生成AI
類義語:
- ジェネレーティブAI
機械学習の応用分野の一つ。大量のデータで事前学習した基盤モデルに指示(プロンプト)を与え、文章・画像・音声など新しいコンテンツを生成するAI技術。業務の試作やアイデア具現化を加速することが可能。
生成AIとは?活用シーンや事例、知っておきたい用語集も紹介!
「生成AI」という言葉を耳にする機会が増え、生成AIの仕組みや活用方法などが気になっている方も多いのではないでしょうか。
生成AIと一口にいっても、AIによって文章や画像など、得意な領域に違いがあり、用途や目的にあわせて活用することが大切です。
本記事では、生成AIの用途にあった選び方・活用シーンを解説します。生成AIの仕組みや使用する際の注意点、活用事例なども紹介するため、生成AIの活用に向けて情報収集にお役立てください。
生成AIとは
生成AIとは、ユーザーの指示・プロンプトに対して、あらかじめ学習した大量のデータやAI自身の検索などをもとに文章や画像などを生成する技術です。
ChatGPTやGeminiなどは生成AIのひとつで、さまざまなコンテンツの生成に活用されています。
ここでは、生成AIとは何かを詳しく理解できるように、以下の3点を解説します。
- 生成AIの仕組み
- 生成AIと従来のAIの違い
- 無料プランと有料プランの違い
生成AIの仕組み
生成AIは、ユーザーの指示・プロンプトに対して、学習済みのデータからパターンや関係性などを分析し、テキストや画像などのコンテンツを生成します。
ユーザーの「〇〇に関する文章を作成して」「〇〇な画像を作成して」といったプロンプトを入力することで、生成AI自らが考えてコンテンツを生み出せるのが特徴です。
生成AIと従来のAIの違い
生成AIは、プロンプトに対してパターンや関係性を導き出したうえでコンテンツを生成できるのが強みです。
一方で、従来のAIは、人間があらかじめ用意した大量のデータを学習し、特定のパターンや選択肢から正解と考えられる回答を生成する特徴がありました。
生成AIは、学習した大量の情報やAI自らの検索による情報収集など踏まえたうえで、最適な回答を見出すため、従来のAIよりもクリエイティブなタスクに強みをもちます。
無料プランと有料プランの違い
生成AIは、多くのツールで無料プランと有料プランが提供されています。無料プランと有料プランの主な違いは、以下の通りです。
- 使用できるモデル
- 1日に使用できる回数
- 送信したプロンプトに対する生成の速度
生成AIでは、コンテンツの生成に使用するプログラムであるモデルを選択できる場合があります。有料プランでは、高性能な最新モデルを使用できますが、無料プランでは簡易的なモデルに限られることがある点に注意が必要です。
また、有料プランの方が1日に使用できる回数が多かったり、プロンプトを送信してから生成までが速かったりします。使用頻度が高い場合や、生成の効率を求める場合、無料プランでは対応しきれないことがあるため、使用状況にあわせて有料プランの利用を検討してみましょう。
生成AIの種類
生成AIは、主に生成できるコンテンツによって以下の4種類に大きく分けられます。
- 文章・テキスト生成AI
- 画像生成AI
- 動画生成AI
- 音声生成AI
それぞれのAIで生成できるコンテンツを中心に、特徴を理解していきましょう。
文章・テキスト生成AI
文章・テキスト生成AIは、ユーザーの指示・プロンプトに対して、文章・テキストを生成するAIです。
ターゲットや目的など、文章に必要な要素を生成AIに伝えると、コラムやメールの文面、キャッチコピーなど、さまざまな文章を生成できます。
文章をゼロから生成するだけではなく、すでにある文章を要約したり、修正したりすることもできるため、文章に関するさまざまなタスクに活用が可能です。
【主な文章・テキスト生成AI】
- ChatGPT
- Gemini
- Claude
- Microsoft Copilot など
画像生成AI
画像生成AIは、テキストで画像のイメージや雰囲気などを伝えることで、オリジナルの画像を生成できるAIです。
画像の構図や雰囲気、色合いなどを伝えるだけで、デザインの知識やスキルがなくても、画像を生成できます。
イメージ画像以外にも、仕組みや概念などをわかりやすく示すインフォグラフィックや、広告で使用するバナー画像など、さまざまなシーンでの画像作成に便利です。
【主な画像生成AI】
- DALL・E
- Stable Diffusion
- Midjourney
動画生成AI
動画生成AIは、テキストの指示・プロンプトから動画を生成できる生成AIです。
動画を作成するためには、撮影や編集などのスキルが求められますが、動画生成AIを使用すれば、簡単にイメージに近い動画を生成できます。
まだまだ発展途上の生成AIですが、SNSで公開する短尺の動画や、商品のプロモーションビデオなど、さまざまな動画の作成に活用できるようになっていくでしょう。
【主な動画生成AI】
- Sora
- Kling AI など
音声生成AI
音声生成AIは、テキストや音声を入力することで、音声データを生成できるAIです。テキストで伝えた音声イメージや、送信した音声などをもとに、指定した文章を話す音声を生成できます。
音声生成AIを使用することで、作成した動画のナレーションを作成したり、動画のBGMを作成したりするなどが可能です。
【主な音声生成AI】
- Suno
- ElevenLabs など
生成AIの活用シーン
生成AIは、さまざまなシーンで活用されており、使い方次第でコンテンツ生成の効率化やアイデアの創出などを実現できます。
以下に、生成AIの種類にあわせて、主な活用シーンをまとめました。自社での業務での活用をイメージしながら、ぜひ参考にしてみてください。
| 生成AIの種類 | 主な活用シーン |
| 文章・ テキストAI |
・コンテンツ制作・ブログ記事作成 ・メールや社内報告書などビジネス文書の自動生成 ・キャッチコピーやコンテンツ企画などのアイデア出し、ブレインストーミング ・翻訳・校正 など |
| 画像生成AI | ・広告・SNS用バナーの作成 ・資料・プレゼンの挿絵作成 ・コンセプトアート・絵コンテの作成 ・ロゴ・アイコンのデザイン案の作成 など |
| 動画生成AI | ・SNS向けショート動画広告の作成 ・教育・研修用ビデオの作成 ・コンセプトムービーの作成 ・動画の背景素材の作成 など |
| 音声生成AI | ・ナレーション・オーディオブックの作成 ・多言語吹き替えの作成 ・オリジナルBGM・効果音の作成 など |
生成AIを使用する際の注意点
生成AIは、テキストや画像などを生成できる便利な技術ですが、使用するうえで以下の点には注意が必要です。
- ハルシネーション(もっともらしい嘘)を前提にチェックする必要がある
- 権利侵害のリスクがある
- 入力した情報が外部に流出するおそれがある
生成AIでつくられたコンテンツをそのまま使わないことや、情報の取り扱いなどに注意し、リスクを理解したうえで活用しましょう。
ハルシネーション(もっともらしい嘘)を前提にチェックする必要がある
生成AIは、ハルシネーション(もっともらしい嘘)と呼ばれる嘘の情報を生成する現象を起こす可能性があります。
一見正しく見える文章や画像でも、架空の情報が含まれていたり、最新の情報が反映されていなかったりする場合に注意が必要です。
生成AIを活用する際は、誤りが含まれることを前提にし、人間の目でファクトチェックや編集を必ず行いましょう。
権利侵害のリスクがある
生成AIで生成した文章や画像などは、内容次第では著作物と酷似したり、個人のプライバシーに抵触したりするリスクがあります。
たとえば、文章がすでにあるコンテンツと酷似している場合には、コピーコンテンツとして著作権を侵害するおそれがあります。個人情報が含まれるコンテンツは、プライバシーを侵害しかねません。
著作物や個人の権利を侵害していないかを確認するとともに、法務部門のチェックを通すなど、仕組みでリスクを解消する取り組みも必要です。
入力した情報が外部に流出するおそれがある
生成AIの多くは、ユーザーが入力した情報を学習に使用しないことを明記していたり、設定で学習を不可としたりすることができます。
ただ、送信した情報が必ず学習されないとは限らず、AIへの送信をきっかけに外部に情報が流出する可能性はゼロではありません。
そのため、AIに送信する情報には、企業の機密情報やユーザーの個人情報などを送信しないルールを定めるとよいでしょう。
SMBCグループの生成AIの活用事例3選
SMBCグループでは、さまざまな領域で生成AIを活用したプロジェクトを推進しています。ここでは、3つの事例をピックアップして紹介します。
- 生成AIとクリエイターの共創で映像作品を制作
- エージェント型AIで新事業開発のスピードと品質を改善
- 生成AIの活用で、法務デューデリジェンス業務の効率化を実現
生成AIの活用方法や得られた成果などをチェックし、自社での生成AIの活用に役立ててみてください。
生成AIとクリエイターの共創で映像作品を制作
SMBCグループは、生成AIとクリエイターとの共創によって、映像作品「オズの魔法使い」を制作しました。
生成AIを活用して映像作品を手がけた背景には、金融の枠組みを超えて、「未知のものに挑戦していく私たちの姿勢」を示すという目的がありました。
SMBCといえば銀行やクレジットカード会社というイメージがあるなかで、グループとしてデジタルを活用して取り組んでいることや今後挑戦していきたいことを映像作品の制作というわかりやすい形で発信しています。
完成した映像を公開にこぎつけるまでには大変な苦労がありましたが、プロジェクトを成し遂げたことがグループ内での生成AI活用を一段と推し進められるきっかけになったと捉えています。
映像作品の制作プロジェクトは前編・後編に分けて公開しています。興味のある方は、ぜひご覧ください。
2025.03.27
金融を超える!クリエイティブへのSMBCの挑戦 ~生成AIと人の共創がもたらす未来(前編)
2025.07.03
クリエイティブに挑むSMBCの挑戦! ~生成AIと人の共創がもたらす未来(後編)
エージェント型AIで新事業開発のスピードと品質を改善
株式会社三井住友ファイナンス&リースは、エージェント型AIのソフトウェア型プラットフォームである「Replit」を導入し、新規事業開発のスピードと品質の改善を実現しました。
新規事業開発を推進するなかで、開発スピードを上げたいという現場の声があり、当時シリコンバレーで注目されていたコーディングの自動化に着目し、自律性の高い開発プラットフォームであるReplitに出会いました。
導入後、数ヵ月が経過し、これまでエンジニアと企画・デザインチームで何度も調整していた部分がひとりでスピーディーに開発できるようにプロセスの質が変化しています。グループ会社からReplitへの関心が集まり、Replitの活用が広がりつつあります。
2025.11.27
シリコンバレーの技術で切り拓く開発革命。Replit社導入の舞台裏
生成AIの活用で、法務デューデリジェンス業務の効率化を実現
SMBCグループが新たに設立したSMBCリーガルX株式会社では、生成AIを活用したプラットフォーム「LegalXross」を提供しています。
LegalXrossは、契約の作成や締結など、契約に関連する一連のプロセスを最適化し、企業の契約業務の効率化や高度化を目的にしたプラットフォームです。
とくに、プラットフォームに含まれるカテゴリ「The Analytics -分析-」で提供する「AI契約書アナリティクス(法務DD)」は、法務デューデリジェンスにおける弁護士が実務で行う膨大な作業を効率化するために、生成AIを最大限に活用しています。契約書データをアップロードするだけで、法務デューデリジェンスで確認が必要な条項の可視化が可能です。
法務デューデリジェンスに課題を感じている顧客はもちろん、契約にかかわる法務部門のリソース不足の解消など、経済発展の一助を担っていきたいと考えています。
2025.11.13
AIと法務プロフェッショナルの融合。SMBCリーガルXとAMTが実現する契約DXの進化
生成AIに関する知っておきたい用語集
最後に、生成AIを活用するうえで知っておきたい用語を紹介します。基本的な用語を知ることで、生成AIへの理解を深められ、活用の幅を広げやすくなるでしょう。
以下の表に主な用語をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
| 用語 | 意味・詳細 |
| AI | ・日本語で「人工知能」、英語で「Artificial Intelligence」 ・人間の脳が行う認識や思考などをコンピューターで行う技術 |
| 機械学習 | 文字や画像などの学習データを用いて、パターンや関係性などを学習し、意思決定や予測を行う学習手法 |
| ディープ ラーニング |
機械学習の一種で、高精度な分析を可能にする学習手法 |
| モデル | データのパターンを認識したり、回答を生み出すためにトレーニングされたプログラム |
| LLM | 大量のテキストデータでトレーニングされたモデル |
| マルチモーダル AI |
テキストや画像など異なる情報を同時に取り扱うことができるAI |
| パラメータ | モデルによる予測と実際の出力結果差を最小限に抑えるために調整する数値 |
| トークン | テキストデータを処理する際の単位 |
| コンテキスト ウィンドウ |
モデルが一度に処理できるトークン数 |
| RAG (検索拡張生成) |
AI自身が検索を行い、学習されたデータに加えて最新情報を組み合わせる技術 |
| ファイン チューニング |
事前学習に加えてトレーニングを行い、モデルを調整すること |
| プロンプト | 文章や画像などを生成するために、ユーザーがAIに入力する指示や質問 |
| プロンプト エンジニアリング |
AIからイメージに近いアウトプットを生成するために、最適なプロンプトを設計すること |
| ハルシネーション | AIが事実や文脈にそぐわない情報や文脈を生成してしまう現象 |
| シンギュラリティ | AIが人間の知性を超える転換点。AIが人間を超えたときの未来を予測する際に使われる。 |
まとめ
生成AIは、文章や画像などのコンテンツを生成できる技術です。コラム記事の執筆や広告・SNS用のバナー画像の作成など、さまざまなシーンで活用されており、今後も活用の幅が広がっていくと予想されます。
ただし、誤りのある内容が生成されたり、権利を侵害するリスクがあったりする点には注意が必要です。リスクを理解したうえで、最終的には人間の目での精査や確認を行いましょう。
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