佐藤長明さんは、南三陸町生まれの海洋写真家。子どものころからの遊び場だった、思い出の詰まったその海で撮影を行ってきました。独自の地形で生物の多様性を支える志津川湾の「姿」やダンゴウオをはじめとする、海の中の小さな生き物たちの「表情」。それは、「地元の者同士」だからこそ、見せてもらえた姿かもしれません。
本書の刊行は、東日本大震災直後。ダンゴウオたちのその後が気がかりでしたが、この春に発売された『ダンゴウオ 海の底から見た震災と再生』(写真:鍵井靖章、新潮社)では、岩手県宮古湾で生きる、震災以降のダンゴウオのたくましい姿を見ることができます。