前回3月度のベストテンに引き続き原子力発電関連書籍が売れている。環境書だけではなく、全書籍のベストテンにも入るほど、今までにない大変な売れ行きである。震災から数カ月経ち、品切れ書籍の増刷や新刊などが相次ぎ、数多くの原子力発電関連書籍が店頭に並んでいる。多くの書店が特設コーナーをつくって展開しており、需要はしばらく続くと思われる。また、スマートグリッドや新エネルギー関係の入門書も非常に好調である。
BOOKS 〜環境を考える本〜
話題の環境本
図解 新エネルギー早わかり
早稲田 聡 著 中経出版

「1時間でわかる」と表紙に掲げられているように、太陽光や風力、地熱発電などの新エネルギーについて短時間で理解できるよう編集されている。巻頭に「1分間でつかめる!新エネルギー3つの重要ポイント」と題したシートを加えるなど、本書の概要を手早くつかむための工夫がされている。「新エネルギーとは何か?」から始まり、世界各国、日本の取り組み事例を紹介し、日本企業のビジネスチャンスはどこにあるのかを探っていく。
今こそ、エネルギーシフト
飯田 哲也 鎌仲 ひとみ 共著 岩波書店

環境エネルギー政策研究所所長である飯田氏は自然エネルギー政策の第一人者であり、『北欧のエネルギーデモクラシー』『自然エネルギー市場?新しいエネルギー社会のすがた』など、エネルギー関連の著書を多数持つ。一方の鎌仲氏はドキュメンタリー映画監督。作品に、原子力問題やエネルギー政策をテーマに取り上げた『六ヶ所村ラプソディー』『ミツバチの羽音と地球の回転』などがある。本書は、その2人による注目の対談を収録したもの。
水と水技術 No.10
オーム社

公共の上下水道、民間の浄水・排水処理などに携わる「水」エンジニアのための技術情報誌。震災後、注目が高まり、バックナンバーを含めて売れ行きが伸びている。2011年5月発行の10号の特集では「管路のリニューアル」と題し、上下水道・各種用水管路の更新・更生技術を紹介。過去の特集では「淡水化・脱塩技術(9号)」「水処理膜の徹底研究(8号)」「汚泥を減らしたい!(7号)」をテーマに取り上げている。水ビジネスを考える際の必読の書。
環境書5月度売上げベストテン
ジュンク堂書店(池袋本店)2011年5月1日〜31日
1 | 隠される原子力・核の真実 | 創史社 |
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2 | 原発に頼らない社会へ | 武田ランダム ハウスジャパン |
3 | 原子力発電で本当に私たちが知りたい 120の基礎知識 |
東京書籍 |
4 | 原子力のことがわかる本 | 数研出版 |
5 | 原発事故緊急対策マニュアル | 合同出版 |
6 | 知っておきたいエネルギーの基礎知識 | ソフトバンク クリエイティブ |
7 | 原子力市民年鑑2010 | 七つ森書館 |
8 | スマートグリッド | 日本電気協会 新聞部 |
9 | 図解新エネルギー早わかり | 中経出版 |
10 | 原子力発電がよくわかる本 | オーム社 |