Vol.3 スタートアップ支援 SMBCグループ一体で取り組むスタートアップ支援の狙いとはVol.3 スタートアップ支援 SMBCグループ一体で取り組むスタートアップ支援の狙いとは

SMBCグループ 中期経営計画 〜幸せな成長へ〜
提供:SMBCグループ

新たな中期経営計画「Plan for Fulfilled Growth」を策定し「質の伴った成長」を目指すSMBCグループが、経済的価値の追求と社会的価値の創造を目指す中で、スタートアップ支援を強化している。スタートアップをSMBCグループが一体となって支援することで、どのような価値を創造しようとしているのか。具体的な内容と狙いについて、フリーアナウンサーの宇賀なつみ氏が話を聞いた。

※本記事は2024年1月31日に日経電子版広告特集で公開されたものです。掲載内容は公開当初のものであり、最新情報と異なる場合があります。

スタートアップへの支援で
グループ基本方針の実現を

宇賀なつみ氏
フリーアナウンサー
宇賀なつみ氏

宇賀 SMBCグループ一体でスタートアップの支援強化に取り組んでいるとのことですが、新たな中期経営計画ではどのように位置づけられているのでしょうか。

高橋 SMBCグループとして3つの基本方針を策定しています。「経済的価値の追求」、「社会的価値の創造」、そして「経営基盤の格段の強化」です。スタートアップ支援は、この3つの基本方針の全てにとって非常に重要な位置づけです。

今では世界的な大企業になっているお客さまも、過去はスタートアップであり、そのときから支援させていただいたことで密接な関係を構築することができたケースもあります。スタートアップの成長を支援し、新たなお客さまを生み出していくことが銀行自身の成長エンジンになります。

また、スタートアップの多くは社会課題を解決することで価値を創造しようとしています。スタートアップを支援することは、社会的価値の創造に貢献することにつながり、産官学金の様々な顧客基盤を有する我々金融グループの責務であると考えています。

高橋潤氏
株式会社三井住友銀行
成長事業開発部長
高橋潤氏

佐伯 SMBCグループの中期経営計画では「幸せな成長」への貢献を掲げ、グループとして取り組むべき5つの重点課題を挙げています。これら重点課題は、SMBCグループとしてこれまでも取り組んできたことですが、スタートアップも同様に高い志を持ってこうした課題解決に取り組もうとしています。SMBCベンチャーキャピタルは、そういった企業をSMBCグループ一丸となって支援することで、社会全体により大きいインパクトを与えることを目指しています。

高橋 5つの重点課題の一つである「日本の再成長」の一丁目一番地は、スタートアップ支援ですが、その他の重点課題である、「環境」・「DE&I・人権」・「貧困・格差」・「少子高齢化」にもスタートアップ支援は関係しています。SMBCグループがスタートアップを支援し、マインドも含めて醸成していくことが、日本経済や社会課題の解決に大きな成果をもたらすと考えています。

佐伯友史氏
SMBCベンチャーキャピタル株式会社
代表取締役社長
佐伯友史氏

スタートアップに必要な
あらゆる支援を提供

宇賀 SMBCグループが支援してくれることはスタートアップにとっては心強いですが、具体的にどのように支援していくのでしょうか。

宇賀なつみ氏

高橋 銀行は「決算書」という過去の実績を見て融資の判断をしてきましたが、スタートアップは新しい企業のため、過去の実績がありません。そのため、経営者や事業の将来性を見ることが求められるため、判断する視点が180度変わってきます。そこでSMBCでは、昨年度から審査部内に専門ラインを新設したり、スタートアップの事業を社内で客観的に判断するための「新たな評価モデル」を導入するなど、スタートアップ向けの融資であるベンチャーデットを行う体制強化を進めてきました。

また、新株予約権を活用してお客さまとともに成長する関係を構築する「新株予約権付ローン」や、その延長線として、複数の金融機関と連携してスタートアップの資金調達の大型化に対応するため、「新株予約権付シンジケートローン」といった商品開発も行っています。

高橋潤氏

佐伯 SMBCベンチャーキャピタルとしては、過去数十年にわたりスタートアップへの支援を行ってきましたが、中期経営計画で重点課題が明確化されたことで活動に拍車がかかっています。

スタートアップは、志は高くても資金が不足しているケースが多くあります。ベンチャーキャピタルとして、エクイティ(資本)でそうした企業を支援しています。特に、経営者の志や人物像が重要であると考えています。ただし、いきなり大きなエクイティを提供するのではなく、成長のステージごとに支援を増やしていくようにしています。

高橋 SMBCとしても、融資業務以外に成長ステージに応じた支援を行っています。一つが成長のきっかけづくりです。SMBCの最大の資産である約10万社の顧客基盤を生かして、研究開発や販路拡大のためのビジネスマッチングを推進しています。

また、スタートアップの成長支援を行うプラットフォーム、「未来X(mirai cross)」を運営し、これから起業をする方から成長過程にあるスタートアップに対して、研修やピッチコンテストなどによるアクセラレーションプログラムや事業会社との事業開発や協業を支援するための協業サポートプログラムなども行っています。

未来Xのコンセプト図
佐伯友史氏

佐伯 SMBCと同じく、資金提供以外の部分でも、SMBCベンチャーキャピタルとしてスタートアップの成長支援を行っています。SMBCグループのベンチャーキャピタルである当社の大きな強みとして、社員の大半がSMBC出身者であることが挙げられます。お客さまの役に立ち、信頼を育むことを第一とする文化の中で育ってきたことで、資金提供をする以外にも何か役に立てないかと常に考えるマインドが染みついています。その具体的な活動の一環として、SMBCと連携してグループのお客さまの紹介を積極的に行っています。将来のSMBCグループのお客さまのためにグループ全体で知恵を出し合い、スタートアップの成長支援に取り組んでいます。

佐伯友史氏
「SMBCベンチャーキャピタルは、SMBCグループのベンチャーキャピタルとして、資金提供以外の部分でも役に立てることはないか、グループ全体で知恵を出し合い、スタートアップの成長支援に取り組んでいます」(佐伯氏)

銀行とベンチャーキャピタルが連携して一気通貫で支援する

宇賀 これまでの手応えはいかがでしょうか。

高橋 中期経営計画では、スタートアップ向け投融資として3年間で1350億円という金額を目標にしています。この目標は、2022年度の投融資実績が約300億円でしたから、これまでの1.5倍のペースで進めていくというイメージです。

ただ、これまでの取り組み強化を通じて、足元の投融資額はすごい勢いで伸びていて、今年度の上期実績では約360億円を超えました。引き続きグループ一体でのスタートアップ支援を強化していきます。

佐伯 これはまさに、SMBCグループとして覚悟を持ってスタートアップ支援に取り組んでいることが伝わっているのだと思います。スタートアップにとってデットファイナンスはエクイティファイナンスほど定着しておりませんでしたが、5つの重点課題を解決するためにスタートアップを育てていこうという体制が整ってきました。

SMBCベンチャーキャピタルとして、種まきに徹するだけでなく、その芽を大きく育ててもいきたいと考えています。これができるのは銀行系であるSMBCベンチャーキャピタルならではの強みです。その取り組みの第一弾として、中期経営計画では投資先の成長をけん引するリード投資へ取り組みを始めています。銀行で金融に対する様々な素養を身につけてきたベンチャーキャピタリストが、中期経営計画で銀行と価値観を共有し、グループとして一気通貫でスタートアップ支援に取り組んでいます。

佐伯友史氏

高橋 エクイティファイナンスを行うベンチャーキャピタルはその企業の株主でもあり、経営者と同じ立場に立ってアドバイスやサポートができます。それだけスタートアップに入り込んだキャピタリストが様々なソリューションを持つ銀行と一緒にお客さまに向き合っているので、力強い支援ができていますし、今後も連携して取り組んでいきたいと考えています。

創業と成長の両面から
経済の活性化を促す

宇賀 今後の展開についてはどのようにお考えでしょうか。また、課題はどんなところにあるのでしょうか。

高橋 創業する力をどう生み出すのかが大きな鍵です。例えば、大学の研究室や研究機関にあるシード(種)をビジネスにしていこうとしても、身近に相談できる人がいないためになかなか立ち上げられないケースがあります。多くの経営者を知っている銀行として、創業するためにどうサポートできるかを常に考えています。

高橋潤氏
「創業する力をどう生み出すのかが大きな鍵です。この部分をどうサポートできるかを常に考えています」(高橋氏)

佐伯 どれだけテクノロジーに精通した志の高い起業家でも、それら技術・理念を社会実装できなければ社会課題の解決には至りません。しかし、自社のことは誰よりも深く知っている起業家でも、そのお客さまのことは深く理解できておらず、プレゼンが上手くいかず導入に至らないといったケースがあります。スタートアップと古き良き企業の双方を理解しているSMBCグループだからこそできるサポートを通じ、スタートアップの技術・理念の社会実装に貢献したいと考えています。

また、スタートアップの活動が大学や企業ごとなど個々の動きになりがちなのも、もったいないと感じています。枠を超えて連携することで、もっと大きなインパクトを生み出すことができるはずです。チームジャパンとして世界と戦えるスタートアップをサポートする方法も考えていきたいと思っています。

高橋 スタートアップは社会課題を解決することでビジネスを生み出しています。幅広く支援していくことが社会の重要な課題を解決するパーツを埋めることにつながります。我々はグループ一体となって、創業を促す「スタート」と、成長を促す「アップ」を組み合わせた支援を今後も展開していきます。

佐伯 私たちの目的は、「日本の再成長」に貢献することです。そのためには幅広い産業・ステージのスタートアップの支援・育成を行うことが重要であり、それら我々の活動の結果として、日本に素晴らしい企業が増えて経済の活性化につながることを目指しています。

Profile

左より高橋潤氏、佐伯友史氏、宇賀なつみ氏

佐伯友史氏

1986年に住友銀行(現三井住友銀行)入行。入行来30年超にわたり、幅広い規模の企業を対象とした法人営業業務に従事。複数の法人営業拠点長を経た後、2021年には専務執行役員として西日本の法人部門を統括。2023年5月にSMBCベンチャーキャピタルへ着任し、2023年6月より現職。

高橋潤氏

1994年に住友銀行(現三井住友銀行)入行。営業店に配属後、営業統括部(現ホールセール統括部)、総務部、SMBC日興証券、RM次長、法人営業部長を経て、2022年4月より現職。SMBCベンチャーキャピタル・マネジメントの代表取締役やSMBCベンチャーキャピタルの取締役も兼務し、デット・エクイティファイナンス体制整備をはじめとするスタートアップビジネス全般の企画・推進を指揮。

宇賀なつみ氏

2009年立教大学社会学部を卒業し、テレビ朝日入社。入社当日に「報道ステーション」気象キャスターとしてデビューする。「グッド!モーニング」「羽鳥慎一モーニングショー」等、情報・バラエティ番組を幅広く担当。2019年に同局を退社しフリーランスとなる。現在はテレビ朝日系「池上彰のニュースそうだったのか!!」、カンテレ・フジテレビ系「土曜はナニする!?」のメインMCを担当。TBSラジオ「テンカイズ」やTOKYOFM「SUNDAY'S POST」等のラジオパーソナリティにも挑戦している。

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