コンプライアンス体制

基本的な考え方

SMBCグループは、複合金融グループとしての公共的使命と社会的責任を果たすべく、コンプライアンス・リスク管理の強化を経営の最重要課題のひとつとして位置付けています。真に優良なグローバル企業集団の確立を目指し、より一層その徹底に努めていきます。

コンプライアンス管理

SMBCグループでは、グループ・グローバルベースでの業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、コンプライアンスに関して、適切な指示・指導、モニタリングが行える体制の整備に努めるとともに、不正行為の防止、早期発見・是正のための予防策を講じています。

コンプライアンスの統括責任者であるグループCCOを委員長とするコンプライアンス委員会において、SMBCグループ内の各種業務に関し、コンプライアンスの観点から広く検討・審議しています。

また、グループベースでの管理の観点では、コンプライアンスを実現させるための具体的な実践計画である「コンプライアンス・プログラム」の策定等を行っています。「コンプライアンス・プログラム」の内容は、取締役会・グループ経営会議で承認した上で組織全体に周知させており、グループCCOは、その進捗状況や達成状況を、取締役会へ原則半期毎(年2回)に報告しております。グループ各社は、このプログラムを踏まえた各社ごとのコンプライアンス・プログラムを策定すること等によって、体制整備を進めています。

さらに当社では、グループ各社よりコンプライアンスにかかる協議・報告を受け、必要に応じて助言・指導等を行うことで、グループ全体のコンプライアンス確保に努めています。

また、グローバルベースでの管理の観点では、主要海外拠点のコンプライアンス関連部署をコンプライアンス統括部署であるコンプライアンス部の部内室とすることで、海外拠点のコンプライアンス体制を一元的に管理する体制としています。

SMBCグループのコンプライアンス体制

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健全なリスクテイクと
適切なリスク管理の実現に
向けて

企業が社会と共生し、持続的に発展していくためには、健全なリスクテイク(業務推進)と同時に、コンプライアンスの確保を含めた適切なリスク管理が不可欠です。とりわけ金融機関はその公共的使命と社会的責任の重さから、その業務の遂行にあたっては、特にコンプライアンス・リスク管理を重視する必要があります。

このため、SMBCグループでは、公共的使命と社会的責任を果たすべく、コンプライアンス・リスク管理の強化を経営の最重要課題のひとつとして位置付け、真に優良なグローバル企業集団の確立を目指し、その体制の不断の向上に努めています。

具体的には、役職員のコンプライアンスを含めたリスク管理における拠りどころとなる指針として、「コンプライアンス及びリスクに関する基本方針」を定め、その継続的なレビューにより、遵守状況の改善および有効性の確認に努めています。

アンチ・マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CFT)、経済制裁対応に関する方針・取組

マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与の防止・各国の経済制裁に関する諸規制の遵守が経営における重要な課題のひとつであることを認識し、SMBCグループおよびその役職員等が、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与に関与することや巻き込まれることを防止するとともに、各国の経済制裁に関する諸規制に適切に対応するよう努めます。

このため、国際連合やFATF*1 等の国際機関の要請、本邦の法令による要請、OFAC*2 規制を含む関係各国の要請等に基づき、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与・経済制裁に関する規制違反を防止するとともに、業務の健全性および適切性を確保するためのグループポリシーを制定し、グループ各社で体制整備を行っています。

なお、2019年4月、三井住友銀行はニューヨーク連邦準備銀行との間で、ニューヨーク支店における米国銀行秘密法に基づくマネー・ローンダリング防止に関する内部管理体制等が不十分であるとの指摘に関し、改善措置を講じることで合意しました。

ニューヨーク連邦準備銀行との合意内容を厳粛に受け止め、グローバルベースでのコンプライアンス管理をより一層強化し、必要な対策を講じています。

SMBCグループにおけるAML/CFTおよび経済制裁への対応のための主な施策は、以下のとおりです。

  • SMBCグループは、顧客管理措置(KYC*3 /CDD*4 )を含むAML/CFTおよび経済制裁への対応を適切に実施するための組織体制、また疑わしい取引を報告するための内部規程・手続等を整備しています。
  • SMBCグループは、関係法令に則り、顧客管理措置(含む非対面方式)を実施しています。この顧客管理措置には、顧客等が国際連合安全保障理事会の決議や、各国の法規制によって、テロ行為やその他の犯罪行為に関係すると指定された者に該当するか否かの確認も含まれます。
  • SMBCグループは、個々の顧客や国・地域、その取引におけるマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与、経済制裁に関するリスクの大きさに応じて、デューデリジェンスを含む必要なリスク低減措置を実施した上で取引可否を判断しており、たとえば、関係法令に基づき、外国PEPs*5 等、リスクが高い場合には、追加的なデューデリジェンスの実施や上級管理職による承認等の、より厳格な措置を講じています。
  • SMBCグループは、関係法令に基づき、取引について、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与が疑われる場合、その内容を調査し、必要に応じて当局に疑わしい取引の届出を行っています。
  • AML/CFTおよび経済制裁への対応手順については定期的に内部監査を受け、適切性・有効性を検証しています。
  • SMBCグループは、AML/CFTおよび経済制裁への対応に係る義務や要請を周知徹底するため、役職員に対する社内研修を、必要に応じて、継続的に実施しています。SMBCでは、国内拠点の全従業員を対象としたオンライン研修や経営陣を対象とした研修、部門や役職に応じた研修等、AML/CFTおよび経済制裁対応に関する研修を年に複数回実施しています。
  • *1FATF:Financial Action Task Force(金融活動作業部会)の略
  • *2OFAC:Office of Foreign Assets Control(米国財務省外国資産管理室)の略
  • *3Know Your Customerの略
  • *4Customer Due Diligenceの略
  • *5Politically Exposed Person(s)の略

反社会的勢力との関係遮断

「反社会的勢力に対する基本方針」を定め、グループ一丸となって、反社会的勢力との関係を遮断する体制を整備しています。

具体的には、反社会的勢力との取引の未然防止に努めるとともに、契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入し、取引開始後に相手方が反社会的勢力であることが判明した場合には、外部専門機関と連携の上、適切に対応しています。

反社会的勢力に対する基本方針

  1. 1.反社会的勢力とは一切の関係を遮断します。
  2. 2.不当要求はこれを拒絶し、裏取引や資金提供を行いません。また、必要に応じ法的対応を行います。
  3. 3.反社会的勢力への対応は、外部専門機関と連携しつつ、組織全体として行います。

お客さまの情報の管理

SMBCグループでは、お客さまの情報の適切な保護と利用に関して、グループ全体の基本的な方針であるグループポリシーを策定しており、グループ各社は当該ポリシーにしたがい、お客さまの情報の管理体制を整備しています。

持株会社である三井住友フィナンシャルグループのプライバシーポリシーは、主に株主の皆さまの個人情報を対象としており、グループの主要な銀行業務を担う三井住友銀行のプライバシーポリシーは、主にお客さまの個人情報を対象とした上で、その利用、取得、取扱等に関して、「お客さまの個人情報の取扱いについて」にて詳細に定めています。

その他のグループ各社においても、個人情報および個人番号等の適切な保護と利用に関する取組方針であるプライバシーポリシーを制定・公表する等、体制を整備しています。



三井住友フィナンシャルグループ及び三井住友銀行のプライバシーポリシーは、経営会議の決議を経て制定・改廃されるものです。プライバシーポリシーに基づいた個人情報保護に関する両社の取組は、コンプライアンス担当役員の責任のもと、全社のコンプライアンス・プログラムの中で運用されており、不祥事が発生した場合は、コンプライアンス部への適切報告、及びコンプライアンス部による是正措置が講じられます。従業員によるポリシーへの違反が発見された場合、内部規程に基づき、厳重な措置を講じる場合があります。加えて、サプライヤーや外部業者に対しては、内部規程に則り、取引開始前に個人情報の取り扱い有無やそれに付随するリスクの確認を行い、高リスクな場合は別途詳細な覚書を締結する等の対応により、サプライチェーンを含めた事業全体で個人情報の保護に厳格に取り組んでいます。なお、両社のプライバシーポリシーは、コンプライアンス部による定期的なリスクアセスメント・監査により、その実効性を担保しています。

また、三井住友銀行では、全従業員が、お客さまの個人情報保護に関する研修を少なくとも年1回受講しています。

内部通報制度及び
会計・監査不正
に関する通報制度

法令及び社内規程・規則* に違反する行為を早期に発見・是正することにより、自浄作用を高めることを目的として、SMBCグループ会社の従業員(嘱託・試用雇・臨時雇・パートタイマーを含む)、事業所に勤務する派遣職員・他社からの出向者、委託業務先の従業員が24時間・365日利用可能な内部通報窓口「SMBCグループアラームライン」を社内外に設けています。本窓口については、ポスターの掲示、社員携帯カードの配布、研修・勉強会の実施といった手法によって積極的に全従業員に周知しています。
通報者は、外部通報窓口を利用する場合、個人を特定する情報を受付担当弁護士以外に明らかにせず、匿名性を保つことを希望する旨、申し入れることができます。通報対応にあたっては守秘義務の徹底、通報者のプライバシーを保護するとともに、通報者に対する報復行為や、不利益な取扱いを禁止しており、違反した従業員には、懲戒処分を含む必要な措置を講ずることを規定しています。なお、海外支社においても、現地に内部通報窓口を設置し、現地の社員からの通報を現地の言語で受付けることを可能にしています。

  • * 具体的には人権の国際基準である「国際人権章典」に謳われる人権、「労働における基本的原則及び権利に関する ILO宣言」に規定された基本的原則及び権利に対する侵害や、「コンプライアンス及びリスクに関する基本方針」「贈収賄の防止及び接待贈答等に関するSMFGグループ規程」等に違反する行為が通報受付対象となります。

通報窓口に内部通報があった場合は、通報対象事実の内容を確認し、総務部・人事部等定められた部署を中心に調査を行います。調査の結果、違反行為が認められた場合は、法令等に基づき人事処分を含め、是正措置を講じ、一定期間後に、同措置が機能しているか、また通報者保護の観点で問題が生じていないかをフォローします。なお、SMBCグループアラームラインでは通報者の保護を最優先に考えた制度運営を行っており、通報に係る情報は厳格に取り扱われます。また、内部通報にかかる受付・処理状況について、定期的にコンプライアンス委員会、グループ経営会議、監査委員会に報告を行っています。なお、2022年度には当社およびグループ会社における社内外の通報窓口にて、353件の通報を受付しています。

また、当社およびその連結子会社の会計、会計にかかる内部統制、監査事項についての不正行為を早期に発見・是正することにより、グループ内の自浄作用を高めるべく、会計・監査不正に関する通報を受け付ける「SMFG会計・監査ホットライン」を設置しています。「SMFG会計・監査ホットライン」では、SMBCグループの役職員のみならず、外部業者の役職員、また、一般からの通報も受け付けております。

「SMFG会計・監査ホットライン」通報窓口・指定紛争解決機関

「SMFG 会計・監査ホットライン」
通報窓口指定

以下の宛先で、郵便もしくは電子メールでの通報を受け付けています。

郵便

〒100-6310 東京都千代田区丸の内2-4-1
丸の内ビルディング15階
岩田合同法律事務所内
「SMFG会計・監査ホットライン」宛

電子メール

smfghotline@iwatagodo.com

  • 対象となる通報内容は、当社もしくは当社連結子会社の会計、会計にかかる内部統制、監査事項についての不正行為の疑念です。
  • 匿名での通報も可能です。
    尤も、通報内容が抽象的・不明確な場合、調査に限界が生じる場合もございますので、通報に際しては、可能な限り詳細な事実に基づく記述をお願いします。
  • 通報者に関する情報は、本人の同意をいただいている場合や法令等に基づく場合を除き、当社グループ以外の第三者に開示しません。

指定紛争解決機関

三井住友銀行は、お客さまとの間に生じた苦情・紛争の取り扱いに関しまして、銀行法上の「指定紛争解決機関」である「一般社団法人全国銀行協会」、信託業法・金融機関の信託業務の兼営等に関する法律上の「指定紛争解決機関」である「一般社団法人信託協会」、ならびに金融商品取引法上の「指定紛争解決機関」である「特定非営利活動法人証券・金融商品あっせん相談センター」と、契約を締結しております。

一般社団法人全国銀行協会
連絡先
全国銀行協会相談室
電話番号
0570-017109または03-5252-3772
受付日
月曜日~金曜日(祝日および銀行の休業日を除く)
受付時間
午前9時~午後5時
一般社団法人信託協会
連絡先
信託相談所
電話番号
0120-817335または03-6206-3988
受付日
月曜日~金曜日(祝日および銀行の休業日を除く)
受付時間
午前9時~午後5時15分
特定非営利活動法人証券・金融商品
あっせん相談センター
連絡先
証券・金融商品あっせん相談センター
電話番号
0120-64-5005
FAX
03-3669-9833
受付日
月曜日~金曜日(祝日等を除く)
受付時間
午前9時~午後5時

贈収賄の防止に向けた取組

SMBCグループは、贈収賄防止に向け、以下の取組を行っています。

  • グループCEOにより、従業員向けに、贈収賄防止に向けた基本方針を発し、法令諸規則の遵守、贈収賄※や汚職への関与の禁止を明記した社内規程を遵守するよう当行グループ役職員に周知徹底。
  • 「贈収賄の防止及び接待贈答等に関するSMFGグループ規程」、関連規則や接待贈答に係る手続を策定。規程にて、受領者に影響を与える目的をもって、財物等(金銭はもちろん、物品、サービス、接待、親類等の採用、その他名目の如何を問わず、経済的価値のある有形、無形のもの一切を含む)を提供しまたは提供を申し込む行為、及び、提供者に便意を図る目的をもって、財物等を受領しまたは請求する行為を禁止。加えて、行政手続円滑化目的で実施される少額支払(ファシリテーション・ペイメント)の禁止、さらに、贈収賄や汚職に関する違反行為があった場合の懲戒処分等を規定。また、研修・モニタリングの実施状況、並びに本規定その他関連規程に基づく接待及び贈答品の授受等、迅速かつ正確に記録を残す旨を規定。なお、接待贈答に関しては、FCPA・UKBA含む適用される全ての法令諸規則や社内規程を遵守し、目的及び態様が適切な行為のみ許容。接待贈答の判断基準や承認手続について、各社定めており、接待贈答の実施前には、実施部署にて内容を確認、リスクに応じてコンプライアンス部署が検証を実施。
  • SMFGコンプライアンス部が主要なグループ会社・SMBC拠点に対して贈収賄・腐敗リスク評価を年次で実施し、取引や取引相手等に関するリスクを特定、コントロール策の実効性を点検。リスク評価結果については、経営に報告。具体的には、グループ会社・SMBC拠点を対象に質問状を送付し、その回答内容から贈収賄リスクを分析・評価。リスク評価の結果はコンプライアンス委員会に報告されると共に、高リスクであることが判明したグループ会社・SMBC拠点については、各社・各拠も協議のうえ、適切なリスク低減策を実施することとしている。
  • 出資・買収検討時には、贈収賄・腐敗リスクの観点から事前デュー・ディリジェンスの実施及び、適切な事後管理を行う旨、本規程その他関連規程にて規定。
  • 外部業者(仲介業者等の業務委託先・再委託先を含む)の贈収賄・腐敗リスクについては、外部業者取引管理の枠組みに基づき、役務の委託に際しての事前チェック方法及び契約プロセスを明確化し、新規契約時及び契約が長期に渡り継続する場合は定期的にリスク評価を実施。
  • コンプライアンス部署等により、本規程の遵守状況を定期的にモニタリング。
  • コンプライアンス部署等により、上記規程その他関連規程や法令諸規則の内容、目的、運用について周知するため、贈収賄を含む腐敗防止をはじめとするコンプライアンス社内研修を全従業員対象に実施。また、常時参照できるように上記規程その他関連規程の社内イントラネット上での掲載箇所を研修資料にて提示。SMBCの国内拠点の全従業員を対象とする研修では、2021年度も受講率100%を達成。また海外拠点でも、コンプライアンス研修をリスクレベルに応じて定期的に実施。更に、従業員等より本規程その他の関連規程を遵守する旨の宣誓を受け入れ。
  • 贈収賄の防止に関する取組に関しては、グループCCOが、定期的に取締役会に報告し、取締役会においてその運営状況を監督。グループCCOの指示の下、SMFGコンプライアンス部が基本方針を立案し、業務部門等やグループ会社に対する牽制・支援を行い、コンプライアンスを確保。

なお、2021年度、本規程その他関連規程の重大な違反と認められた件数は0件であり、本規程その他関連規程をもとにした懲戒処分は行いませんでした。また、本規程その他関連規程違反に関し、罰金・和解のための諸経費はありませんでした。

  • ※ 贈収賄とは、受領者に影響を与える目的をもって、財物等(金銭はもちろん、物品、サービス、接待、親類等の採用、その他名目の如何を問わず、経済的価値のある有形、無形のもの一切を含む)を提供しまたは提供を申し込む行為、及び、提供者に便意を図る目的をもって、財物等を受領しまたは請求する行為を指します。)

グループタックスポリシー

SMBCグループは、従来から各国及び各地域の税関連の法律、規則及び条約を遵守し、税務当局に対する申告、納税及び報告の義務を適切に果たしておりますが、更に税務コンプライアンス体制を強化するためにグループタックスポリシーを制定しております。

SMBCグループは、このグループタックスポリシーに則り、今後も税務当局に対する申告、納税及び報告の義務を適切に果たして参ります。

尚、本ポリシーは、経営会議の決議及び監査委員会への報告により制定し、グループCFOとグループCCOが共同責任者として運用しているものです。

地域別の税引前当期利益の額及び税額(2023年3月期)

地域別の税引前当期利益の額及び税額 拡大画像を表示する