DXへの取組
new
更新

スタートアップと共に成長し、新たな産業創造を目指す。成長企業エコシステムプラットフォーム「未来X(mirai cross)」

世界の経済は今、GAFAM(グーグル[の持ち株会社アルファベット]、アップル、メタ[フェイスブック]、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)の5社に代表される「メガベンチャー」と呼ばれるスタートアップ企業が牽引しており、日本国内においてもスタートアップ等の成長企業の飛躍が経済成長のカギとなっている。しかしながら、日本はユニコーンの企業数や成長企業への投資額等を見ても、アメリカや中国等の諸外国に比べ、遅れを取っているのが現状だ。
SMBCグループでは、2015年度よりインキュベーション・アクセラレーションプログラムを通じて、シード期の有望な成長企業の発掘・サポートに関する取り組みを進めてきたが、ステージが進んだ成長企業の更なるサポートのためには、産官学金のさまざまなプレイヤーが連携した成長企業のエコシステムの形成・拡充が必要であると考えていた。
そこで今回、三井住友銀行、SMBC日興証券、SMBCベンチャーキャピタルが、みらいワークス と共に新たに新設したのが、成長企業エコシステムプラットフォーム「未来X(mirai cross)」である。「未来X(mirai cross)」はなぜ誕生したのか、そしてどのような取り組みを実施しているのか。SMBCグループが支援する数多くの成長企業と各業界を代表する事業会社、さらにエコシステムを形成するさまざまなプレイヤーが交わり、共創を重ねる事例を紹介する。

「成長企業といえばSMBC」を目指して。次世代の日本を支える企業と共に、新産業を創る決意

日本でも優良なテクノロジーやサービスを持つスタートアップ企業が数多く存在する一方で、経済を活性化させ、グローバルにおいても日本企業の存在感を増していくためには、スタートアップ企業自身がビジネスの成長をさらに加速させていく必要がある。そしてそのためには、大企業をはじめとするさまざまなプレイヤーとの協働が必要である。
三井住友銀行では、スタートアップに挑む人を金融で支え、共に成長し、新しい産業を作っていきたいという想いから、2017年度に成長事業開発部を設立。 「SMBCと一緒であれば新しい何かが出来るのではないか」、そんな期待感を感じさせるような部署になりたいと「成長企業といえばSMBC」というスローガンを掲げ、成長企業マーケットをさらに盛り上げ、共にビジネスを行うパートナーとなるべく体制の強化を図っている。

SMBCグループとして展開している取り組みは主に3つ。「資金調達支援」「IPO支援」、そして今回新たに設立した「未来X(mirai cross / エコシステム形成・オープンイノベーション支援)」である。

また、金融サービスにとどまらず、SMBCグループ各社が持つソリューションを提供するため、SMBCベンチャーキャピタルやSMBC日興證券などグループ各社と連携し、事業化支援から資金調達、ビジネスの共創など、成長企業のステージとニーズに応じたシームレスな提案を行っている。

成長企業エコシステムプラットフォーム「未来X(mirai cross)」とは

SMBCグループでは、2015年度より開催しているインキュベーション・アクセラレーションプログラムを通じて、シード期の有望な成長企業の発掘・サポートに関する取組を進めてきた。一方、ステージが進んだ成長企業の更なるサポートのためには、産官学金の多様なプレイヤーが連携した成長企業のエコシステムの形成・拡充が必要であると考えていた。そこで、この取り組みをさらに加速させるため、2021年8月、三井住友銀行がSMBCベンチャーキャピタルやSMBC日興証券と共同で設立したのが、成長企業・事業会社・ベンチャーキャピタル・公的機関等の多様なプレイヤーが参画する、産官学金による成長企業エコシステムプラットフォーム「未来X(mirai cross)」である。(共同運営としてみらいワークスも参画)「未来X(mirai cross)」の「X」は、企業同士の交わりを表現。未来X(mirai cross)のロゴの色には、新緑のスタートアップ企業と深緑の事業会社が「クロスする」という意味も込めた。

未来X(mirai cross)の各種プログラムに積極的に参画する事業会社パートナーは今年度大企業を中心に18社が参画し、成長企業との協業や事業創出に向けた取り組みを進めている。

SMBC グループは長い歴史を通じ、上場企業から中小企業まで幅広い事業会社と取引関係を構築してきた。「未来X(mirai cross)」では、業界のトップを走るベンチャーキャピタルに新たな投資の場を、地方の産業活性化などを目指している国・地方公共団体・アカデミアには地域エコシステムの場を提供する。

長年の取引による膨大なネットワークを活かせるSMBCだからこそ、さまざまな人が出会い、交わる場を提供できる。「未来X(mirai cross)」で新しい産業の創出に繋がるようなエコシステムプラットフォームを構築したいと考えている。

3つのプログラムを通じて、発展する未来を築く

未来Xには大きく分けて3つのプログラムがある。

【①シード期・アーリー期向けのアクセラレーションプログラム】
シード・アーリーステージにあるスタートアップ企業が対象。書類審査を通過したスタートアップ企業に対し、約半年間のメンタリングを無料で提供する。資金調達やチームビルディング、ブランディング等の研修機会を提供することで、挑戦し続けるスタートアップ企業をサポートする。

【②成長企業と事業会社向けの協業サポートプログラム】
事業会社の課題を具体化し、ニーズに合わせて未来Xの共同運営を行うみらいワークス から専任コンシェルジュが付き、未来X事務局がパートナー企業と共に事業創出をサポート。共創プラン検討や社内企画書フォロー、協業実現、PRを展開していく。

【③ウェビナー・コミュニティ構築】
月に1回程度、さまざまなテーマでウェビナーを開催。2021年度は、急速に進むDXの業務効率化や人手不足解消のための利活用や、スタートアップ企業が取り組むESG・SDGsビジネスの概要や展望を紹介した。ウェビナーでは、参加者同士が自由にコミュニケーションを取りネットワークを広げる機会を提供している。

SMBCグループでは今後も、グループ各社や外部パートナー企業と連携を進め、社会課題を解決しようとする成長企業を支援し共に成長することで新たな産業の創出を目指し、日本経済の活性化および持続可能な社会の実現に貢献していく。

この記事でご紹介したサービス
プラットフォーム
(Platform)

類義語:

サービスやシステム、ソフトウェアを提供・カスタマイズ・運営するために必要な「共通の土台(基盤)となる標準環境」を指す。

エコシステム
(Ecosystem)

類義語:

各社の製品の連携やつながりによって成り立つ全体の大きなシステムを形成するさまを「エコシステム」という。

ESG
(Eivironment, Social, Governance)

類義語:

Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス(企業統治))を考慮した投資活動や経営・事業活動を指す。

ベンチャーキャピタル
(Venture Capital)

類義語:

未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資して株式を取得し、将来的にその企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンド。

オープンイノベーション
(Open Innovation)

類義語:

製品開発や技術改革、研究開発や組織改革などにおいて、自社以外の組織や機関などが持つ知識や技術を柔軟に取り込んで自前主義からの脱却し、市場機会の増加を図ること。

DX
(Digital Transformation)

類義語:

  • デジタルトランスフォーメーション

「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の頭文字をとった言葉。「Digital」は「デジタル」、「Transformation」は「変容」という意味で、簡単に言えば「デジタル技術を用いることによる、生活やビジネスの変容」のことを指す。