- ※2018年6月発行「SMBCダイバーシティ・レポート」掲載記事 (所属・役職は取材当時のものです。)
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写真提供:一般社団法人日本聴覚障害者陸上競技協会
ハードル選手として世界を目指していた2002年、右耳に突発性難聴を発症。現役引退直後の2009年に、今度は左耳に急性進行性難聴を発症。生きる気力を失った私が一縷(いちる)の望みを託したのは、一度は引退したハードルでした。デフ陸上※に再び挑戦することで、私は自分の障がいと向き合う一歩を踏み出したのです。
ブランクを取り戻すのには時間がかかりましたが、目標を見つけることで少しずつ前を向けるようになりました。何よりありがたく感じているのが、周りからのサポートです。
遠征やトレーニングの環境を整えてくれる会社。いつも高い志で仕事に臨み、刺激を与えてくれる人事部の皆さん。日常生活を支えてくれる夫や実家の両親。生きる力を湧き起こしてくれる娘。私は今、いつの頃よりも強い気持ちでハードルに向き合っています。希望を失わずに一歩踏み出すと、そこから広がる景色があった。多様な人生、それぞれの人に可能性はきっと広がっています。競技を通じてその思いを伝えられたら、何よりだと思っています。
- ※デフ陸上……聴覚障がいのある選手が参加する陸上競技