すべての従業員が
社会的価値創造への理解を深め
全社一丸となって取り組む

※内容は、取材当時のものです。
  • (株)三井住友フィナンシャルグループ
  • 執行役員 グループCSuO(Chief Sustainability Officer)
  • 髙梨 雅之

SMBCグループの従業員が全員参加で社会課題の解決をリードし、社会的価値の創造、ひいては企業価値の向上に繋げるべく、グループCSuOとして全力で取り組んでまいります。

複合金融グループならではの強みを生かし、さまざまなパートナーと連携しながら、 社会課題に先進的に取り組んでいきます。

近年、気候変動、人権侵害、貧困・格差等、世界が直面する社会課題は多様化・深刻化の一途を辿り、これに合わせて、お客さま、投資家、従業員といったステークホルダーの意識も着実に変化してきています。
企業に対しても、社会課題解決に向けた主体的かつ具体的な貢献への期待が高まる中、SMBCグループは、2023年4月に開始した中期経営計画において「社会的価値の創造」を経営の柱の一つに据えた上で、環境、DE&I・人権、貧困・格差、少子高齢化、日本の再成長の5つを新たなマテリアリティと定め、社会課題の解決に向けてグループ一丸となって取り組み始めました。

中期経営計画の公表当初は、多くの従業員が社会的価値創造の趣旨に賛同する一方、具体的に何をしたら良いか分からないとの戸惑いの声も多く聞かれました。そこで、まずは従業員の腹にしっかり落としてもらうべく、国内外の各拠点でタウンホールミーティングを実施し、社会的価値の創造に取り組む背景の説明や具体的な行動についてディスカッションを繰り返し行ったほか、各部署や従業員の評価制度にも、社会的価値創造への取組を反映させました。

2024年度からは、従業員の背中をさらに後押しすべく、グループ12万人の従業員の「全員参加」をスローガンに掲げ、100億円の経費枠や400億円の投資枠の設定、従業員がお客さまとさまざまな社会課題について議論するためのディスカッションマテリアルの作成、プロボノワークや表彰制度の拡充等、社会的価値の創造に向けた活動支援や参画機会拡大等の施策を鋭意進めています。その結果、直近のアンケートでは6割強の従業員が「自身の業務と紐付けて社会課題解決への行動に着手した」とのポジティブな反応を見せており、一定の手応えを感じています。
今後も、従業員「全員参加」での取組に加え、幅広い顧客層や多岐にわたる社会との接点を持つ特長を活かしてさまざまなパートナーとも連携しつつ、より多くの社会課題の解決に取り組んでいきます。

一方、環境問題においては、気候変動と自然資本の相関性や、気候変動による人権や健康など他の社会課題への影響が指摘され、気候変動問題の複雑さがより明白になってきています。この大きなチャレンジに向け、複合金融グループとして最大限の貢献をしていきます。具体的には、国内外のお客さまの脱炭素に向けた金融・非金融の両面からの支援、洋上風力や水素還元鉄等の新エネルギー・新技術に対するリスクテイクの高度化、トランジションファイナンスの提供などに注力しています。

特にアジアのトランジションについては、Just Transition(公正な移行)の観点からも難易度が高いものの、アジア各国において「マルチフランチャイズ戦略」を展開し、地域経済とともに持続的な成長を目指す金融機関として、しっかりと対応していく考えです。また、気候変動問題は私たちにとって、ビジネス機会だけでなくリスクにもなり得ることを踏まえ、ガバナンスの不断の高度化に努めていきます。

社会的価値の創造に向けた取組の可視化も進めており、その詳細を「インパクトレポート」として公表することとしました。
社会的価値の創造が重要になるにつれて、財務的指標に加え、社会や環境に与える正負両面のインパクトが、企業価値を測る新たな「物差し」としての重要性を増すと考えています。こうしたインパクトを可視化することで、関連するソリューションの拡充や従業員の理解向上、ステークホルダーへの客観的かつ透明性ある開示に努めていきます。

今後も、SMBCグループの役職員が一丸となって社会課題の解決をリードし、社会的価値の創造、さらには企業価値の向上に繋げるべく、グループCSuOとして全力で取り組んでいきます。

プロフィール

  • (株)三井住友フィナンシャルグループ
  • 執行役員 グループCSuO(Chief Sustainability Officer)

髙梨 雅之

1993年に住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、企画部にて当社初の統合報告書(2016年発行)の作成を主導したほか、三井住友銀行欧州営業第五部共同部長として欧阿中東地域におけるサステナブルファイナンスを推進。2022年4月よりサステナビリティ企画部長、2023年4月より現職。当社グループ全体のサステナビリティ戦略を統括。