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【36Kr・解説】2022中国メタバースの最前線、大手テクノロジー企業の動向レポート(後編)

前回のレポートに引き続き中国における「メタバース」の最新情報を紹介する。前編では、中国のメタバース市場の盛り上がりや投資状況、国や地方政府の政策などマクロな視点で情報を整理すると共に、中国のテクノロジー動向をみるうえで欠かせない、一部の大手中国テクノロジー企業の展開を紹介した。後編では、前編のバイトダンスに加え、テンセントやアリババ、バイドゥなどのテクノロジー大手企業各社の動向についても具体的な事例をもとに紹介する。

連載:2022年 中国メタバース最新情報

  1. 【36Kr・解説】2022中国メタバースの最前線、大手テクノロジー企業の動向レポート(前編)
  2. 【36Kr・解説】2022中国メタバースの最前線、大手テクノロジー企業の動向レポート(後編)

テンセント

テンセントの馬化騰(ポニー・マー)CEOは「エキサイティングな機会が到来し、10年にわたるモバイルインターネットの発展は、我々が「全真互聯網(現実世界の全てがインターネットに接続すること)」と呼ぶ次の時代を迎えようとしている」と述べ、メタバースに対する期待を述べている。テンセントは、メタバース展開における有利な条件を備えており、資本(買収と投資)とWeChat(微信)等のトラフィックを組み合わせたメタバース世界の模索と開発を進めると見られる。バックエンドインフラ(クラウドサービス、ビッグデータセンター)、基盤アーキテクチャ(ゲームエンジン「Unreal Engine」)、消費者向けのクラウドゲーム・エコシステム(START、GameMatrix)と、企業向けのインターネットデータセンター(テンセントクラウド)と、全面的な技術基盤を揃えていることも特徴。また、2012年にはエピック・ゲームズの発行済み株式48.4%を3億3,000万ドルで取得している。エピック・ゲームズの最先端リアルタイム3D制作ツール「Unreal Engine」は、業界のスタンダードとなっている2大ゲームエンジンの一つであり、開発者が仮想世界をレンダリングするのに活用される。コンテンツ/応用シーン分野では、WeChatやQQといった確固たる地位を築いたSNSを保有するだけでなく、世界最大のゲーム会社でもあり、メタバース分野では圧倒的優位に立っている。

  • WeChatとQQは、中国のインターネットユーザーをほぼ全てカバーする。2021年末時点でWeChatのユーザー数は12億6,800万、QQの月間アクティブユーザー数は5億5,200万。他に、コミュニティSNS、ライブ配信SNS、ショート動画SNSなど、新しいSNSにも積極的に参入している。メタバースSNSのSoul、ゲームライブ配信プラットフォームの虎牙(Huya)・闘魚(Douyu)の大株主となるなど、WeChatやQQがカバーしないニッチなSNS分野についても展開を進めている。
  • テンセントは、自社ゲーム部門に加え、グローバルな投資/買収により、世界最大のゲーム会社に成長した。テンセントは世界で最も人気のあるeスポーツゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」で名高いライアットゲームズの株式を100%保有。またエピック・ゲームズの株式の約40%を取得してゲームエンジンUnreal Engineを傘下に収め、フォートナイト等のゲームを提供。この他にもKRAFTONの株式11.5%、ユービーアイソフトの株式5%、アクティビジョン・ブリザードの株式5%を保有する。
  • テンセントは2020年2月、RobloxのシリーズGでの資金調達でコ・インベスターを務め、2021年7月13日、中国版Robloxの独占代理配信を開始した。
  • IP分野では、テンセント傘下の閲文集団(China Literature)は、中国インターネット界で最大のライセンス供与された電子書籍・文学IP育成プラットフォームとなっている。テンセントビデオとテンセントピクチャーズはそれぞれ中国を代表するストリーミングメディアプラットフォーム、映画・ドラマコンテンツ制作・配信プラットフォーム。テンセントミュージックとVRパフォーマンスサービスを提供するWaveは2020年11月に戦略的パートナーシップを締結し、バーチャルコンサートを展開している。
Wave バーチャルコンサートのシーン
出所:Wave XRの公式サイト

アリババ

アリババは、クラウド コンピューティングの基盤技術に強みがあり、EC領域でのユーザー体験の構築を進めている。

バックエンドインフラ分野:アリババクラウドは世界第3位、中国第1位のクラウドサービスプロバイダー。クラウドコンピューティングの基盤技術の蓄積をもとに、アリババはクラウドゲーミングなどメタバース領域へのソリューション展開が可能となった。

コンテンツ/応用シーン分野: EC 領域での研究を重ねる。

  • 2016年11月1日にタオバオにてVRでオンラインショッピングができるBUY+のサービスを正式に開始。BUY+はコンピュータグラフィックスシステムと補助センサーを利用して対話可能な3Dのショッピング環境を実現した。消費者はバーチャルの世界の中で、人や物と交流ができ、自分の生活シーンをバーチャル化できる。米国のMacy’sメイシーズ、COSTCO、Target、日本のドラッグストアチェーンであるマツモトキヨシ、日本のポップカルチャーコンテンツを世界に届ける Tokyo Otaku Modeの専門店などがBuy+に出現した。
    2021年7月、アリババはBuy+の技術をアップデートした。同社によると、Buy+の主な目的はVRを通じてオンラインショッピングの体験を強化することにあり、バーチャル店舗を通じて世界中を旅してショッピングしている感覚が得られる。
Buy+ におけるバーチャル上での買い物シーン
出所: タオバオVRオンラインショッピング「BUY+」の公式宣伝動画よりスクリーンショット
  • 2021年9月、バーチャルヒューマン「AYAYI」がアリババに就職し、ECモール「天猫(Tmall)」のセールイベント「天猫スーパーブランドデー」のナビゲーターに就任、メタバースのマーケティング世界を開拓した。「AYAYI」はその後、スワロフスキー、LV、ロレアル、ポルシェなどの有名ブランドとのコラボレーションを開始し、最もビジネス価値の高いバーチャルヒューマンの一人となったほか、ブランドがパートナーシップを求めるうってつけの人材となっている。
ポルシェとタイアップするAYAYI
出所:小紅書のAYAYI公式ページ
  • Tmallデジタルコレクションは、アリババが期待するメタバースの主要分野でもある。デジタルコレクションの高額競売を巡る小さな商業圏と異なり、Tmallデジタルコレクションはブランドに対してブランディング・ソリューションの提供が可能。デジタルコレクションは、ブランドのコアDNAや価値を表現し、ターゲット顧客を開拓するための優れた担い手となる。
  • デジタルコレクション、バーチャルヒューマン、ブランディングを大規模に組み合わせたメタバースの取組みは2021年のTモールダブルイレブンに実施された。「天猫ダブルイレブン第1回メタバース美術展」が正式に導入され、AYAYIはバーバリー、中国EV「小鵬汽車(Xpeng)」、白酒メーカーの「五粮液」などのブランドとメタバース空間に登場した。ブランドのコアDNAを体現する唯一のデジタルコレクションを発売すると、各ブランドの常連顧客やファンとなった新規顧客によって、あっという間に完売した。
Tモールと小鵬汽車によるデジタルコレクションの販売ページ
出所:小鵬のWeChat公式アカウント
  • 小鵬汽車(Xpeng)を例に挙げると、Tモールダブルイレブン第1回メタバース美術展では、セダン「P7」のシザードアのスタイルから着想を得て、ピアノカバーをゆっくり開くと音楽が流れるデジタルピアノを作成。同デジタルコレクションは1,000個限定で、購入したい場合はオフライン試乗に申し込む必要がある。今回のプロジェクトで、小鵬汽車(Xpeng)ではイベント期間中のオフライン試乗の予約率が50%を超え、従来の自動車販売チャネルに比べてマーケティング効果が高い結果となった。

バイドゥ

バイドゥは比較的早い時期からAI事業に参入し長年にわたってVR事業を展開、国内で初めてメタバースの応用を打ち出している。

AI分野:検索エンジンからAIチップ、AIオープンソースアルゴリズム、スマート運転など、AI応用シーン全般にわたり事業を展開しており、AIは基本的に同社の様々な事業に関わる。今後AI分野での技術蓄積がより豊かな応用シーンに広がることが期待される。

ハードウェア分野:企業向けのBaidu VRは教育、マーケティングなど垂直分野での展開に重点を置く。愛奇芸(iQIYI)傘下の奇遇VRは映画・ドラマコンテンツが豊富で、現在は高品質のゲームの導入に力を入れている。調査会社IDCによると、2021年第4四半期の奇遇VR のオムニチャネル売上高は前年同期比475.9%増、中国市場におけるシェアは22.5%に達した。

愛奇芸傘下の奇遇4K VR
出所:奇遇 VRの公式サイト

コンテンツ/応用シーン分野:バイドゥは中国初のメタバースアプリとして知られる「シーラン(希壌)」というソーシャルアプリをリリースした。2021年12月21日に対象を絞った内部テストを実施。正式発表前には一連の宣伝活動を行った。シーランでは、世界的に大ヒットしている中国のSF小説「三体」の宇宙空間を体験できたり、少林寺を訪れて武術を習得したり、中国の古代遺跡である三星堆遺跡で国宝を発掘したりすることができる。

同時にシーランはソーシャル機能も拡充しており、友達を加え会話したり動画をシェアしたりできる。シーランは話題性が高く、ローンチから瞬く間に人気を呼んだ。しかし、インタラクティブ性に欠けることやサードパーティーによるアプリ開発が伴わず、ユーザーは目的なく歩き回るしかないためすぐに関心が薄れ、期待の高さに比べユーザー評価は低かった。画像が粗く、アニメーションが動かないなどの課題も浮き彫りとなり今後の技術発展を期待する声も大きい。

バイドゥ「シーラン」アプリのバーチャルワールド
出所:百度VR(バイドゥ)の公式サイト

バイドゥはこうした課題を受けるも、メタバースへの期待は変わらず、その後も順調にシーランのダウンロード数を増加させると同時に、多くのパートナー企業やエンジニアをシーラン上で集めて、中国初となるメタバース空間での大型エンジニアイベント「2021年百度AI(人工知能)開発者大会(2021 Baidu Create AI Developer Conference)」を開催している。

ネットイース(網易)

ゲームでの優位性を強化すると同時にビジネス会議シーンにも参入し、バーチャルエコシステムを構築する。

基盤アーキテクチャ分野:ネットイースは、ブロックチェーンのスマートコントラクトに基づいて生成された革新的なゲーム内アイテム「伏羲通宝」を発表した。伏羲通宝は改ざん不可能かつ偽造不可能なゲームアイテムで、異なるサーバーやゲーム間でゲームの仮想資産を流通させるための一般的な等価物として使用できる。ネットイースは伏羲通宝の普及を通じて、ゲーム内仮想資産の管理に関する統一的な業界基準を確立することを目指している。現在、伏羲通宝は、ネットイースの代表的な武侠系の新作MMORPG「逆水寒」、国民的ファンタジーゲーム「新倩女幽魂」、3DファンタジーMMORPG「天諭(Revelation Online)」などで利用することが可能。

AI分野:2017年に設立された網易伏羲人工智能実験室は、ゲームやエンターテインメント向けのAI研究・応用を専門とする中国国内トップ機関。バーチャルヒューマン、AIアバター作成、AI創作、AIアンチチート、AI対戦マッチング、AI競技ロボットなど、業界トップレベルの技術を多数保有している。

ハードウェア分野:一般消費者向けARグラス「HoloKit」を中心とするハードウェアとソフトウェアが統合されたクローズドのエコシステムを作り、多くのビジネスシーンを活性化させるARコンテンツ制作管理プラットフォーム「網易洞見」と、ARプロジェクター「網易影見」を擁する。ハードウェアのHoloKitはまだ発売されていないが、網易洞見と網易影見は順調に進化しており、文化・旅行空間、デジタルマーケティング、スマート教育などの分野で広く利用されている。

コンテンツ/応用シーン分野:

  • ネットイースはMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)の制作・運営に長けている。MMORPGとメタバースには、バーチャルアイデンティティ、没入型ソーシャルシステム、独立した経済システムなど多くの共通点があり、このニッチな分野の研究開発・運営における強みがメタバース機能の基礎を形成している。
  • 次世文化(NEXT GENERATION)や世悦星承(StarHeir Technology)などバーチャルヒューマン分野の革新的な企業に出資し、バーチャルヒューマンのエコシステムで存在感を発揮する。
  • 網易伏羲はオフィスでの活用を積極的に開拓するメタバースプラットフォーム「瑶台」をリリース。現在瑶台は、国際学会、調印式、オンライン展示会、就職説明会など、さまざまな場面での応用が可能で、メイン会議場では最大500人を同時に収容できる。これまでに米国、日本、シンガポールなど20カ国以上のユーザー向けにイベントを開催している。
ネットイースの「瑶台」オフィス活用のイメージ
出所: ネットイース「瑶台」の公式サイト

ネットイースは、バーチャルヒューマン分野で先頭を走るスタートアップに積極的に投資している。2021年10月25日にはバーチャルヒューマンを活用するマーケティング会社「次世文化(NEXT GENERATION)」に投資。加えて、アバター・テクノロジー企業の Genies、仮想世界およびソーシャルネットワーキングサイトImvu、デジタルファッションを研究開発する「世悦星承(StarHeir Technology)」、バーチャルコンサートストリーミング企業の米Maestro、北京紅棉小冰科技有限公司など多くのメタバース関連企業に投資している。

小米(シャオミ)

スマートフォンがモバイルインターネット時代の重要な情報伝達手段の一つならば、VR/ARデバイスは次世代インターネットにおける主要な情報伝達手段となる。モバイル時代のトッププレイヤーである小米はVRハードウェアを発表。スマートフォンとスマートテレビで獲得したユーザー基盤を背景にクラウド対応ゲームにビジネスの軸を移している。

ハードウェア分野:2018年にOculusと提携し定価わずか1,499元(約3万円)のオールインワンVRヘッドセット 「Xiaomi VR」を発売、2021年にはスマートグラスを発売するなどハードウェア分野で存在感を見せる。

コンテンツ/応用シーン分野:クラウドゲームは、小米の大型スクリーンを介したメタバース空間の重要な要素を担っており、2021年には小米のスマートTVの販売台数は900万台と中国首位となった。チャイナモバイルと共同でクラウドゲーム「立方米」計画を発表し、スマートフォンとテレビで獲得したユーザーをクラウドゲームに取り込み、クラウドゲームのエコシステムをさらに強化していく。

小米は商業施設でのAR利用を狙う。ARショッピングシステムを独自開発し、(2022年)2月15日には「拡張現実技術ARに基づくショッピングナビゲーション方法、デバイス、システム」の特許が承認された。顧客がARデバイスを活用すると、最適なルートを計画し、目的地までナビゲーションを提供、商品を探すのを手伝い、どの高さの棚に商品があるかまで正確に教えてくれる。顧客が最初の商品を手に入れると、ナビゲーションは次の製品が何なのか、どの方向にあるかがすべて自動で提示される。

小米が特許を持つARショッピングのイメージ
出所:小米が国家知識産権局に申請した特許情報

2021年10月、小米は現実世界と仮想世界を融合させるXR(クロスリアリティ)の代表企業Sky Limit Entertainmentに投資、XR分野参入への足掛かりとし、5G+XR分野でのより広範なシーンでの応用を進める。Sky Limit Entertainmentは現在、上海ディズニーランドのディズニータウンで新たにVR体験施設をオープンする予定であるほか、北京首鋼「1号高炉」SoReal 5G XRハイパースペースを始め全国12都市でプロジェクトを展開する。 Sky Limit Entertainment のXRコンテンツ制作と技術開発の能力は、小米のメタバース分野における技術力を強化し、さらなる進化が期待される。

総括

大手テクノロジー企業は豊富なリソースを活かし、自社研究開発のほか買収や投資等の方法を通じてメタバース分野で多数の布石を打っている。世界的に見ると、現在メタバースの発展においては米国、中国、日本、韓国が優勢であり、それぞれに特徴がある。米国の基礎研究開発、特に基盤アーキテクチャ分野は最も優れている。韓国のメタバースは政府が率いており、バーチャルヒューマン分野での技術が先行しているほか、アイドル業界がアプリケーションシーンをけん引している。日本は豊富な2次元コンテンツ産業基盤とIPの蓄積があり、また応用例もゲームからビジネス会議といったシーンに広がりを見せている。中国最大の潜在力はユーザー基盤にあり、バックエンドインフラとAI分野で将来的に優位となる可能性がある。他にもサプライチェーンに強みのある中国はコストパフォーマンスの高いVRヘッドセットの製造でも発展余地が大きい。全世界規模で、メタバースの動向に目が離せない状況がしばらく続くとみられる。

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連載:2022年 中国メタバース最新情報

  1. 【36Kr・解説】2022中国メタバースの最前線、大手テクノロジー企業の動向レポート(前編)
  2. 【36Kr・解説】2022中国メタバースの最前線、大手テクノロジー企業の動向レポート(後編)
メタバース
(Metaverse)

類義語:

「Meta」と「Universe」から形成される造語で、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、3次元の仮想空間やそのサービス。

プラットフォーム
(Platform)

類義語:

サービスやシステム、ソフトウェアを提供・カスタマイズ・運営するために必要な「共通の土台(基盤)となる標準環境」を指す。

XR
(Cross Reality)

類義語:

  • Extended Reality

VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)・SR(代替現実)など、現実世界と仮想世界を融合して、新しい体験を作り出す技術の総称。

エコシステム
(Ecosystem)

類義語:

各社の製品の連携やつながりによって成り立つ全体の大きなシステムを形成するさまを「エコシステム」という。

IP
(Intellectual Property)

類義語:

  • 知的財産, 知的所有権

人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などで、 財産的な価値を持つ物を保護する権利を指す。

AR
(Augmented Reality)

類義語:

拡張現実と訳されるAugmented Realityの略で、現実世界とデジタル情報を重ね合わせ、CG等で作った仮想のものを現実世界に反映(拡張)させていく技術のこと。

VR
(Virtual Reality)

類義語:

  • 仮想現実,バーチャルリアリティー

コンピューターによって創り出された仮想的な空間などを現実であるかのように疑似体験できる仕組みを指す。