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2026.06.18更新

新規事業の本質は「意志」。守屋実が語る、十中八九の失敗を超える力|Podcast『共創前線』

「新規事業」とは一体何なのか?
起業家として新規事業を立ち上げる、大企業の中で新規事業を推進する——。そんな挑戦者たちが語り尽くすPodcast番組『共創前線 ~イノベーション・カタリストたちの作戦会議~』。

番組では毎回、新規事業を推進するビジネスパーソンをお招きし、事業創造のプロセスやその思いなどについて、さまざまな角度からお話を伺っていきます。

連載:Podcast『共創前線』

  1. 新規事業開発の舞台裏に光を当てる。SMBCグループ発Podcast「共創前線」始動
  2. 新規事業の本質は「意志」。守屋実が語る、十中八九の失敗を超える力|Podcast『共創前線』
共創前線イノベーション・カタリストたちの作戦会議

表舞台では語られることの少ない新規事業・事業共創の意思決定の舞台裏を深掘り!新規事業・事業共創の意思決定の舞台裏を深掘り!

初回のゲストは、新規事業の「プロ中のプロ」として知られる新規事業家®の守屋実氏。三井住友銀行 デジタル戦略部の本間悠暉氏、番組パーソナリティの片桐千晶氏が聞き手となり、全4回にわたり、新規事業の本質から実体験、今後の展望まで幅広く語っていただきました。本記事では、第1回「新規事業の本質は『意志』。10勝90敗でも前に進む人の共通点」本編を書き起こしで紹介します。あわせて、第2回以降のトークテーマも掲載していますので、気になるテーマはぜひPodcast本編でお楽しみください。

#01 新規事業の本質は「意志」。10勝90敗でも前に進む人の共通点

片桐番組最初のゲストは、新規事業家®の守屋実さんです。守屋さんは、ミスミ入社後、新規事業の専門会社を創業し、複数事業の立ち上げおよび売却を実施。2010年、守屋実事務所を設立。ラクスル、ケアプロの立ち上げに参画し副社長を歴任。2018年にはブティックス、ラクスルを2カ月連続で上場に導くなど、まさに新規事業のプロ中のプロです。

守屋「プロ中のプロ」というと、失敗しないと思われるかもしれませんが、少しミスリードだと思っています。例えば世の中の人が1勝9敗だとしたら、僕は10勝90敗くらいやっているわけですよ。だから、打席数が多いから結果も出しているわけです。なんでもかんでも上手にできるというわけではなく、量稽古しているという話です。今もめちゃくちゃ失敗しています。

本間打席数が多いとはいえ実績も出されていて、私から見ると新規事業の怪物だなと。

守屋私は20年間で17回連続、新規事業の辞令だけが下りました。これほど長く「新規事業」をやっている人は、自分以外に会ったことがない。同じような人がいないから、結果が出ているように見えるだけかもしれません。

片桐第1回のテーマはズバリ、「新規事業とは何なのか」です。そもそもの質問ですが新規事業に定義はありますか?

守屋よく聞かれますが、定義から入ると学生や学者、評論家になっちゃうと思うんです。たとえば僕が定義したとして、それをノートにメモをとるような人は事業を立ち上げられないと思います。そこに気持ちが集中しちゃうと違うのかなと。いろんな説明の仕方があって、全部正解なんじゃないかと思います。

片桐では、どういうタイミングで起業しようと思うのでしょうか。

守屋起業という手法が最適なら、やったらいいと思います。自分がやりたいことがあって、それをやる時に独立起業した方がいいのか、社内起業か、大規模な資金調達か、NPOか、個人のお金でやるかは、やりたいことによります。やりたいことが決まると、ありとあらゆることが決まってくる。決まらないと何もかもが決まらないですよね。

片桐最適なタイミングの見極めも、難しそうですよね。

守屋世の中には起業した人はたくさんいるので、一緒に考えたらいいんじゃないですかね。起業したことのある人とつながって、自分のやりたいことを話し、会話をして考え、手足を動かしていけば自ずと決まっていくと思うんです。手順書やマニュアルで事業が立ち上がったら苦労しませんから。

片桐守屋さんご自身は、「これで起業しよう」と思うタイミングは、どういう時ですか?

守屋起業しようとは別に思っておらず、株式会社にしておいた方が良さそうだなと思ったら、新株発行してリスクマネーを集めるという話です。「やりたいこと」がいつも先。大企業で職務として辞令がおりて、何をするのか決まっていないけれども、やり方をずっと聞いている人がいますが、それはどうかなと。行き先がないのに、乗り換えアプリに「最も早いのはどれですか?」と聞いているようなものですから。

片桐新しいビジネスモデルは、どういう時に思いつくものですか?

守屋ビジネスモデルというのは、自分が喜ばせたいお客さまがいたり、インダストリーを刷新したいと思っていて、どうしたら最適な方法でやれるかを一生懸命考え、行き着いたものが整理するとビジネスモデルになるだけだと思うんです。思いついた人じゃなくて「やり切った人」がすごいんですよ。

例えば僕はラクスルという会社の立ち上げをしましたが、そもそもラクスル的なものをミスミの時代に考えていました。でも、当時はインターネットがない時代で、諦めていた。ある時、ラクスルの創業者の松本さんと出会って「ネットでやる」と言われて、ネットだったらできるかもと思ったんです。

だからビジネスモデルとかビジネスアイデアというのは、みんな考えています。ただ何らかの理由で、まだ世の中にインパクトを出せていないというだけ。それよりも、「やり切ること」が大切です。

本間アイデアが法の改定や技術の革新によって現実化することもあるでしょうから、タイミングも大事ですよね。

守屋AIなんかは、まさにそうです。今まではできなかったけれども、何かが突破口になって初めてできるということはありますね。

片桐では、新しい事業を思いついたら、何から始めたらいいですか?

守屋本当にやりきるつもりがあるのか、良い結果にならない場合でもへこたれないか、まずそれを確認した方がいいです。そしてお客さまと話をしてみる。良い結果にならないことも当然ありますが、それでもへこたれないか、逆に「やり切ってみせる」という情熱に火がつくのか。自分の心の奥底にある物差しで測った方がいいと思います。

本間やりたいことがまずあって、その上でこれは本当にやるべきものなのかということを、自分の足で確かめながら確信に変えていくということですね。

守屋はい。新規事業は十中八九うまくいかないです。でも十のうち一つはうまくいく。「本当にやりたい」という、自分自身のエンジンがないと途中で止まってしまいます。

逆に言うと「やり続ける」という止まらないエンジンがあって、十のうち一か二という確率論を飲み込めたら、かなり成功するということですからね。

片桐では起業する際に、これだけは!という大事なポイントはありますか?

守屋ちゃんとした「意志」を持つことです。起業という字は「己が走る」と書く。だから走って、走って、走りまくる。

僕は、運は全員に等しいと思っています。「運」というのはめちゃくちゃ微細なものですが、信じられないぐらい運動量を増やすと、夢が叶う。だから運動量は大切だと思っています。十のうち一つはうまくいくんだから、それを乗り越えられるぐらい頑張ればいい。一人で頑張ると心が砕けるから仲間も必要ですよね。そこがスタート地点だと思います。

本間実は、今回このPodcastをやらせていただく中で、開始に至るまでには荒波もありました。そうした中で今日を迎えられたのは、逆境に負けずにやっていこうというと意志、共感してもらえる仲間がいたからこそです。今の話を聞いて改めて意志の大事さ、共感する仲間の大事さというのを感じました。

守屋そうですよね。自らの意志がまず一番大事で、二番目に場と仲間、三番目にやり方、です。

片桐今番組をお聞きのリスナーの方の中にも起業しようと考えている方もいらっしゃると思いますが、守屋さんからアドバイスがあるとしたら何でしょうか?

守屋本当にしたいと思っているなら、一歩踏み出したらいいんじゃないですかね。ぜひ周りの起業経験者を巻き込んで話をしながら、2歩目3歩目を探してもらえたらと思います。

片桐最後に、守屋さんが考える新規事業の本質とは何でしょうか。

守屋やっぱり自分の意志だと思いますけどね。意志ある所に道は拓ける。意志があると周りの人も共感して、共に歩んでくれたり、先を行った人がアドバイスをくれたりする。最も大事なのは意志で、そこからいろんなものが紐づいて進んでいくと思います。

本間最初に意志があり、それに共感する仲間を得て、その中で適切な手段を選ぶというところ、自分の経験からしても納得感がありますね。まず自分が何をやりたいかというところから、新規事業が始まるというところを改めて感じました。



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続きは以下のテーマで話を深掘ります。ぜひPodcast本編にてお楽しみください。


連載:Podcast『共創前線』

  1. 新規事業開発の舞台裏に光を当てる。SMBCグループ発Podcast「共創前線」始動
  2. 新規事業の本質は「意志」。守屋実が語る、十中八九の失敗を超える力|Podcast『共創前線』

PROFILE※所属および肩書きは取材当時のものです。

  • 株式会社三井住友銀行 デジタル戦略部

    本間 悠暉氏

    2018年、株式会社三井住友銀行に入行。中堅・中小企業を中心に法人営業を担当した後、2023年よりデジタル戦略部にて、新規事業の開発や自社開発プロダクトのマーケティングおよび事務企画を経験。現在は同部にて、Podcast「共創前線」やオウンドメディア「DX-link」等の情報発信の企画運営に従事。

  • フリーアナウンサー

    片桐 千晶氏

    山形県寒河江市出身。2005年、秋田テレビ入社。2011年フリーに転身。2013年1月からTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」のアシスタントを6年間務め、ラジオを中心に出演番組多数。

  • 新規事業家®

    守屋 実氏

    ミスミを経てミスミ創業者田口弘氏と新規事業開発の専門会社エムアウトを創業。2010年守屋実事務所を設立。ラクスル、ケアプロの創業に副社長として参画。2018年ブティックス、ラクスル、2か月連続上場。博報堂、JAXAなどのアドバイザー、東京科学大学客員教授、内閣府有識者委員、山东省人工智能高档顾问を歴任。

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資金調達

類義語:

  • ファイナンス

事業継続や成長に必要な資金を確保すること。銀行借入や社債発行による「デット」、株式発行による「エクイティ」、資産売却による「アセット」等の手法がある。コストや財務状況を考慮した最適な調達手段の選択が重要。

AI
(artificial intelligence)

類義語:

  • 人工知能

コンピュータが人間の思考・判断を模倣するための技術と知識体系。

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