業利益の推移

中堅・中小企業のデジタル化を支援する
プラリタウン

 当社は、2020年5月に設立されました。同時に、国内の中堅・中小企業のお客さまのデジタル化を支援するための法人向けデジタルプラットフォーム「PlariTown」を立ち上げ、2020年12月には、本格的なサービスの提供を開始しています。
 「PlariTown」はSMBCグループのサービスだけではなく、協業するサービス提供企業のビジネスアプリやサービスと連携しており、お客さまのニーズに合わせてパーソナライズされた情報配信やデジタルサービスを利用することができます。金融の枠を超えて、お客さまが直面している業務効率化等の経営課題にお応えし、競争力の強化に貢献しています。

中堅・中小企業のデジタル化を支援する プラリタウン

PlariTownが提供するサービス例

PlariTownが提供するサービス例

日々の業務に寄り添うデジタルサービスを一気通貫で届けたい

 私が三井住友銀行で法人営業をしていた時に、お客さまから「業務の効率化」に関する経営課題をご相談いただくケースが多くありました。そういったお客さまのお悩みに対して、銀行として提供できるサービスには限りがあり、「もっと何かできることがあるのでは」と感じた経験が、当社設立のきっかけとなっています。
 当社が提供するデジタルプラットフォーム「PlariTown」の大きな特長は、金融サービスにとどまらず、財務経理、営業、人事、法務、企画等、日々の業務を支援する複数のサービスを、ひとつのプラットフォームを通じてワンストップで提供する点にあります。デジタライゼーションが加速する中、中堅・中小企業のお客さまの業務効率化の課題をデジタルツールを使って解消し、企業としての成長を後押ししていくことが、グローバルソリューションプロバイダーを目指すSMBCグループの役割のひとつだと考えています。

付加価値の高いデジタルプラットフォームを目指して

 当社を設立するにあたり、社内外の人材でチームを組めたことは大きな収穫でした。社内からは、法務や税務、IT等の専門知識を持ったスペシャリティの高い人材、社外からは志を同じくする多くのパートナー企業にプロジェクトメンバーとして参画してもらいました。こうしたプロジェクトを後押しする環境があることは、SMBCグループの大きな資産であると改めて感じています。また、協業する外部のパートナー企業の考え方やスピード感も参考になる部分が多く、そうした外部の視点もSMBCグループに還元していきたいと考えています。今後も社内外のさまざまな部署と連携しながら付加価値を高め、グループ全体のデジタルプラットフォームになることを目指します。

付加価値の高いデジタルプラットフォームを目指して