プロジェクト採択団体レポート
関西外国語大学 女子駅伝部 編
“走る楽しさ”を届ける、
その後押しに!
元競泳日本代表の伊藤華英さんを迎え、
交流会を開催。
刺激や発見に満ちた一日をレポートします。
SMBCが推進する大学スポーツ応援プログラム「シャカカチBOON BOON PROJECT」。その一期生である関西外国語大学女子駅伝部は、プロジェクトの支援金を活用し、日本の女子長距離界の競技人口不足や男女での認知度の差に着目。もっと多くの人に“走る楽しさ”を届け、競技を続ける仲間を増やすための「ラン・レボリューション(通称:ランレボ)」という活動に取り組んでいます。
2025年11月30日、学生たちはプロジェクト・パートナーである元競泳日本代表の伊藤華英さんを迎え、この「ランレボ」をさらに活性化させるための交流会を開催しました。学生たちが共有する課題や悩みに、伊藤さんが一つひとつ丁寧に答えていく。その中には、「ランレボ」のこれからにつながるヒントがいくつも見つかり、学生たちにとって貴重な機会となりました。
採択団体
関西外国語大学
女子駅伝部
- 応募
内容 -
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●競技人口の拡大
他大学と連携し、高校生に大学で部活動を続ける楽しさを伝える。
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●魅力発信と仲間づくり
自団体の取り組みも伝え、入部者増につなげる。
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●「ラン・レボリューション※」の開催
集客用リーフレット制作、全国4ヶ所へ部員を派遣、
特別ゲストを招待。
※通称:ランレボ
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“走ること”への熱量を、
目の前で感じてもらうために
「交流会の前に、伊藤さんには自分たちが走る姿を実際に見てもらい、競技に向き合う熱量や姿勢を体感していただければ嬉しいです」。学生たちのその想いを受け、伊藤さんはまず、西京極陸上競技場で行われた記録会を見守りました。
この記録会は、大学女子駅伝の日本一を決める「富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝競走)」の出場権獲得に向けた重要な機会であり、今のチームとして臨む“最後の記録会”でもありました。出場メンバーたちは引き締まった表情でレースへと挑みました。
走り切った学生を間近で見て、
伊藤さんが感じたこと
「本当に胸が熱くなりました。気が付くと、声を出して応援していましたね」と伊藤さんは振り返ります。声援が飛び交う会場の熱気も体感し、「一見すると個の勝負に見えますが、実際はチームで挑んでいることを改めて感じました。学生の皆さんが積み重ねてきた努力も随所に伝わってきて、本当に素晴らしかったです」と語りました。
声を掛ける伊藤さん
日本の女子長距離界を、
もっと盛り上げるために
今回の交流会は伊藤さんとのディスカッションを通して、日本の女子長距離界を盛り上げるヒントを掴むこと、そして「ランレボ」をより良いものにすることを目的に開催されました。
さまざまな角度から、
「日本の女子長距離界の課題」を見つける
交流会の冒頭は、学生たちによる自由研究の発表。テーマはさまざまだったものの、共通していたのは「日本の女子長距離界の課題」を見つけることでした。
自由研究のテーマ
- ●大学駅伝における男女間の認知ギャップ
- ●モチベーションの形成要因
- ●海外との競技環境の比較
- ●他スポーツとの比較
学生たちが驚きの表情になった、
伊藤さんの回答とは
課題の一つでもあったモチベーションの保ち方について、伊藤さんは「そもそも、モチベーションを一定に保つことは難しい。だから、無理に上げる必要はない」と言い切り、学生たちが驚きの表情に。「大事なのは、“波”がある前提で準備すること。トップアスリートはモチベーションよりも、“自分がなぜ、この競技をしているのか”を考え抜くコミットメントを重視しています。その覚悟を持てれば、モチベーションが下がっているときでも対処しやすくなります」と語りました。
伊藤さんのアドバイスから広がる、
「ランレボ」の可能性
主将の札場美桜さんによる2025年度の「ランレボ」の振り返りでは、「発信と集客が課題だった」と共有されました。それを受けて、伊藤さんが“発信のヒント”として挙げたのが、女性のスポーツ参加を後押しするイギリス政府機関によるキャンペーン「THIS GIRL CAN」です。「これが広がったのは、女性が自分らしくスポーツを楽しむことの大切さや、人生の中でのスポーツの意義まで伝えたからだと思います」と伊藤さん。「ランレボ」についても、「長距離競技を通して女性の生き方を応援する。そんなメッセージも加えれば、もっと広がるはずです」と学生たちの背中を押しました。
「どうして走っているのか」を
言語化できる?
さらに伊藤さんが強調したのは、モチベーションの話題にも出てきた“走る理由”です。「それを自分の言葉で自信を持って伝えられるようになること。その回数が増えるほど、相手の理解や共感が深まり、『参加したい』という声が大きくなっていくはずです。人に直接伝えるほうが、より響きやすいと思います」。札場さんが「ランレボ」の振り返りで挙げた、「SNSでは広まりにくかった」という悩みへのアドバイスになりました。
今の全力が、未来の自分を支える
最後に、「人生において、全力で取り組めるものに出会えたこと」の価値にも伊藤さんは触れました。「皆さんは陸上に出会って、今日のレースも全力を出し切ったはずです。苦しい局面があっても頑張り抜いた経験は、競技生活を終えたとしても“自分の人生”の支えに必ずなります。陸上をやっていて良かった。そう思える瞬間がこれからの日々の中できっとあると信じてください」。学生たちは伊藤さんの言葉に、耳を傾けていました。
伊藤さんの言葉を原動力に、
“走る楽しさ”を届ける
交流会の翌日、記録会の結果を受けて、関西外国語大学女子駅伝部は念願の「富士山女子駅伝」の出場権を獲得しました。自分たちの“走り”を通して、女子長距離界の楽しさを伝えていく。その想いも込めて、たすきを全員でつないでいきます。
「シャカカチBOON BOON PROJECT」
について
関西外国語大学
女子駅伝部 主将
札場 美桜さん
私たちの走る姿を伊藤さんに見ていただき、その熱量を受け取ってもらえたことが本当に嬉しかったです。「ランレボ」についても、たくさんのアドバイスをいただきました。このプロジェクトを通して、女子長距離界を盛り上げるためにできることが増えました。何より、新しい自分に出会えたと実感しています。この経験を次の一歩につなげたいです。
関西外国語大学
女子駅伝部
寺木 みのりさん
交流会では「ランレボ」や自由研究について、伊藤さんから貴重な意見をいただきました。今後、機会があれば伊藤さんご自身の経験を詳しく伺い、自分たちの活動に活かせればと考えています。このプロジェクトの大きな魅力は、プロジェクト・パートナーはもちろん、他競技・他大学の方とも交流できること。視野を広げられたからこそ、自分自身の可能性をもっと切り拓いていきたいです。
関西外国語大学
女子駅伝部 監督
山本 泰明監督
学生たちはこのプロジェクトを通して、自分たちでやり遂げることや周りと協力して進めることの大変さを感じたと思います。その分、形にできたときの達成感は大きかったはずです。この経験は、これからの人生できっと活きてくると強く思います。「ランレボ」でも、学生たちが堂々と自分の言葉で話す姿が見られました。今後の成長が本当に楽しみです。
シャカカチBOON BOON PROJECT
プロジェクト・パートナー
伊藤 華英さん
記録会での走りを見て、皆さんが日々どれだけ真剣に競技に向き合っているかが伝わってきました。交流会では自由研究の発表を通して課題を整理し、次の「ランレボ」に活かそうとする姿勢が印象的でした。伝え方を工夫すれば、「ランレボ」はもっと多くの人に届くはずです。こうした“気づき”を与えてくれるのが「シャカカチBOON BOON PROJECT」の大きな意義だと実感しました。皆さんの挑戦をこれからも応援しています。