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お客さまの人生100年時代を支える。デジタル版エンディングノート「SMBCデジタルセーフティボックス」

三井住友銀行は2021年10月より、これまで培ってきた資産運用や相続承継に関するコンサルティングの強みを活かし、お客さまの資産に関することや、医療・介護・葬儀といった万一の時のこと等をデジタル上で登録・お預かりし、予め登録した方にお伝えするデジタルの新サービス「SMBCデジタルセーフティボックス」の店頭タブレット端末での取り扱いを開始した。2022年2月には、お客さまのパソコンやスマートフォン等でサービス利用ができる追加機能をリリース。より使いやすいサービスへと進化しているほか、デジタル化が進む現代において自身の情報を守り、「デジタル遺産※1」の対応もできるとの評価を得ている。

今回は「SMBCデジタルセーフティボックス」が誕生した背景や、提供しているサービスの詳細、ご利用中のお客さまの声などについて紹介する。

※1 故人のパソコンやスマートフォン等のデジタル端末に保存されたデータや、故人がデジタル上で利用していた金融取引や定額利用サービス等の電子情報。近年の急速なデジタル化に伴い、相続発生時に故人に帰属するこれらのデータや情報の対応方法について関心が高まっている。

「SMBCデジタルセーフティボックス」誕生の背景

三井住友銀行は、人生100年時代においてお客さまに安心とゆとりをお届けするために、長寿人生をサポートする取り組みを強化している。2021年4月には、これまでの金融サービスに加え、非金融サービスも提供する「SMBCエルダープログラム」をリリース。そして、人生100年時代を支えるサービスの第二弾として誕生したのが「SMBCデジタルセーフティボックス」である。

サービス構築にあたって万一のときの準備に対する顧客調査を行ったところ、 60-70代においては「万一の時に子供に迷惑をかけたくない」という回答が大半を占めたが、具体的に身の回りの整理や準備ができている方は全体の約10%だった。準備ができていない理由を聞くと、「何から始めたらよいかわからない」「相談できる人がいない」という声が挙がった。

また、30代から40代の子供世代は「万一の時に備え、親に資産情報等を遺しておいてほしい」という回答が大半を占めた。

こうした親子間の思いのギャップを解決する方法として一般的なツールである「エンディングノート」が挙げられる。そこで具体的に利用実態を調査してみると、エンディングノートの存在は「聞いたことがある」「知っているが、使ったことがない」という回答が計約8割に上ったものの、エンディングノートの存在は広く認知されているものの「書きたい内容が決まっていない」「書き方や内容がわからない」等の理由から活用が進んでいない実態があった。

一般的に使われているエンディングノートに関しては、記入項目が多く作成にあたってのハードルがあるほか、紛失リスクや本人以外に覗き見をされるリスク、さらに本人が亡くなった後に家族が見つけられないリスクなどが存在し、多くの人が安心して利用するにはいくつかの課題があった。

このような課題をうけ、お客さまの資産運用や相続承継などのコンサルティングサービスを提供している金融機関として、簡単で便利なデジタル版のエンディングノートをサービスとして提供できないかという発想に至った。また、顧客調査で声があった「登録・更新が簡単にできる」「もしもの時に家族に共有できる」等の要望を叶え、データ流出や不正利用等、セキュリティ面での心配の声にも対応し、堅牢なセキュリティ環境を提供し、安心してご利用いただけるサービスとして形にしたのが「SMBCデジタルセーフティボックス」である。

長年にわたりお客さまの資産を守りつづけてきた金融機関として、高いセキュリティ基準を満たし、お客さまの情報を安心・安全にお預かりすることができるだけでなく、デジタル端末の利用や入力操作に不安があるお客さまに対しては、支店の担当者が対面でサポートすることが可能だ。デジタルサービスながら、銀行が従来から持つ有人店舗の機能を活かした上で、これからの長寿人生をサポートする新たなサービスとして提供している。

「SMBCデジタルセーフティボックス」とは

「SMBCデジタルセーフティボックス」は、預貯金や保険をはじめとする資産に関することや、医療・介護・葬儀といった万一の時にお願いしたいこと、更にネットショッピングやSNS などのID・パスワードといったデジタル情報等を事前に登録しておくことができ、お客さまの希望するタイミングや相続発生時等に、予めお客さまがご指定した方に登録情報を伝達することができるサービスだ。

また、キーボード入力等の端末操作の不安を感じるお客さまに対応するため、一部の登録項目を除き、三井住友銀行の担当者がお客さまの情報登録時の操作をサポートしている。さらに、長年にわたりお客さまの資産を守りつづけてきたノウハウを生かし、当行の高いセキュリティ基準を満たす保管環境を日本国内に新設し、大切なお客さまの情報を安心・安全にお預かりする。

【SMBCデジタルセーフティボックスでできること】

「遺す」 13の登録項目が整理されているので何を登録したらよいか悩まずに登録できるほか、登録後はいつでも編集が可能。端末操作に不慣れな場合でも、担当の銀行員が操作のサポートを実施する。

「預ける」 冊子のエンディングノートの課題である紛失・覗き見のリスクを、デジタル化によって解消。日本国内に新たなセキュリティ環境を新設し、大切な顧客情報を預金情報と同様に堅牢な環境で安全に保管する。また、ログイン時等に複数の認証システムを採用し、不正利用を防止する仕組みも構築した。

「つなぐ」 デジタルならではの、受取人へのスムーズな情報伝達を実現。相続発生時に予め指定した3親等内の親族にスムーズに情報を伝達する。情報の紛失もなく、万一のときに大切な人が見つけられない心配を解消した。

*本サービスは遺言その他法的効力を生じさせるものではありません。

大切な方に遺したいメッセージも登録可能に

「SMBCデジタルセーフティボックス」は先行リリースした店頭のSMBCタブレットでの利用に加え、2022年2月より、ご契約者さま、お受取人さま双方の個人のパソコンやスマートフォンなどで、サービスを利用できる追加機能をリリースした。

またこれまでは、預貯金・保険・有価証券等の資産情報、医療や介護、葬儀等の意向の項目のみが登録可能だったが、今回の追加機能リリースにより、公共料金の引落し情報、利用中のクレジットカードや電子マネーなどの身の回りのことから、ご契約者さまが大切にしているモノ、遺言書の有無、大切な方に遺したい動画・音声・文章でのメッセージの登録も可能となった。お受取人さまは3親等内の最大10名まで登録できる。医療や介護、葬儀などに関する意向の項目は、受取人になった時点からすぐに閲覧可能だが、それ以外の項目については、ご契約者さま本人の操作によってご希望のタイミングで受取人に開示することができる。

デジタル化が進む昨今、オンラインでの銀行の取引や株式の売買など、インターネット上で管理する「デジタル遺産」が見つけられず、トラブルが発生しているケースも多くある。「SMBCデジタルセーフティボックス」を利用することより、自身のデジタル情報を守ることができるほか、「デジタル遺産」が見つけられないリスクをなくすことができる。

契約済のお客さまからは「面と向かって言えないことを遺せる」「動画で伝えられるのは魅力的」「ノートと違って何度も修正できるのが良い」「スマホでも利用できるので、思い立ったときに登録できる」等、サービスを利用することによって、新たにご自身や大切な方にとっての安心のカタチを作ることができたとの声をいただいている。

また、「家族の大切な写真など遺せるようにまとめようと思う」「さまざまなデジタル遺産を管理しておきたい」「自分史などを作ろうと思った」などサービスの提供コンテンツを超えてご自身ならではの取り組みをはじめたいとの前向きな声もいただいた。

日本で「終活」と聞くと、ネガティブな印象と共に敬遠されがちな言葉である。しかし、「相続の時は大変だった」「親がどこの金融機関と取引しているかわからなかった」など、相続に関する苦労話はよく耳にする。親が元気なうちに、家族と資産のことや、介護、葬儀について話をする機会があまりないのが実態だ。

一方で、「SMBCデジタルセーフティボックス」をご利用くださっているお客さまの多くは「終活」をポジティブなイメージで捉えている。三井住友銀行ではこの反応を好機と捉えつつ、これまで培ったコンサルティングの強みを生かし、お客さまとその大切な方の悩みやニーズにお応えし、人生100年時代の長寿人生をサポートする取り組みを一層強化していきたい。