1位は『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』で議論を巻き起こした武田邦彦の新刊。このところ温暖化や排出権取引の書籍の新刊が相次いでいる。このランキングには入っていないが、温暖化関連では新書新刊も好調。『排出取引』(中央公論新社)、『経済学は温暖化を解決できるか』(平凡社)などがある。目立って需要があるのが、やはりエネルギー関連書。その中でも最近特に太陽電池や電気自動車がよく売れている。購入層はビジネスマンである。
BOOKS 〜環境を考える本〜
話題の環境本
新・地球温暖化対策教科書
山地 憲治 監修 田森 行男 北林 興二 横山 伸也 山崎 正和 共編 オーム社

鳩山政権が掲げる目標「温室効果ガス1990年比25%削減」をどのように達成していくのか。本書はそのタイトル通り、まさに「教科書」である。1990年にいち早く『地球温暖化の対策技術』を出版した執筆陣が、最新データと知見に基づいて編集した渾身の1冊である。地球温暖化のメカニズムやその緩和策に加え、自然エネルギーやCO2固定化・吸収源などのCO2抑制技術、CO2削減のための制度的取り組み、産業分野別対策例などを解説。関係者には必携の書。
トイレの話をしよう 世界65億人が抱える大問題
ローズ・ジョージ 著 大沢 章子 訳 日本放送出版協会

英国「エコノミスト」誌、2008年ベストブック選定図書の翻訳本。日本のトイレは世界で一番ハイテク化が進んでおり、内蔵ビデと暖房便座、コントロールパネルが装備されているトイレが暮らしに溶け込んでいる。しかし、この地球上の26億の人々は、満足なトイレを持たずに暮らしている。気鋭の女性ジャーナリストが世界を駆け巡りトイレを徹底調査。人類は「衛生」に関する地球規模の危機に直面していることに、あらためて気づかされる好著。
地球温暖化の最前線
小西 雅子 著 岩波書店

著者は、世界自然保護基金日本委員会(WWFジャパン)の気候変動プロジェクトリーダーや日本気象予報士会副会長を務め、京都議定書会議などの国際交渉や国内排出量取引制度などの政策提言に従事している専門官。温暖化の国際交渉とはどのようなものか。京都議定書や次期枠組みについて、国際交渉の過程をたどりながら、世界各国の温暖化対策や日本の取り組みなどを解説。岩波ジュニア新書の1冊として執筆されただけあって、入門書としてわかりやすく書かれている。
環境書11月度売上げベストテン
ジュンク堂書店(池袋本店)2009年11月1日〜30日
1 | 科学者が読み解く環境問題 | シーエムシー出版 |
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2 | トイレの話をしよう | 日本放送出版協会 |
3 | 環境経営入門 | 日本経済新聞出版社 |
4 | 図解入門ビジネス 最新 環境経済学の基本と仕組みがよ〜くわかる本 |
秀和システム |
5 | 図解 最新太陽光発電のすべて | 工業調査会 |
6 | 改正省エネルギー法とその対応策 | 日刊工業新聞社 |
7 | つながりを取りもどす時代へ | 大月書店 |
8 | トコトンやさしい太陽電池の本 | 日刊工業新聞社 |
9 | 火力発電カギのカギ | 日本電気協会新聞部 |
10 | 太陽電池2010 | 日経BP社 |