1位、7位は、原子力の専門家である小出裕章の著作。震災以降、新刊が出る度にベストテン入りしている。2位は『最底辺の10億人』『民主主義がアフリカ経済を殺す』の著者で、オックスフォード大学アフリカ経済研究センター所長のポール・コリアーの翻訳書。依然として、エネルギー関連書の出版点数が多く、6〜7位のように震災前からの定番書を改訂、再編集したものも人気である。
BOOKS 〜環境を考える本〜
話題の環境本
地熱エネルギー 〜地球からの贈りもの〜
江原 幸雄 著 オーム社

著者は地熱情報研究所代表。地熱エネルギー研究の第一人者である。火山国日本は「地熱エネルギー」では世界第3位の資源大国であり、地熱技術も世界をリードしているにもかかわらず、1990年半ば以降は停滞期にあった地熱発電。東日本大震災以降、再生可能エネルギーが注目され、新たな展開が始まろうとしている中で、地熱発電の詳しい解説から、その可能性、解決すべき問題などを示した本書は重要な役割を果たすだろう。
発送電分離は切り札か 電力システムの構造改革
山田 光 著 日本評論社

欧米の電力システムに精通する著者が、国内で議論が高まる発送電分離について、電力事業全体から検証する貴重な一冊。電力供給事業の発電、送電、配電、小売りの構造をどのように改革・分離するのか。昨今の発送電分離の議論、欧米における電力供給システムの構造改革、国内において改革が進まない原因など、電力のこれからを考える際に必須となる基本知識を提供し、日本電力構造改革に向けてエネルギービジネスの将来像を描く。
日経 資源・食料・エネルギー地図
日本経済新聞社 編 日本経済新聞出版社

第1部では、「エネルギー資源」「食料等資源」「鉱物資源」を項目ごとに地図やデータを駆使して説明し、ひと目でわかるように工夫している。それぞれの解説ポイントを最初にまとめる参考書のような構成は、多忙なビジネスマンに好評。第2部では、日本の官民による資源調達の取り組みや、レアアース(希土類)の確保を巡る国内の最新動向、日本発の次世代技術などを取り上げ、資源を取り巻く今と未来を解説する。
環境書5月度売上げベストテン
ジュンク堂書店(池袋本店)2012年5月1日〜31日
1 | 騙されたあなたにも責任がある | 幻冬舎 |
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2 | 収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学 | みすず書房 |
3 | 「地球温暖化」神話 | 丸善出版 |
4 | 地熱エネルギー 〜地球からの贈りもの〜 | オーム社 |
5 | 分散型エネルギー入門 | 講談社 |
6 | 太陽光発電システムの設計と施工 改訂4版 | オーム社 |
7 | 図解 原発のウソ | 扶桑社 |
8 | 図解 新エネルギー早わかり | 中経出版 |
9 | エネルギー問題に効くデザイン | 誠文堂新光社 |
10 | 水の世界地図 第2版 | 丸善出版 |