

貧困・格差
子どもへの教育・体験機会の提供に関する取組
日本では、7人に1人の子どもが相対的貧困状態にあるといわれています。親の経済的状況により、子どもは学習や体験の機会を失い、将来その子どももまた貧困に陥るという貧困が世代を超えて連鎖しています。SMBCグループではこの負の連鎖を断ち切るという使命のもと、教育・体験の格差解消を通じた支援を行っています。
ファイナンシャルインクルージョンへの取組
SMBCグループは、銀行口座を持たない個人や金融サービスを受けにくい事業体へ金融商品・サービスの提供を拡大すべく、ファイナンシャルインクルージョンの促進に積極的に取り組んでいます。例えば、インドネシアやインドのように、依然として金融サービスへのアクセスが不十分な層が比較的多い国において、SMBC Indonesia(SMBC92.43%出資)、BTPNシャリア(BTPN70%出資)、SMFG India Credit Company(以下、SMICC。SMFG100%出資)を通じて、「Driving Asia’s growth together アジアを一緒に加速する」の想いの元、様々な取り組みを行っています。
SMBC Indonesia、BTPNシャリアの主な活動としては、中小規模事業体等へのファイナンスの提供、口座を持たないマス層への金融アプローチの拡大、モバイルバンキングやエージェントバンキングなどの銀行支店が不要な金融サービスの推進、低所得層への金融リテラシー教育の提供などを行っています。
また、SMICCでは日々の生計を立てるためのマイクロファイナンスに類似するグループローンを始め、中小規模事業体やマス層への無担保ローン、不動産担保ローンなど人生フェーズに寄り添った金融商品を取り扱っています。加えて、インドの持続可能な発展に貢献するため、金融サービスの提供に止まらず、CSR活動を通じた生活水準の向上に役立つサービスとスキルの提供にも注力しています。
中小規模事業体等へのファイナンスの提供
SMBC Indonesiaは、中小規模事業セクターの発展へ注力してきました。金融面では、SMBC Indonesiaは中小規模事業体などへのファイナンスを通じて健全な社会的ポートフォリオの構築をしています。
金融以外にも、SMBC Indonesiaは中小規模事業体のお客さまに対してマーケットへのアクセシビリティの提供を目的としたトレーニングプログラムを用意しています。例えば、オンラインやオフラインチャネルを通じて、デジタルバンキングなどのビジネストレンドと事業成長のノウハウ等を情報提供しています。
農村部の女性に向けた金融サービスへのアクセシビリティの提供
BTPNシャリアは、イスラム金融の教義に則った「シャリアバンク」として、インドネシアで唯一農村部の個人のお客さまに焦点を当てたシャリアバンクであり、特に農村部の内職等の家業を営む女性にフォーカスしています。
BTPNシャリアでは、お客さまが来訪する一般的な銀行の支店とは異なり、銀行員がお客さま宛に訪問します。地域担当者が2週間に一度、地域コミュニティへ足を運び、入出金取引・預金の集金や融資の実行・返済を現金ベースで行っています。資金取引は10~25人前後のグループのお客さまの目の前で実施され、お客さまの共同責任意識の醸成に繋がっております。

金融包摂のためのデジタル経済圏の構築
BTPNシャリアは、上記現金ベースの業態のほかに、モバイルバンキングやエージェントバンキングを通じた金融サービスも提供しています。お客さまは携帯電話、または携帯電話をお持ちでないお客さま場合はBTPNシャリアのエージェントを通して、電話料金などの請求書の支払い、現金の預け入れや引き出し・送金などの資金取引を行うことができます。
このサービスによって、BTPNシャリアはインドネシアの開拓されていない農村部、もしくは遠隔地などへの金融アクセシビリティの提供を行っています。
インドの地方農村部でのマイクロファイナンス提供
SMICCの地方農村部でのRural事業では、インド国内各地に550以上の拠点を展開し、金融アクセスの乏しい農村部に居住する女性のお客さまの様々なニーズに対応するため、グループローンを提供しています。グループローンでは同じ村で生活している10人程度の女性が1つのグループを組成し、共同責任の下、借入を行っていただいております。グループローンのお客さまは、その資金を元手に日用生活品の小売や衣類の装飾・販売など、様々な商売に取り組むことで、収入が向上し、衣食住の質を改善する機会を得ることにつながっています。
インドでのCSRプログラム
SMICCでは、ファイナンスの提供にとどまらず、「Healthcare」「Livelihood」「Environment」「Education」という4つの柱を中心にCSR活動を展開し、地域コミュニティを支援しています。例えば、農村部に暮らす人々の主要な収入源の一つとして酪農業などを支える牛のケアイベントには、従業員4,500名が参加し、1日で12万頭の牛の健康診断を行い、1日にケアした牛の頭数で世界記録を更新しました。また、健康診断、眼科検診、女性向けの金融教育や職業訓練など、多岐にわたるプログラムを各地のNGO団体とも連携しながら提供しています。
CSR活動には多くの従業員が参加し、社会的インパクトの創出のみならず、従業員のエンゲージメント向上にも寄与しています。
フィリピンでの金融経済教育プログラム
フィリピンRCBC(Rizal Commercial Banking Corporation)では、SMBCグループの金融経済教育のノウハウを取り入れ、2023年より金融経済教育プログラムを開始しました。取引先従業員や将来のRCBCの顧客となり得る学生への、金融リテラシー向上のための支援及びCSR活動を目的としています。2023年9月の開始以降、2024年4月までに累計6,500名が参加し、今後も学生も含めた幅広い方々に対して実施していきます。