気候変動への対応

気候変動に関する基本的な考え方

気候変動への対応は、世界が喫緊に取り組むべき最も重要な社会課題の一つです。SMBCグループでは、ネットゼロ実現に向けて金融機関が果たすべき最大の役割は実体経済の脱炭素化への貢献と考えており、グループでのネットゼロの実現と両立させるべく取り組んでいます。

脱炭素化への最適な道筋は一通りではなく、国やセクターによって異なります。そのため、SMBCグループは単に高排出セクターから資金を引き揚げるというアプローチをとるのではなく、それぞれの状況を把握した上でお客さまのトランジションや技術革新を支えたいと考えています。お客さまの戦略やニーズを踏まえながら、新エネルギー・新技術へのリスクテイクや、トランジションファイナンスを始めとする、自社の強みを生かした支援を推進していきます。

ネットゼロ実現に向けた移行計画

SMBCグループは、自身が排出するGHG排出量(Scope1、2)および投融資ポートフォリオ全体でのGHG排出量(Scope3:ポートフォリオGHG排出量)をそれぞれ2030年・2050年までにネットゼロとすることを目指しています。
GHG排出量の算定(※1)においては、GHGプロトコルのコーポレート・スタンダードや金融セクター向け(※2)の方法論を採用しており、一連の目標と行動も「移行計画」として体系化しています。

※1 Scope1、2排出量については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社から限定保証を取得しています。

※2 Scope3排出量カテゴリー15(投融資先の排出量)の算定においては、”The Global GHG Accounting & Reporting Standard for the Financial Industry”およびParis Agreement Capital Transition Assessment(PACTA)で定められた方法論等を参照しています。詳細は「SMBCグループ サステナビリティレポート2024」をご覧ください。

ネットゼロ実現に向けた移行計画概要

(参考)ネットゼロの実現に向けた取組の全体像

気候変動への持続的な取組

SMBCグループ(以下、当社グループ)は国際的なサステナビリティ開示基準で推奨されるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4つの構成要素に沿い、気候変動に関する取組の方向性をまとめています。詳細については「SMBCグループ サステナビリティレポート」をご参照ください。

2023年度までの詳細は「SMBCグループTCFDレポート」をご覧ください。

気候関連リスク管理

SMBCグループは、ネットゼロ目標の達成に向け、ポリシー、ポートフォリオ管理、および個社・案件管理の観点から適切な管理を行っています。詳細は「SMBCグループ サステナビリティレポート」をご覧ください。

ポリシー

<セクター・事業に対する方針>

環境・社会に影響を与える可能性が高いと考えられるセクター・事業に対する方針を制定しており、2023年度には石炭火力発電、一般炭採掘、バイオマス発電事業に対する取組方針を強化・新設しました。

石炭関連セクター(一般炭・石炭火力)に関する取組

融資方針の厳格化やフェーズアウト戦略の策定に取り組んでいます。具体的には、石炭火力発電所および一般炭採掘事業における新規および拡張案件への支援を行わない旨を表明している他、貸出金の残高ゼロ目標を以下の通り設定しています。
(石炭火力発電)2040年度までに貸出金残高ゼロ
(一般炭採掘)OECD諸国で2030年度、非OECD諸国で2040年度までにそれぞれ貸出金残高ゼロ

バイオマス発電事業に関する取組

2023年度には、バイオマス発電事業に対する方針を新設し、木質バイオマス発電事業の新設および拡張案件に対しては、持続可能な燃焼材の使用を確認することとしました。

ポートフォリオ管理

<気候関連リスクアペタイト・フレームワーク>

グループ全体のリスク管理に関する枠組である「リスクアペタイト・フレームワーク」の中で、2023年度に気候関連のカテゴリーを新たに設定しました。中期削減目標を設定したセクターを中心にポートフォリオGHG排出量に関する管理指標を定め、当該目標達成に向けた管理を高度化しています。

個社・案件管理

<環境社会リスク評価>

大規模プロジェクト向けの支援については、環境社会リスク評価を実施し、評価結果を案件採り上げ判断に反映することとしています。

<環境社会審査の導入>

三井住友銀行では、2024年度より、従来実施してきたお客さまの環境・社会に関するリスクへの対応状況を把握するための取組を統合した「環境社会審査」を導入しました。今後、お客さまの環境・社会に関する取組やリスク緩和策を把握・評価した上で、従来の与信判断の高度化を通じたリスク管理の強化や、お客さまとのエンゲージメントに活用していきます。

環境社会審査の概要