

内部監査
基本的な考え方
SMBCグループの持続的な企業価値向上に貢献するため、各事業部門、リスク管理・コンプライアンス担当部署等から独立した立場で、内部統制の有効性等を検証しています。
内部監査の目的
SMBCグループの内部監査の目的は、経営陣および取締役会等に対して、各事業部門、リスク管理・コンプライアンス担当部署等から独立した立場で、リスクベースで客観的なアシュアランス、助言、洞察および先見性を提供することにより、SMBCグループの価値を高め、保全することです。
内部監査体制
SMBCグループの内部監査部門(第3線)は、各事業部門(第1線)、リスク管理・コンプライアンス担当部署等(第2線)から独立して設置されています。グループ全体の監査活動は、グループCAEが統括しています。
3つの防衛線(第1線・第2線・第3線)の詳細については、以下のリンク先をご覧ください。
当社の監査部は、取締役会や監査委員会が承認した「グループ内部監査規程」や「監査基本方針・基本計画等」に基づき、当社およびグループ会社に対する内部監査を実施するとともに、グループ各社による内部監査実施状況を継続的にモニタリングすること等を通じ、内部管理体制の適切性・有効性を検証しています。主な監査結果については、取締役会や監査委員会に加え、グループ経営会議に定期的に報告しています。
内部監査体制
* グループCAEの人事異動に関する同意権を有する
経営に資する監査の着実な実践に向けて
経営に資する監査を着実に実践するために、経営陣や第1線・第2線との連携強化、グループ・グローバルベースでの監査体制の高度化等に注力するほか、社会の関心が高い新たな領域の監査や、生成AI等のテクノロジーの積極的な活用にも取り組んでいます。
経営陣や第1線・第2線との関わり
SMBCグループでは、経営に資する監査を実践するために、事業部門長・CxO等を対象とした定期的なヒアリングを通じて経営陣のリスク認識の把握に努めています。
また、第1線・第2線の各部との建設的な対話や連携を強化する施策にも取り組んでいます。具体的には、監査対象部署が自己認識している課題および改善策を内部監査部門へ申告する制度(MSII:Management Self-IdentifiedIssues)を先行導入していた欧米拠点に続き、国内拠点でも順次取り入れており、グループ・グローバルベースで制度の定着を図っています。そのほか、日頃から監査対象部署の業務内容を深く理解し、リスクの変化を適時・適切に把握するため、オフサイト・モニタリング(リスク情報の収集やヒアリング等)を積極的に実施し、必要に応じて監査計画を見直しています。第1線・第2線の各部とより機動的かつ緊密なコミュニケーションを図るために、当社および三井住友銀行の監査部は、事業部門制・CxO制に対応するよう編成しています。さらに、こういった経営に資する監査に向けた取組の意義や拠点運営に役立つ情報等を、社内ニュースレターやセミナーを通じて継続的に発信しています。
グローバルベースでの高度化に向けた取組
SMBCグループでは、内部監査に関する国際団体である内部監査人協会(IIA)の基準に準拠するだけでなく、国内外の金融機関の先進的取組事例を積極的に吸収し、監査手続やシステムの標準化、品質評価の高度化等に取り組んでいます。
また、世界各地域で共通する課題に対応するため、地域横断の専門チームを設置し、日々の業務や課題に関する情報を、グローバルに随時共有しています。さらに、各地域での活動実績や課題をグローバル会議で包括的に共有し、内部監査部門全体の一層の品質向上を図っています。

海外の監査人を招聘して開催したグローバル会議の様子
グループ会社間の連携強化に向けた取組
SMBCグループでは、各社の体制の高度化に向け、監査手続のグループ共通化やグループ会社合同会議の開催等を活用した情報連携に注力しています。また、当社は、グループ各社の内部監査部署に対し、監査人の派遣、監査プログラム・報告書の提供によるノウハウ供与等を通じて、監査支援を継続的に実施しています。
また、グループ会社間の連携強化を目的に、当社、三井住友銀行、SMBC日興証券、SMBC信託銀行の内部監査部署は同一拠点に所在し、より一体的な運営を推進しています。
One Teamの意識を醸成する環境整備
当社の監査部は、監査人の一体感醸成のため、エンゲージメント向上施策を策定・推進するアンバサダーを任命しています。また、経験の浅い監査人に対し、経験豊富な監査人が1対1で相談役を務めるメンター制度の導入や、監査人同士のコミュニケーションを活性化するためのオフィスレイアウトの見直し、グループベースで各監査チームの業務内容について相互理解を深めるセッションの実施等にも取り組んでいます。こうした施策を通じて、One Teamの意識を醸成する環境整備を積極的に推進しています。
監査人の成長
SMBCグループでは、個々の監査人が意欲的に自己研鑽を続けることができるよう、監査人の意欲を醸成し、成長を促す各種制度を整備しています。
具体的には、実務に関する研修の実施や、公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)等の国際資格の取得推進を通じて監査人の専門性向上に努めており、年間研修目標の達成状況や専門資格保有率等、グループ共通の部門KPIを設定しています。また、監査実務スキルに加え、コミュニケーション力や問題解決力といった監査活動に必要な関連スキルを向上させるための多様な研修を実施する等、監査人の成長を促しています。
新たな領域の監査
SMBCグループでは、気候変動や企業文化、AI活用といった社会の関心が高い領域の監査にも挑戦しています。国内外の知見を積極的に取り入れ、施策やルールの妥当性、今後の変化への適応性等を検証することで、SMBCグループのビジネスの多様化に対応していきます。
テクノロジー・データ分析の活用推進
当社の監査部は、リスクの早期察知や監査活動の効率化を目的に、AIやデータ分析を活用した監査の高度化を専門で担当するグループを設置しています。同グループでは、AIでメールや通話録音内容を分析して不適切なコミュニケーションを検知する仕組や、過去の監査結果や社内の各種指標をAIに学習させ、営業拠点ごとにリスク度を算出する仕組等、テクノロジーやデータを積極的に活用しています。このような取組を、グループ・グローバルベースで拡大していきます。