3月11日の震災以降、原発関連書が顕著に売れている。顧客からの原発関連書に関する在庫照会も過去に経験がないほどに多く、世間の切迫感、関心の高さが店頭でもうかがえる。今後、品切れとなっていた原発関連書が相次いで各社より復刊されるほか、新規出版企画も目白押しなので、原発関連書への需要はしばらく続くと思われる。ベストテンには入っていないが、放射線防護、放射線物理、原子力工学など専門書籍の需要も高い。また、あわせてエネルギー関連書が購入されることも多く、中でも新エネルギー関係は入門書、定番書を含め非常に好調である。
BOOKS 〜環境を考える本〜
話題の環境本
電力・エネルギー時事用語事典2011
電気新聞 編 日本電気協会新聞部

電気、エネルギー情勢を理解するために欠かせない時事用語を集め、言葉の意味だけでなく、理解に役立つ最新のニュースとともに解説。それぞれの用語を「電力経営」「原子力」「環境」「電力自由化」「資源・燃料」「エネルギー技術」「電力系統・設備・電気工事・保安」の7つのカテゴリーに分類して掲載しており、前後の用語をあわせて読むことで理解を深めることができる。
図解 エネルギー工学
平田 哲夫 田中 誠 熊野 寛之 羽田 喜昭 共著 森北出版

さまざまな発電の仕組みがわかるエネルギー工学の入門書。従来の火力発電、水力発電、原子力発電から、近年実用に供された風力発電、波力発電、太陽光発電、さらに注目が集まる燃料電池、熱電発電までを解説する。自然エネルギーなどを利用、普及させる際には、変換効率に対する考察が欠かせないが、系統的に述べられている書籍は少ない。本書は、それに答える貴重な書である。
低炭素社会への道程
遠州 尋美 柏原 誠 編著 法律文化社

「ドイツの経験と地球温暖化の政治・経済学」を副題に掲げる本書は、第T部で脱化石、脱原発を目指し、エネルギー転換に成功した環境先進国ドイツの政策を紹介。また、第U部では、低炭素社会実現に向けた課題と目標達成への道筋を政治・経済学それぞれの研究成果から理論的に解き明かし、最終章において“環境経済戦略”という視点から日本の目指すべき姿を提起する。
環境書3月度売上げベストテン
ジュンク堂書店(池袋本店)2011年3月1日〜31日
1 | 原子力発電がよくわかる本 | オーム社 |
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2 | 原子力のことがわかる本 | 数研出版 |
3 | 日本を滅ぼす原発大災害 | 風媒社 |
4 | 原発と日本の未来 | 岩波書店 |
5 | 隠される原子力・核の真実 | 創史社 |
6 | 放射能と人体 | 研成社 |
7 | まるで原発などないかのように | 現代書館 |
8 | 原発はなぜこわいか | 高文研 |
9 | 科学としての反原発 | 七つ森書館 |
10 | 原子力防災 | 創英社 |