- ※所属・役職は取材当時のものです。(2021年2月取材)
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37年の知見を持つシニアだからこそ、役立てることがある
1983年に当社(当時「プロミス」)に入社して以来、37年間勤め上げ、2019年12月に定年退職し、2020年1月から定年退職者再雇用制度を利用し働き続けています。この4月からは人事部に所属し、約700名が在籍する集中センターに常駐して、従業員の支援業務やER※面談を行っています。従業員一人ひとりと向き合い、悩みやキャリアプランを聴き従業員の様子を把握する機会を創出する業務には、20部署を経験してきた私の知見が活きていると自負しています。
- ※ER(Employee Relations) … 従業員の状態や声を把握するために従業員と関わる機会を創出すること
入社当時から支店業務をはじめ、全国に約400店舗あった支店の統括業務に19年間携わってきました。2002年には本社の営業企画部に異動。仕事のやり方や職場環境の違いに戸惑うこともありましたが、これまでの経験を活かそうと構造改革プロジェクトのメンバーに立候補し、現場の声を吸い上げて課題解決に専念しました。2005年には総務部に異動し、チーム全員で株主総会を開催。2007年には西日本コンタクトセンターで、コールセンターと4つの受付センターを統合するため人材育成や仕組みづくりから始めました。他にも、事務センターを立ち上げたり、健康保険組合の常務理事として禁煙外来補助金を開始したりもしました。
現在は、様々な部署に関わるなかで困難にぶつかり課題を解決してきた自身の経験を通じて、職場での人間関係や若手従業員のキャリアパス、管理職の悩みも理解できる部分があるのではないかと考えており、産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの資格も活かしながら、産業医と連携して業務を行っています。従業員支援とER面談の両方に共通して大切にしていることは、まずその人の悩みを聞くこと。ご自身の気持ちを整理し、時には気づきを得られるような声掛けを心掛けています。新型コロナウィルスの影響によって、従業員一人ひとりが、自身の生活様式やこれからの働き方、また将来のキャリアを改めて考える機会が増えているように思います。
そのような状況だからこそ、面談で従業員の話をよく聞き、今後のキャリアに必要な情報や選択肢をしっかりとお伝えする。私が担っている役割の重要性も増しているように感じています。
シニアとして第一線から離れたさみしさはあるものの、今の私の姿勢としては、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」。出しゃばり過ぎず、遠慮し過ぎず、自分が経験したことを惜しみなく伝えていく。経験しているからこそわかることや、経験のなかからスキルを獲得できることもあると思うんです。それらを伝えることで役に立っているという実感が私のやりがいに繋がっています。
人生100年時代 、働くことが健康で豊かな生活に直結
ずっと前から会社に愛着があり、定年を迎えた後も再雇用で65歳まで働こうと決めていました。社内でも公言していましたし、「60歳で退職する」と言う先輩には「65歳までやりましょうよ」と言い続けていたほどです(笑)。人生100年時代ですし、65歳で辞めてもまだまだ人生は続きます。それに慣れた職場で働ける安心感がありますからね。
2005年のある時、ふと思いついて85歳までのシミュレーションをしてみました。そこで重要なことにはたと気づきました。健康でないと働けないんです。考えてみれば当たり前のことなのですが、病気になった時に自分がどうなるか考えると怖くなって、ダイエットを開始して、10キロの減量に成功しました。この危機感が健康保険組合にいた時の健康増進策策定に繋がっています。キャリアプランや将来のことを考えた時に、健康は必要不可欠です。でも周りの人に健康について説明しても実感を持ってもらいにくい部分があったので、禁煙外来補助金の制度を開始して、少しでも喫煙率が下がるような仕組みをつくりました。従業員が健康でいることが会社のためにもなりますし、従業員のご家族や周りの仲間たちのためにもなると思います。
私がこんなふうに会社のために動こうと思える理由の一つは、仲間の存在です。私的なことでも組織課題でも、困難を乗り切る秘訣は「人との繋がり」、今風にいうと「絆」しかないと思っています。尊敬できる人、信頼できる人、何でも話せる人、仲間との繋がりの大切さはシニアになった今でも変わりません。その出会いをつくるきっかけをくれた会社に感謝しています。
夢は、次世代の従業員がライフキャリアプランを実現できる仕組みをつくること
定年後も働く原動力になっているのは、少しでも会社に恩返しをしたいという想いです。これまで家族を養い子どもたちを自立させることができたのは、自分の仕事ぶりを認めてもらい、経済的な面もしっかりと守ってくれた会社があってこそです。自分が勤めている会社が良い会社だと思えれば、今以上に仕事へのモチベーションが上がります。それはきっと私だけではないはず。しかし、良い会社といっても人それぞれで違いますよね。そこで、その人に合った当社のいいところを多くの従業員の皆さんに見つけてもらえるよう支援するのが私の仕事の一つです。うれしいことに、入社後3年から5年経過した従業員の皆さんとER面談をしていると、CX(お客さまの期待を超える満足)の言葉をたくさん聞くようになりました。お客さまあってこその私たち。CXが根付いているのは重要なことですし、会社への誇りに繋がっていくと思います。
当社で働くことの誇りややりがいを得るためには、ライフプランとキャリアプランの両立が不可欠。例えば30代で一戸建てを購入するライフプランを立てるなら、どのようなキャリアを目指せばよいか計画を立てることが大事です。言うなれば、「ライフキャリアプラン」ですね。若手従業員の皆さんが会社の仕組みをうまく活用できるよう、関連情報を紹介することもあります。CXの考え方を大事にしながら、頑張った分だけ「ライフキャリアプラン」の幅が広がり、自分の理想を実現できる実感を得てほしいですね。
私の夢は、相談場所や機会を増やすことです。これまでの経験を活かして、従業員一人ひとりのライフキャリアプランをより丁寧にじっくり相談できるような仕組みをつくっていきたいです。
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健康な身体が何よりの資本。健康維持のため、休日には近所の散歩をずっと続けている。