幅広い事業者に寄り添う――SMBC GMO PAYMENTが描く健全なキャッシュレス社会の未来

三井住友銀行とGMOペイメントゲートウェイによる資本・業務提携により誕生した、SMBC GMO PAYMENT株式会社。2021年4月より、キャッシュレス化促進を目的に、三井住友カードの連結子会社として生まれ変わり、SMBCグループの顧客基盤、決済ノウハウ、加盟店層と、GMOグループの最新決済技術を、最大限活用できる体制が整いました。
SMBC GMO PAYMENTの立ち上げの経緯、提供サービス、そして今後の展望について、SMBC GMO PAYMENT株式会社 代表取締役会長の吉岡 優氏、代表取締役社長の田中 靖剛氏、三井住友カード株式会社 執行役員 アクワイアリング統括部長の川名 芳生氏にお話を伺いました。
SMBC×GMOのタッグで、幅広い事業者のキャッシュレス対応を支援
SMBC GMO PAYMENTの立ち上げの経緯と、三井住友カードの連結子会社として生まれ変わった経緯について教えてください。
吉岡SMBC GMO PAYMENTが設立されたのは、2015年11月です。三井住友銀行とGMOペイメントゲートウェイとの資本・業務提携が同年6月におこなわれ、その流れで合弁会社として誕生しました。GMOペイメントゲートウェイ側から見た資本・業務提携の理由として、銀行や銀行グループのカード会社と連携しなければ、激戦のマーケットで勝ち抜くのは難しいという考えがありました。

吉岡 優氏
一方で三井住友銀行側は、インターネット社会へのシフトがさらに加速することを見越し、専門性の高いシステムを取り入れたいと考えていたのです。SMBCグループでも、決済代行サービスの開発・運用をおこなっていましたが、進化の早いWebの世界では、最先端でなければ競合との差別化は難しいです。ネット決済の最前線でシステム開発をおこなうGMOペイメントゲートウェイは、三井住友銀行からすると最適なパートナーでした。
両社の目的が合致し、誕生したのがSMBC GMO PAYMENTです。
川名三井住友カードの連結子会社となった背景には、SMBCグループ全体で推進するSME(中小企業)戦略があります。
三井住友カードはこれまで、百貨店、空港、鉄道など大規模事業者さまに向けた、加盟店開拓に注力していました。一方でサービスの利用シーンが広がった反面、比較的小規模の事業者さまや、非対面サービスの事業者さまにアプローチできていない課題がありました。
そこで、実行したのがSMBC GMO PAYMENTへの資本投資と連結子会社化でした。非対面領域への決済代行支援実績が豊富なSMBC GMO PAYMENTと、豊富な顧客基盤、加盟店層を抱える三井住友カードが協業することで、これまで以上にサービス提供範囲を拡大できると考えたのです。

川名 芳生氏
また、決済領域においては今後ますます対面と非対面の境がなくなると予想しています。両方のノウハウやシステムを保有しておくことは、質の高いサービス提供や新たなソリューションを生み出すうえで、重要であるとも考えました。
多様な事業者向けに、手軽に導入しやすいキャッシュレス決済サービスを提供
SMBC GMO PAYMENTの事業・サービス内容について教えてください。
吉岡大きく2種類のサービスを提供しています。1つ目は、ネットショップをはじめとする非対面サービス事業者さま向けの「SMBCマルチペイメントサービス」です。各決済会社とのシステム接続や契約、売上金の入金、営業・サポートなどをワンストップで支援しています。
これまで、現金やクレジットカードが主流だった決済手段は、今や数十種類に膨らみ、その数はこれからも増えるでしょう。お店からすると、お客さまのために豊富な決済手段を取りそろえたいものの、数十の決済手段の一つひとつを契約し、導入することは非常に手間です。
我々のサービスを導入いただければ、30以上の決済手段をスムーズに導入でき、売上管理をはじめとする周辺業務も一括でおこなえます。
田中2つ目は、お店をもつ事業者さま向けの「stera」シリーズです。親会社の三井住友カードが提供する専用端末「stera terminal」をSME事業者さま向けにパッケージ化し、幅広い決済手段を利用可能にした「stera pack」と、特定の決済手段をスマートフォンだけで完結する「stera tap」にわかれています。
stera packは店舗が抱える、決済に関するさまざまな悩みを解決するために、2020年春から始めたサービスです。30種類以上のキャッシュレス決済対応オールインワン端末を提供し、店頭に複数の端末がごちゃごちゃ並んでいる状況をなくします。

田中 靖剛氏
stera tapは2024年3月から始まった新しいサービスです。私たちはキャッシュレス関連サービスをより広範囲の事業者さまへ届けたいと思っています。しかし、比較的小規模な店舗事業者さまからすると、コスト的に専用端末を用意したり、多くの決済手段を導入したりすることは難しい状況にあります。そのような状況を変えるために開発したのが、専用端末を使わずスマートフォンだけで完結し、専用端末ほど豊富ではないものの、必要最低限の決済手段に対応できるstera tapでした。キャッチフレーズ「まちのビジネスと、無数の想いに。」にも、開発時の思いを込めています。
こだわりの詰まったstera packと情熱をもつ仲間が、サービス普及の鍵
店舗で決済端末「stera terminal」を見かけることが多くあります。幅広い事業者さまに受け入れられている要因を教えてください。
田中まずはなんといっても、デザイン性だと思います。三井住友カードの当時の開発担当者からも、非常にこだわった部分だと聞いています。スタイリッシュなデザインで、店頭に置いても景観を損なわない、店頭に置くのにちょうどいいサイズ感を実現しました。
また、操作性の高さも店舗運営者の方々から好評をいただいているポイントです。お客さまとレジ担当者が同時に操作できるよう2画面が用意されており、端末を行き来させる必要がないため、スムーズに決済が完了します。

加えて、stera terminalの魅力だけではなく、事業づくりに情熱を燃やすメンバーたちが揃っていることも、私たちのサービスが多くの事業者さまから受け入れられている大きな要因です。

真ん中:非対面決済事業の責任者 GMOペイメントゲートウェイ株式会社 東田 拓也氏
右:対面決済事業の責任者 三井住友カード株式会社 松井 幸喜氏
それぞれ異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まり、それぞれの強みを活かして技術革新、戦略立案、そして現場での対応に至るまで、多彩でユニークな視点を提供しています。他にも、名前をあげればきりがありませんが、信頼できる仲間たちがお客さまのキャッシュレス化実現に向けて力を合わせて取り組んだ結果、今があるのです。
基盤から整え、真に社会から求められる決済サービスを生み出す
SMBC GMO PAYMENTのサービスはいずれも、キャッシュレス決済の促進に寄与しているかと思います。今後さらにキャッシュレス化を促すために、検討している取り組みがあれば教えてください。
川名直近でいうと、リリースして間もないstera tapを提供しながら、お客さまの声を集め、UI/UXの改善に注力しています。stera packとの違いもさらに明確化し、既存決済サービスの導入が難しいお客さまへ、価値提供できればと思っています。
加えて、新規サービス開発にも積極的に挑戦する予定です。テクノロジーの進化と、それにともなって変化する生活者のニーズに合わせて、対面・非対面に限らず、新しいサービスを開発していければと思っています。
我々が目指すのは、決済のあらゆるシーンを支えるデジタル&イノベーションカンパニーです。キャッシュレス決済の比率が社会的に高まるにつれ、我々はより公共的な役割を担う存在になると考えています。社会がより健全なかたちでキャッシュレス化を進められるよう導くことも我々の責任であり、基盤づくりと新サービスの開発に、引き続き力を入れるつもりです。

最後に、SMBC GMO PAYMENTとしての、今後の展望についてお教えください。
田中引き続き、非対面サービスの事業者さま向けの「SMBCマルチペイメントサービス」と、対面サービスの事業者さま向けの「stera」シリーズの、さらなるブラッシュアップと事業拡大に取り組んでいければと思っています。
加えて、対面決済も非対面決済も両方提供できる会社である強みをいかし、両サービスをセットで提供できるようなプランも検討するつもりです。将来的には、クライアントの事業体に関わらず、オールインワンでキャッシュレス決済に関するあらゆるサポートができる、体制構築を目指します。
吉岡これからの時代は、インターネット革命のなかでも後半戦に位置すると考えています。キャッシュレス決済は今よりもさらに当たり前になるはずで、これから先20年以内に一気にその波が押し寄せると考えています。いざ波が生まれたとき、SMBC GMO PAYMENTは多くの事業者さまから選ばれる会社でありたいですし、多くのご相談に対応できる組織でありたいです。
社会から求められるソリューションづくりと、それを安定的に提供し続ける組織づくりに、しっかりと向き合い続けます。
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SMBC GMO PAYMENT株式会社 代表取締役会長
吉岡 優氏
1988年、三菱銀行に入行。システム部、マーケティング部等を経て、2013年よりGMOペイメントゲートウェイに入社。決済・金融分野での製品戦略、新規事業企画を担当。
2023年1月より現職。 -
SMBC GMO PAYMENT株式会社 代表取締役社長
田中 靖剛氏
1996年、旧さくらカード入社(2001年に旧住友クレジットサービスと合併。現三井住友カード)。債権管理部門、外部出向(ゆうちょ銀行、他)、営業部門(個人・法人)、ファイナンス部門を経て2022年4月より現職。
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三井住友カード株式会社 執行役員 アクワイアリング統括部長
川名 芳生氏
1993年、住友クレジットサービス入社(現三井住友カード)。事務統括部、商品企画開発部、アクワイリング部門、営業第六部を経て2024年より現職。