エネルギー関連書が依然突出して売れ行きがよく、出版点数も非常に多い。特に自然エネルギー書に関しては読者の選択肢が増えてきた。夏休みに入り、自然エネルギーの入門書や「自分でつくる」をテーマとした自家発電の本が好調となった。原発関連書については、東日本大震災直後からの入門書需要は一段落したようで、「これからのエネルギーをどう考えるか」をテーマとしたものがよく読まれるようになっている。
BOOKS 〜環境を考える本〜
話題の環境本
水ビジネスを制するための標準化戦略
滝沢 智 監修・編 日本規格協会

世界の上下水道事業を取り巻く水ビジネスについて、標準化の視点から解説する。世界で拡大する水ビジネスや水市場の動向に加え、水事業を展開する日本企業や国、自治体の取り組みを紹介。さらに、欧米先進国の標準化戦略、国際規格の開発などの最新状況とともに、標準化が国内の上下水道事業に及ぼす影響と効果を説明する。これらをもとに、水分野の国際標準化に向けて日本がとるべき戦略を示す。
電力 現状と新発電法
ニュートンプレス

カラーの図解を用いてわかりやすく解説することで定評がある、ニュートン別冊シリーズの新刊。電力の基礎知識から電力システムの問題点、今後期待される発電方法、エネルギー資源の特徴まで、将来の電力供給のあり方を検討する上で必要な情報をまとめている。最終章では、夢のエネルギーとされる「宇宙太陽光発電」「核融合発電」「人工光合成」にも触れている。子どもから大人まで幅広く対応した好著。
環境が1冊でわかる用語・法律・データ集
日経エコロジー編集部 日経BP社

3部構成。第1部は「環境キーワード」の解説。環境に関わるビジネスパーソンなら必ず知っておきたい重要キーワード288語を厳選している。第2部は「改正廃棄物処理法」「改正環境影響評価法」「再生可能エネルギー特別措置法」など、企業に影響を及ぼす最近の新法と法改正のポイントを説明。第3部はビジネスパーソンが報告書やプレゼン資料をつくる際に参考になる環境関連のデータを取りまとめている。
環境書7月度売上げベストテン
ジュンク堂書店(池袋本店)2012年7月1日〜31日
1 | 太陽光発電システムの設計と施工 | オーム社 |
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2 | 日本は再生可能エネルギー大国になりうるか | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
3 | 自分で作るハブダイナモ水力発電 | 総合科学出版 |
4 | 知っておきたい自然エネルギーの基礎知識 | ソフトバンククリエイティブ |
5 | 騙されたあなたにも責任がある | 幻冬舎 |
6 | トコトンやさしい風力発電の本 | 日刊工業新聞社 |
7 | 脱原子力国家への道 | 岩波書店 |
8 | 日本のエネルギー、これからどうすればいいの? | 平凡社 |
9 | 図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み | 秀和システム |
10 | 地熱エネルギー 〜地球からの贈りもの〜 | オーム社 |