1位は、『成長の限界』『限界を超えて』『成長の限界 人類の選択』(いずれもダイヤモンド社)の共著者として有名なノルウェーの経済学者、ヨルゲン・ランダースが上梓した新刊である。2位は、江戸文化研究者の田中優子(法政大学教授)と『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)の著者である文化人類学者の辻信一(明治学院大学教授)の対談。3位以下は、依然として自然エネルギー関係書籍が占めている。
BOOKS 〜環境を考える本〜
話題の環境本
環境と社会
西城戸 誠 舩戸 修一 編 人文書院

気鋭の環境社会学者が「環境と社会」を考えるために読んでおくべき重要な書籍30冊を厳選したブックガイドである。「第1部 リスクから考える」「第2部 失われた環境」「第3部 環境を守る」「第4部 当事者性から考える」「第5部 公正と正義」の5つのジャンルに分けて、名著、古典など押さえておきたい書籍が簡単にまとめられている。さらに深く学びたい方への案内として、1冊ごとに「参考・関連文献」を付記しているのがうれしい。
風力発電の歴史
牛山 泉 著 オーム社

著者は足利工業大学学長であり風力発電の第一人者。同じオーム社から『風力エネルギー読本』『風力エネルギーの基礎』も上梓しており、いずれも風力発電の定番書籍となっている。本書は、世界と日本の風力発電について、動力用の古典風車から洋上風力発電に至るまで体系的に紹介する。ここ数年で風力発電の書籍は増えたが、風力利用の歴史を1冊の本としてまとめたものは和書では類がなく、画期的な本であるといえる。
環境アセスメント学の基礎
環境アセスメント学会 編 恒星社厚生閣

環境アセスメント学会が創立10周年を記念して、「環境アセスメント学」の体系化を目指し企画編集した標準テキストである。「環境アセスメントとは何か」から始まり、「持続可能性」「技術・手法」「実例」「制度」を解説し、「国際協力」「人材育成」について実際と展望を述べるという7章構成。学生や行政担当者、実務家など、さまざまな対象に向け、環境アセスメントの全体像を俯瞰できるようコンパクトにまとめた好著である。
環境書1月度売上げベストテン
ジュンク堂書店(池袋本店)2013年1月1日〜31日
1 | 2052 今後40年のグローバル予測 | 日経BP社 |
---|---|---|
2 | 降りる思想 江戸・ブータンに学ぶ | 大月書店 |
3 | トコトンやさしい地熱発電の本 | 日刊工業新聞社 |
4 | トコトンやさしいスマートコミュニティの本 | 日刊工業新聞社 |
5 | 水の日本地図 | 朝日新聞出版 |
6 | 産廃処理の実務がわかる本 | 日本実業出版社 |
7 | 東京で地熱発電 | 並木書房 |
8 | 自然エネルギー革命をはじめよう | 大月書店 |
9 | 小水力発電がわかる本 | オーム社 |
10 | リスクと向きあう 福島原発事故以後 | 中央公論新社 |