価値創造を支える人材戦略
CHROメッセージ
つなぐ。伴走する。共につくる。

ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、社員の多様化が加速する中で、SMBCグループは成長戦略を支える人的資本の強化と現場力・戦略遂行力の最大化を担い、新中期経営計画を実現してまいります。
SMBCグループでは、現在13万人を超える社員が活躍しています。多様な社員が個々の能力を最大限発揮し、成長意欲を持ち続けられる環境を作るため、2023年度にSMBCグループ人財ポリシーを制定しました。
人財ポリシーでは、社員には「プロフェッショナル」「チームワーク」「挑戦」を求め、それを体現する社員に対して会社は「自分らしさの表現」「お客さま・社会への貢献」「キャリア形成と自身の成長」を提供することを明記しています。
人財ポリシーの制定は、かつて主従関係にあった会社と社員の関係性を“選び、選ばれる関係”へ進化させ、その相互成長により弛まぬ価値創造を目指すというSMBCグループの決意の表れであり、この“社員に求めるもの”と“提供する価値”の好循環の創出こそが我々の長期的かつ不変のミッションだと考えています。
人財ポリシーの実現に向けて、注力すべき領域は「人材」「カルチャー」「仕組」の3つだと考えています。新中期経営計画ではこの3つの観点と、ビジネス環境や社員の多様化を鑑み、「(1)プロフェッショナルの確保と、自律的に成長する強い個の創出」「(2)人財ポリシーを体現するチームと挑戦し続けるカルチャーの確立」「(3)組織のパフォーマンスを最大化する基盤の構築」の3つを重点人事戦略と定めました。
さらに2026年度からは人事戦略の実現に向けて、定量的な効果測定を強化するため、KGIとして人的資本ROIと人財ポリシースコアを設定するとともに、人事戦略と経営戦略との連動を明確化するため人的資本経営モデルを刷新しました。
世界的なレジームチェンジやテクノロジーの飛躍的進化の中にあっても、SMBCグループの最大の財産は「人」。社員一人ひとりの強さこそが、SMBCグループの競争力の源泉です。
目まぐるしく変化する時代の渦中にあっても、高い志を持ってお客さまや社会の課題に果敢に挑む社員に対し、その力が最大限発揮されるよう、あらゆる観点から惜しみない支援を行ってまいります。
社員と会社をつなぎ、社員に伴走し成長を支え、ビジネスを共創する。グループCHROとして力強く人事戦略を推進して、経営戦略の実現に挑む決意です。
SMBCグループ人財ポリシーと新人的資本経営モデル
SMBCグループ人財ポリシー
2023年度に策定したSMBCグループ人財ポリシーの重要性は、新中期経営計画においても変わりません。人財ポリシーでは、ビジネス環境の変化や社員の多様化が進んでも、変わらない社員に「求めるもの」と「提供する価値」を明文化しており、双方の好循環の創出により、会社と社員が選び・選ばれる関係を構築することを目指しています。人財ポリシーを浸透させ、常時体現することで、多様でプロフェッショナルな社員が挑戦し続け、働きがいを感じる職場とチームを実現します。
人的資本経営モデルの刷新
経営戦略と人事戦略の連動をより明確化するため、2026年度よりこれまでの人的資本経営モデルを抜本的に見直しました。新人的資本経営モデルでは、SMBCグループ人財ポリシーを価値創造のエンジンと位置付け、戦略的な人的資本投資を実行することで、人材戦略で注力すべき「人材」「カルチャー」「仕組」それぞれの領域において目指す状態を実現し、「アウトプットを常に最大化できるチームを全領域で作れている状態」となることが企業価値向上に直結するという考え方を示しています。
重点人事戦略
人材
戦略に必要な人材の可視化と充足状況の把握
重点戦略領域について、必要な人材の「量」に加え、スキル・経験等の「質」を可視化することで、採用・育成・配置を高度化します。また、本部機能のスリム化や国内外のミドル・バック業務等の効率化を通じて創出した資源を、成長領域へ重点的に配分し、グループやグローバルの垣根を越えた最適配置を進め、事業戦略との連動を一層強化します。
採用戦略・基盤の構築
事業戦略と連動した採用戦略の下、人材確保の強化・多角化を推進しています。幅広いキャリアパスを展望できる新卒オープン採用、志望分野に直結したキャリアを描きやすい新卒コース別採用、高度な専門性や幅広い経験・価値観を有するキャリア採用を拡大してきました。今後も、グループ会社間の連携強化や育成・オンボーディング体制の強化を通じて、金融ビジネスの枠にとらわれず、スケールの大きな舞台で活躍が期待される人材を確保していく方針です。
経営人材育成の仕組化
将来の経営を担う人材の育成にも注力しています。CxOや事業部門長等の国内外の主要ポジションについて、サクセッションプランを策定しています。
将来の経営人材の候補者には、事業領域の枠にとらわれない越境学習を含むタフアサインメントや多様な研修機会、経営との対話機会を重点的に提供するなど、中長期的なスパンで計画的に育成できる体制を構築しています。
社員の自律的なキャリア形成支援
グループ共通の自己研鑽プラットフォームを拡充し、社員一人ひとりが課題や目標に応じて必要な知識・スキルを主体的に習得できる環境を整備しています。多様なキャリア形成を後押しし、社員の持続的な成長につなげていきます。
カルチャー
インナー・アウターコミュニケーションの強化
2026年度、SMBCグループとして初の人的資本に特化したレポートを開示します。本レポートでは人事戦略の詳細や、人財ポリシーを体現する社員の紹介を行います。
また、社内SNSの活用や、積極的な取材対応・登壇機会の増加を通じて社内外への発信を強化することで、コミュニケーションを高度化し、人財ポリシーを体現できるカルチャーの浸透を図っていきます。
SMBCグループダイバーシティ経営
ダイバーシティ経営を成長戦略そのものと位置付け、多様性を組織の力に変え、新たな価値創造・企業価値の向上につなげていくことを目指しています。たとえば、意思決定層の多様化に向け、日本におけるジェンダーギャップの課題を踏まえ女性幹部育成研修を実施するほか、一部グループ各社では、経営会議役員が女性経営幹部候補に対してキャリアアップに向けた包括的な支援を行う「スポンサー制度」を実施しています。
また、社員が仕事とプライベートを両立しながら思う存分活躍できるよう両立支援制度を拡充するほか、三井住友銀行とSMBC日興証券では育児を含むさまざまな事由での欠員にチームで対処できるよう、チームレジリエンス*強化の取組を進めています。取組の一環として、育児休業をきっかけにチームレジリエンスの強化に取り組んだチームに対する報奨金制度を新設しました。
- *:チームが困難な状況に直面した際に、その状況に迅速・柔軟に適応し、乗り越えていく力のこと。
健康経営
お客さまへの価値提供の原動力となる社員一人ひとりの心身の健康を経営課題とし、健康経営を推進しています。プロフェッショナルとしての心身のコンディション管理を支援するため、さまざまなセミナー・研修を実施するほか、検診・治療等にかかる費用補助や、柔軟な勤務制度の整備等を行っています。こうした取組が評価され、当社は「健康経営優良法人2026(大規模法人部門(ホワイト500))」に認定されました。
仕組
グループ人事体制の強化
事業のグループ展開に伴い、各社ごとの人事制度や運用の違いに加え、体制や基盤の分散等が機動的な人事戦略の推進における制約となっています。このため、人事制度・人的資源配分・人事システム・人事体制の4領域においてグループ一体化を進め、人事基盤の高度化を図るとともに、戦略実行を支える運営の機動性向上に取り組んでいきます。
グローバル人事体制の強化
本社・地域間のアラインメント強化と地域最適の人事運用からの脱却を課題と捉え、日本国内拠点でのグローバル対応力の強化や海外拠点での人事制度・運用・システムの統合に取り組んでいます。
また、日本採用社員と海外現地採用社員で整合した人材マネジメント方針の策定にも取り組み、雇用地にとらわれない全社・全地域で一貫した人材マネジメントへの転換を目指します。
新人事制度の実効的な運用を通じた生産性向上(三井住友銀行)
三井住友銀行では、2026年1月に新人事制度を導入しました。「プロフェッショナリティ」「実力本位」「多様な人材の活躍」を基本方針に、年次にとらわれない登用や、役割に応じた処遇を行う、発足以来初の抜本的な制度改定です。実効性を高めるため、労働生産性や労働分配率をモニタリングしながら、社員の専門性の発揮を通じた付加価値創出と成果の還元につなげます。これにより、持続的な生産性向上と採用競争力・リテンションの強化を目指します。
AI活用による人の価値の最大化
AI活用の進展を踏まえ、高度な判断や信頼関係構築等、人にしかできない価値の最大化を目指します。業務変革に備え、リスキリングや人材シフト、評価・処遇の見直しを一体的に進め、AI時代に適した人事基盤を整備することで、生産性向上と付加価値創出の両立を図ります。
人材
- ●社員の生産性向上と投入余力創出
- ●AI活用を通じた人的資源配分の最適化や、リスキリング策の具体化
カルチャー
- ●AI活用による生産性向上を支える教育体制整備
- ●AI活用を全社的なカルチャーとする啓蒙・マインドセット推進
仕組
- ●AI活用・スキル習得を定着させる、人事制度・評価制度の構築
- ●AI人材育成を加速するインセンティブの導入
三井住友銀行の人材育成について
三井住友銀行は、人材に関するあらゆる場面における長期的戦略としてSMBCグループにて制定した、「SMBCグループ人財ポリシー」に従い、人材育成に取り組みます。従業員一人ひとりの挑戦を後押しするため、人事部主導の人材育成スタイルから、現場主導で従業員が自律的に成長していく育成スタイルへ転換しつつ、評価の透明性を高め、年次を問わず、貢献した従業員がより評価されるための環境整備を進めています。
OJTを主体とした職場における経験学習サイクルの加速化
若手従業員に対しては、先輩従業員による指導体制(アンカー制度)や、徹底的な自己理解と基本行動・基礎知識を習得し、適切な競争意識を醸成する育成体系を導入しOff JTとの接続を意識した取組を行っています。
三井住友銀行の評価制度
貢献評価制度について
- ・透明性・納得性のある手法で、会社または他の従業員への貢献度合いを評価し、メリハリある処遇を実現する制度
- ・自らの所属する部署・グループに対する貢献に留まらず、グループ全体および他の従業員に対する「貢献」全てを評価

実力評価制度について
- ・貢献として顕在化する「行動特性(コンピテンシー)」と本人特有の「行動源泉(エネルギー)」を通して、総合的に評価する制度
- ・部店長の評価のみでなく、人事部員による面接や研修等を通じ、多面的評価情報の収集を図り、実力評価に反映

マネジメント層に向けた取組
従業員の価値観の変化や業務の専門化が進み、働き方をめぐる意識・環境が大きく変化していることから、マネジメントの難易度は年々増し、上記「職場における経験学習サイクルの強化」においても、その役割は益々大きくなっています。このような環境に合わせ、新任管理職に対し、役割期待やマネジメントの重要性、また人材育成のポイントやDE&Iの推進意義等を伝える新任研修を職位別に実施するほか、全管理職のサポートとして、マネジメント力強化に向けた取り組みを実施しています。
マネジメントに求められるスキルは科学的に研究が進み、体系化されていることから、外部の知見を最大限に活用したマネジメントスキル研修を導入しています。また、管理職の評価要素の一つに、「ダイバーシティ(多様な価値観を持った部下やメンバーの違いを活かし、新たな価値を創造する行動)」を盛り込むほか、年に一度、部下や同僚からの多面評価(SMBCマネジメントレビュー)や上司との面談を通じて、多角的に自身のマネジメントスタイルを自省し、適切に課題設定を行い必要なスキルを自ら開発するサイクルを回しています。
加えて、定期的に人事部や他の管理職層とのコミュニケーションの場を設けることで、銀行全体の課題意識の理解や好事例の共有を通じたマネジメントスキルの底上げにもつなげています。

Off JTの充実
若手を早期戦力化し、OJTによる育成効果を高めることを目的として「基礎教育プログラム」を実施しています。
例えば、徹底的な自己理解、主体的な成長への渇望、適切な競争環境を生み出すため、若手従業員に求められる必須の基礎知識、基本行動の習得・発揮度合の評価認定を行う「SMBCファーストフラッグ認定」や「チェックポイント制」、先輩従業員による若手従業員の指導・育成をサポートする「アンカー制度」など、OJTとOff
JTを組み合わせた複層的な育成プログラムを導入しています。
このほか、管理職層を含む長期的なキャリアを展望するための階層別研修、経営を担うリーダー層に向けたリーダーシップ研修に加え、eラーニングコンテンツを中心にデジタル素養・知識の涵養を促す「デジタルユニバーシティ」、与信・外為などの専門知識を集中的に強化することを目的としたテーマ別研修プログラムも提供しています。リーダーシップ研修においては、東京大学、米国University of Pennsylvania, the Wharton School 等外部の専門機関と共同開発した高度なプログラムを導入しています。

















