DXへの取組
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企業の課題解決に資する情報を提供。「Business Navi」が目指すオウンドメディアの形

脱炭素経営」「DX」「人的資本経営」など、注目のキーワードをもとに、ビジネスに役立つ幅広い情報を掲載しているSMBCグループのメディア「Business Navi」。情報発信にとどまらず、SMBCグループのさまざまなサービスにおける営業支援の役割も担うメディアとして、グループ内外で注目を集めています。

スタートから2年半の歳月を経た「Business Navi」の現在地と目指す先について、三井住友銀行 法人デジタルソリューション部 戦略企画グループの佐野 令奈氏と清水 史恵氏に伺います。

ビジネス上の疑問解消に役立つ、さまざまな記事を配信

Business Naviを始めた時期、経緯、ターゲットおよび狙いについて教えてください。

佐野Business Naviは中小企業の経営者、中堅・大企業のDX担当者などに向けた情報配信メディアとして、2022年2月にローンチしました。ビジネス上の疑問の解消に役立つさまざまなテーマの記事を配信しており、2024年8月末時点で143記事を掲載しています。

Bussines NaviTOPページ

ビジネスに役立つ情報提供という観点に加え、記事をきっかけにお客さまの課題解決につながるSMBCグループのサービスを知り、活用いただきたいという狙いもあります。SMBCグループは多様なサービス、ソリューションを提供していますので、それに伴い、幅広いテーマの記事を掲載しています。

SMBCグループの各種サービスを訴求するため、記事ではどのような工夫をしていますか?

佐野記事を閲覧することがきっかけとなり、ニーズを喚起することで「自分ゴト化」できるような工夫をしています。具体的には、その記事で訴求したいサービスを実際に導入したお客さまの事例紹介ページへの誘導や、関連するホワイトペーパー(お客立ち情報)やウェビナー情報を掲載することです。昨年公開した、SMBCクラウドサインの導入を狙った電子契約の解説記事では、実際にSMBCクラウドサインを導入して業務効率化につながったという、DX-link内の神戸市沖縄銀行の事例紹介記事への導線を設けました。両記事とも、電子契約に切り替えたことでどのような効率化ができるのか具体的にイメージできる内容で、電子契約導入までのステップも分かりやすく想起できるため、よりサービスへの理解が深まると考えています。

株式会社三井住友銀行 法人デジタルソリューション部 戦略企画グループ
佐野 令奈氏

SMBCグループが提供する各種サービスへの興味関心を高める

どのような体制やプロセスで記事を制作しているのでしょうか?

清水注力していきたいテーマに沿って、関係部署やグループ会社、外部企業と協力して記事を制作しています。まず公開中の記事のキーワードや検索エンジンでの検索ボリュームなどを勘案して、記事の元となるキーワードの調査を行います。そこから、SMBCグループのサービスとの関連性を意識してキーワードを選定し、記事を作成しています。

また、SMBCグループのオウンドメディアですから、情報の信憑性や事実確認にはかなり気をつけています。法律が関わる部分には弁護士の先生に監修をお願いしていますし、専門的な情報が含まれる記事は所管の部署に確認していただくなど、複数人の目を通して記事を詳細に確認しています。

株式会社三井住友銀行 法人デジタルソリューション部 戦略企画グループ
清水 史恵氏

現状、毎月の新規記事としてどのくらいの本数をアップしているのでしょうか。またPV数などの成果について教えてください。

清水2カ月に1回の頻度で、6本ほど新規記事を公開しています。PVは毎月20万程度ですが、今期に実施したサイトのリニューアルでユーザーが自ら必要な情報や記事を探しやすい構成に変えることで、さらなるPVの向上を見込んでいます。これまでは記事がメインのサイト構成でしたが、ユーザーがSMBCグループのサービスに興味を持ってもらうためにホワイトペーパーをダウンロードできるページを新たに設けました。記事を読んでサービスに興味を持ったユーザーに資料をダウンロードいただき、より深くSMBCグループのサービスについての理解を深めてもらえるような構成です。また、記事をきっかけにビジネス上の課題解決に資するサービスへの興味関心を高めることで、関連するSMBCグループのサービスサイトもあわせて閲覧いただいています。

佐野単に記事を出すだけではなく、その記事が目的としているサービスの訴求につながっているのか否か、効果検証することも大切です。足元では、サイト構成を変えることでユーザーの回遊性を高めたり、記事を読み進める中でユーザーが欲しい情報や記事を探索しやすい導線にしたり、UI改善にも力を入れています。該当サービスを魅力的に訴求できるバナーを作成したり、コンバージョンまでの導線をよりスムーズにしたり、資料請求フォームの入力項目を負担のない数にしたり、見直すべきUIは数多くあります。そういった検証も今後は注力していきます。

どのような読者に読まれていますか?読者からの反応などがあれば教えてください。

清水中堅・大企業のDX担当の方に多く訪問、閲覧していただいています。先日、Business Naviのブランディングについての記事をご覧いただいたお客さまより、「より詳しい戦略の立て方について教えてほしい」というご相談をいただきました。また、全PVの9割が検索エンジン経由という特性上、当行に口座をお持ちでない方にも閲覧いただいています。

佐野「脱炭素」「脱炭素経営」というキーワードは非常に注目されていますね。CO2排出量の開示については取引先から要請されることもありますし、多くの企業にとって無視できない問題です。Business Naviの記事がきっかけとなって、脱炭素経営についてお問い合わせいただくお客さまも徐々に増えています。

やはり「脱炭素」は注目のキーワードですか。

佐野そうですね。それ以外ですと「人的資本経営」も関心度の高いワードです。2023年3月期から、上場企業は有価証券報告書での人的資本の情報開示が義務化されました。今後は上場企業以外にも対象が広がる可能性があるので、先を見越してのニーズが発生していると思われます。

ユーザーがビジネス上で抱える課題の発端は、制度や法令の改正をはじめとする外部要因もあれば、「もっと業務を効率化したい」「人材不足なので一人ひとりのパフォーマンスを上げたい」といった内部要因まで、さまざまです。前者については「○年○月までに○○をやらなければならない」といった形で定められた期限があるので、その解決に資する情報提供には注力していきたいと考えています。そのような観点で、いま多くのユーザーが課題感を持っているであろう事柄を注力テーマとして、関連するキーワードで記事制作を行っています。

時流のキーワードの解説記事は定期的な見直しが必要だと思いますが、そういった修正もしているのでしょうか?

佐野そうですね。記事の内容自体が古くなってしまうこともあるので、制度や法令が改正されればそのタイミングでアップデートしますし、SEOの観点で検索上位に表示されるよう見出しを追加したり、書き換えも定期的に行っています。

顧客のビジネスの成長にとって欠かせないメディアに

これまで反響の大きかった記事、PVの多かった記事について教えてください。

佐野継続的にPVが高いのはDX関連の記事ですね。DXが進まずに古いシステムを抱えた企業が2025年以降に直面する壁について、政府は「2025年の崖」という言葉で表していますが、この「2025年の崖」問題についての解説記事は安定的にPVを伸ばしています。もう一つはサステナビリティ関連の記事です。世界的な脱炭素の流れにともない、「GHG(温室効果ガス)」「CO2削減」といったワードも頻繁に検索されています。

今後、Business Naviをどのように育てていく予定でしょうか?

佐野私は昨年の4月からBusiness Naviを担当していますが、コンテンツの拡充を優先していたローンチ当初と比べて、昨年度からは成約や送客も意識したサイトにすべくUIの改善に力を入れています。その成果として、昨年度の途中から徐々に成約につながるメディアになってきました。Business Naviには営業支援の機能も期待されていますので、お客さまのビジネスの成長にとって欠かすことのできないオウンドメディアに拡大させたいと考えています。

そのためにさまざまな経営、業務上の課題解決に役立つコンテンツを継続的に提供して、関連するSMBCグループのサービス導入を契機に、お客さまのビジネスの成長、拡大につながる成功事例を数多く創出することを目指します。将来的にはBusiness Naviだけではなくて、グループ内に存在するさまざまなメディアが有機的に連携をして、ユーザーに対してより価値のある情報発信ができる体制を構想しています。そして、Business Naviがその中核を担えるような企画を生み出していきたいですね。

PROFILE
※所属および肩書きは取材当時のものです。
  • 株式会社三井住友銀行 法人デジタルソリューション部 戦略企画グループ

    佐野 令奈氏

    2015年に三井住友銀行に入行し、中小企業向けの法人営業に従事。2017年よりグローバルビジネス推進部にて商品企画・システム開発業務を経て、2020年より決済企画部にて法人向けデジタルマーケティングの体制立ち上げに関与。2023年4月より現職。

  • 株式会社三井住友銀行 法人デジタルソリューション部 戦略企画グループ

    清水 史恵氏

    2022年に三井住友銀行に入行し、中小企業向けデジタルサービスの企画・セールスに従事。2023年4月より現職にて、オウンドメディア運営、MAツール運用などに携わる。

カーボンニュートラル
(Carbon Neutral)

類義語:

  • 脱炭素

温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること。「全体としてゼロに」とは、「排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする」ことで、現実には温室効果ガスの排出量をゼロに抑えることは難しいため、排出した分については同じ量を吸収または除去する。

DX
(Digital Transformation)

類義語:

  • デジタルトランスフォーメーション

「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の頭文字をとった言葉。「Digital」は「デジタル」、「Transformation」は「変容」という意味で、簡単に言えば「デジタル技術を用いることによる、生活やビジネスの変容」のことを指す。

GHG
(Greenhouse Gas)

類義語:

  • 温室効果ガス

Greenhouse Gasの略称であり、地球の温暖化現象を引き起こす気体のこと。 大気中の温室効果ガス濃度が増加すると、地球表面の温度は上昇するため、地球温暖化の主な原因とされている。