サステナビリティ

その通りだと思います。私も、消費者の食の意識は、近年ますます高まっていると感じます。特に、2008年の中国冷凍餃子の中毒事件をきっかけに、食品の安全性や品質に対する関心は一気に高まりました。こうした流れの中で、今、求められているのは情報の発信です。食品に関する正しい情報を適宜提供することで、消費者は商品の持つ価値を見極め選別することが可能になります。こうして生まれたニーズに応じて商品の開発・製造をしていくことが今後の課題といえるでしょう。アサヒビールでは、社長の小路が提唱する「創って、造って、価値を提供する」というスローガンのもと、取り組みを推進しています。「創」は、お客さまの潜在ニーズを探り出して具現化すること、「造」は技術力を活かして安全で信頼できる高品質の商品を製造することです。この2つの視点から、既存のニーズに応えるだけでなく、期待を超えて新しい市場を創造すること、および営業活動、社会活動を通して、消費者のみならず社会への付加価値の提供を目指しています。
制度設計では、企業として推進すべき取り組みに加え、今後の経営に関わる発展的な取り組みなどに焦点を当てて評価基準を策定しました。その際、原材料へのこだわりは、是非評価項目に入れたいとの思いがありました。というのも、近年こだわりのある商品を求める消費者が増えており、企業はそのニーズに応えるべく日々努力しています。では、こだわりのある商品とは何かというと、技術も大事ですが、最終的には原材料となる農産物に行きつくわけです。しかし、いくら原材料にこだわっても、消費者が最終商品として手に取ったときに、そのこだわりが伝わらなければ意味がありません。このような考えから制度設計にあたって、原材料まで含めた企業のこだわりを、消費者や取引先にいかに伝えていくかという部分を重視しました。
食品関連企業の経営トップは、新しい食のあり方を提案するリーダーだと思います。アサヒビールさんの取り組みは、これまで見過ごされていたものを消費者に気づかせるよいきっかけになるでしょう。食べることは誰にとっても身近なことですから、食と合わせて情報を発信することは、新しい社会の創造につながる可能性があると考えています。しかし、夢は語るだけではなく、実現しなくてはいけません。経営者の方々には、リアリズムの立場から新しい価値を提案していただきたいと思っています。【留意事項】
※SMBC食・農評価融資は、調査票とヒアリングにより「体制整備」の状況を評価させていただくもので、三井住友銀行が工場の監査や製品の検査をするのではなく、「食品の安全性」や「法規制の遵守状況」などを保証するものではありません。
※また、本評価は一時点かつサンプリングによるものであり、評価結果を永続的に保証するものではありません。

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