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【DX銘柄2024発表会レポート】SMBCグループが「DX銘柄2024」に選定。多面的なDXの取り組みを評価

SMBCグループは2024年5月27日、経済産業省、東京証券取引所および独立行政法人情報処理推進機構(IPA)より「デジタルトランスフォーメーション銘柄(以下、DX銘柄)2024」に選定されました。

DX銘柄」とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定するものです。

非金融領域でのビジネス創出と社長製造業の取り組みを評価

今回SMBCグループの「DX銘柄2024」選定理由となった取り組みをご紹介します。

SMBCグループでは、DXの進展によるビジネスモデルの転換や業界地図の塗り替えを機会・脅威と認識し、プロダクト・サービスの高度化、新たなビジネスモデルの創造に取り組んでいます。デジタル戦略としては、デジタルが持つさまざまなものを超えていく力・結びつけていく力「Beyond & Connect」と、イノベーションを加速する枠組みの強化「Empower Innovation」の2つの方向性を掲げ、金融・非金融の枠組を越えた幅広い領域で、デジタル技術を活かした新たなビジネスの開発・推進に取り組みビジネスモデルの変革を進めるとともに、グローバルベースでのオープンイノベーション組織の強化やCVCの設立、社長製造業や社内SNSなどを通じたカルチャー変革により、社内外から新規ビジネスの種が生まれる仕組み作りをしています。

具体的な取組としては、個人向けビジネスにおいては、社会のDXの進展によりモバイル・デジタルが前提となる中で、モバイル総合金融サービス「Olive」を2023年3月にリリースし、戦略的なデジタル基盤を構築しました。「Olive」は、2024年2月までの実績として契約件数が200万件を突破し、個人顧客の新規口座開設数では銀行業界トップクラスにまで増加しています。

また、非金融事業者の金融事業への進出が次々と行われ、「金融」と「非金融」の垣根が曖昧になりつつあります。そのような状況下で、旧来の銀行業務の枠にとどまらず、お客さまのニーズに寄り添ってサービスを提供していくため、「脱銀行」を掲げて非金融ビジネスを推進し、「デジタル子会社」と呼ぶ様々な非金融事業子会社を設立しています。こういった取り組みを通して、「社長製造業」というコンセプトのもと、次々と新しい事業に挑戦しています。

DX推進を支える体制としては、グループ全体のデジタル戦略を担う部署として2020年4月にデジタルソリューション本部を設置するとともに、各事業部門組織内にもDX案件を推進する組織を設置することで、トップダウン・ボトムアップの双方から事業創出に対応しています。また、システム開発部隊としてSMBCグループのITを担う日本総合研究所にDXシステム本部を組成し、アイディエーションから開発まで一気通貫で対応可能な体制を整備しています。

DX銘柄発表会レポート

5月27日に開催された「DX銘柄2024選定企業発表会」では、「DX銘柄2024」および「DXグランプリ企業」、「DX注目企業」、「DXプラチナ企業2024-2026」の選定企業が発表されたほか、基調講演・パネルディスカッションが行われました。

SMBCグループからは、執行役社長 グループCEO 中島 達氏と執行役員 デジタルソリューション本部長 白石 直樹氏が発表会に出席しました。

「DX銘柄2024」には、SMBCグループを含む以下の25社が選定され、そのうちの3社が「DXグランプリ企業」に選ばれました。

<選定企業一覧表>

DX銘柄2024(業種順 証券コード順)
証券
コード
法人名 業種
2871 株式会社ニチレイ 食料品
3591 株式会社ワコールホールディングス 繊維製品
3407 旭化成株式会社 化学
4568 第一三共株式会社 医薬品
5108 株式会社ブリヂストン ゴム製品
5201 AGC株式会社 ガラス・土石製品
5411 JFEホールディングス株式会社 鉄鋼
6367 ダイキン工業株式会社 機械
6645 オムロン株式会社 電気機器
6841 横河電機株式会社 電気機器
7259 株式会社アイシン 輸送用機器
9143 SGホールディングス株式会社 陸運業
9101 日本郵船株式会社 海運業
9201 日本航空株式会社 空運業
9301 三菱倉庫株式会社 倉庫・運輸関連業
9434 ソフトバンク株式会社 情報・通信業
3132 マクニカホールディングス株式会社 卸売業
2678 アスクル株式会社 小売業
8316 株式会社三井住友フィナンシャルグループ 銀行業
8601 株式会社大和証券グループ本社 証券、商品先物取引業
8253 株式会社クレディセゾン その他金融業
4544 H.U.グループホールディングス株式会社 サービス業

出所:経済産業省

DXグランプリ2024(業種別)
証券
コード
法人名 業種
5938 株式会社LIXIL 金属製品
7011 三菱重工業株式会社 機械
7936 株式会社アシックス その他製品

出所:経済産業省

DX銘柄2024評価委員会委員によるパネルディスカッションでは、インプレス 編集主幹 兼 IT Leadersプロデューサーの田口 潤氏がSMBCグループに言及し、「今回の審査の中で印象的だったのが、SMBCグループの社長製造業という取り組み。多数の会社を自ら作って、少しずつ金融以外の領域にも広がっています。他の企業に出資するケースはよくありますが、自社内で積極的に会社を作っているというのはインパクトがありました」と評価いただきました。

選定企業が業界全体のDXを牽引し、新たな付加価値の創出を期待

発表会の冒頭では、主催者を代表して、経済産業省 経済産業大臣政務官の石井 拓氏が挨拶しました。
「今回のDX銘柄2024に選ばれた企業には3つの特徴があります。第1に、真の意味でのDX。実際に企業価値を向上させた企業が多く選定されています。これは、今回新たにPBRを選定プロセスに活用したことによります。選定企業の株価変動率の平均値は、日経平均株価の変動率を大きく上回っています。第2に、DX推進を担う人材の育成・確保を重視していること。第3に、ステークホルダーへの積極的な情報開示です。今後、選定企業には、自社だけではなく、業界全体・サプライチェーン全体のDXを率先し、日本や世界でデジタルを活用した新たな付加価値を創出し続けていくことに期待しています」と話しました。

続いて、東京証券取引所 常務執行役員の川井 洋毅氏が挨拶しました。
「この10年弱の間に、DX銘柄も、企業経営とデジタル技術のあり方とともに進化を続けてきました。今回選定された企業をはじめ、上場企業には、今後も進化するデジタル技術を通じて、変化する環境に柔軟に対応し、日本経済の成長を牽引する役割を担い続けていって欲しい」と述べました。

DXの推進は企業価値にも影響

「DX銘柄2024発表会」の後半では、DX銘柄2024評価委員会委員長であり一橋大学CFO教育研究センター センター長の伊藤 邦雄氏が「DXをてこにビジネスモデル、企業文化を変革し、企業価値を持続的に成長させる」と題し、基調講演を行いました。伊藤氏は、2023年の生命保険協会の調査データを踏まえながら「人材投資、IT投資、デジタル化の関心度については、企業よりも投資家の方が高かった。当然、投資家は企業価値の評価にあたって、企業のDXの取り組みは視野に入れているはず。」と伝えた上で、「DX銘柄2024」に選定されたことは企業価値の向上につながるとの見解を述べました。


SMBCグループでは、金融の枠を越えたお客さまのニーズに応えるべく、引き続きデジタル技術を積極的に活用してまいります。

DX
(Digital Transformation)

類義語:

  • デジタルトランスフォーメーション

「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の頭文字をとった言葉。「Digital」は「デジタル」、「Transformation」は「変容」という意味で、簡単に言えば「デジタル技術を用いることによる、生活やビジネスの変容」のことを指す。

オープンイノベーション
(Open Innovation)

類義語:

製品開発や技術改革、研究開発や組織改革などにおいて、自社以外の組織や機関などが持つ知識や技術を柔軟に取り込んで自前主義からの脱却し、市場機会の増加を図ること。