世界中の投資家に、正確な情報を。真に社会から評価される企業を目指して。 株式会社三井住友フィナンシャルグループ 企画部IR室 横山 沙織

三井住友フィナンシャルグループの業績や経営戦略を世界に向けて発信する。それが、企画部IR室に所属する横山のミッションだ。年に2回の決算説明会の運営や投資家・アナリストとの面談を行うほか、経営陣が海外投資家向けにプレゼンテーションを行う際の海外出張に同行することもある。「IR室は投資家と経営陣を繋ぐ役割を担っています。当社が投資家から正当な評価を得られるよう、分かりやすい情報開示に貢献していきたいです」。問い合わせへの迅速な対応や開示資料の改善など、担当者としてできる努力を重ね、マーケットから真に信頼されるIRを目指している。

インタビュー

SMFGを世界中の投資家に正しく発信する。

私は三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の企画部IR室に所属しています。当室は、大きく分けて国内外の機関投資家・個人投資家への広報と、会社の資本政策の立案・実行の2つの業務を担っており、私は主に投資家向け広報を担当しています。IR資料の作成や、年2回開催される決算説明会の企画・運営、年間のべ500件ほど実施される国内外の機関投資家やアナリストとの個別面談の対応、自社ウェブサイトを通じた情報発信など、IR室が担う業務は多岐にわたっています。当室は少人数のため、若手である私も先輩の補佐的な仕事だけでなく、担当者として携わっている仕事が多くあります。たとえば四半期毎の決算発表と同時にウェブサイトに掲載する「ショートプレゼンテーション」や、半期に一度リリースする「データブック」などのIR資料は、私が中心となって作成しています。当社の実績を世界中の投資家に正しく伝えるため、メンバー一丸となって日々の業務に取り組んでいます。

着任まもなく先輩から多くの業務を引き継いだことで成長した。

IR業務は、当社の業績や経営戦略について国内外に向けた正確な情報発信が求められる、責任の重い仕事だと思います。私は2013年4月から当室に在籍していますが、それまでは法人営業に携わっており、IRはまったく未知の領域でした。この業務に必要なマーケットに関する知識、さらにグループ各社のビジネスへの理解も浅いままのスタートでしたが、着任してまもなく先輩が異動になり、私が業務を引き継ぐことになりました。そしてすぐに半期の決算のタイミングが訪れ、投資家説明会の企画運営や、60ページにも及ぶ「データブック」作成などを担当することに。自分にこうした業務が担えるかどうか不安だったものの、上司や先輩方のサポートを受けながらやり遂げることができました。この経験は、私にとって大きなステップアップに繋がったと感じています。

海外を意識した取り組みも評価され、「IR優良企業賞」を受賞。

IR担当としてはまだまだ未熟ですが、経験を積むにつれて、この仕事のやりがいをますます強く感じるようになっています。たとえば、私が作成している投資家向けの「データブック」は、以前はまず日本語版を作成して決算発表後に公開し、その後に英語版を出していました。しかし、当社の株の保有者には外国人投資家も多く、国内はもとより海外への情報発信も重要だと考え、日本語版と英語版を同時にリリースすることにしました。この取り組みは、投資家やアナリストの方から評価いただき、2013年度に当社が「IR優良企業賞」を受賞した理由のひとつに挙げていただきました。また投資家やアナリストとのコミュニケーションについても、着任まもなくは投資家からの電話での照会に答えられず、「担当者に変わるように」と言われるなど悔しい思いもしましたが、最近では、電話や個別面談の場で、投資家やアナリストの方と同じ目線で会話できるようになりました。これからもIR担当者として経験を積んで、当社を世界中に発信するために新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

IRで得た貴重な知識や経験を、法人のお客さまに還元したい。

IRはきわめて経営に近いポジションでもあります。先日、社長のロンドン出張に随行し、投資家の方々との個別面談に同席しました。入社6年目の私がこうした場に身を置くことになるとは想像もしていませんでしたが、経営陣の考え方に直に触れる機会も多く、貴重な経験を重ねていると実感しています。今後は、自らアイデアを出して投資家向けの新たなイベントなどを企画するほか、英語での情報発信もいっそう充実させていきたいと考えています。世界に向けて、当社が常にチャレンジを続ける成長志向の金融グループだというメッセージを伝え続け、当社の企業価値向上に貢献していきたい。今後、またお客さまと接する部門で働くことになった際には、私がここで得た貴重な経験や知識を、多くのお客さまに還元していくことができればと思っています。

私を変えたひとこと

「1.1倍の努力。」

長い社会人人生においては、他の人の何倍もの力でがんばり続けることは大変だけれど、毎日ほんの少しだけでも人より多く努力すれば、5年、10年が経ったときに大きな自信になる。学生時代の恩師の話や入社してからの研修など、複数の場面で聞いた言葉で、大切にしています。

私の仕事を支えるもの

私のパワーアイテム
ペンケース

入社後最初に配属された部署からIR室に異動になったときに、お世話になった先輩や同僚が贈ってくださいました。
毎日愛用していますが、ふとしたときに法人営業担当として奮闘した日々を思い出し、原点に立ち返れる気がします。

私のリフレッシュ法
舞台鑑賞

演劇やミュージカル、コンサートを観るのが好きです。一度きりの真剣勝負の場である「生」の舞台から伝わってくるエネルギーは格別。私は学生時代、演劇部に所属していたので、そのような舞台を見るとエネルギーを貰うと同時に、学生時代に演劇に打ち込んだことで得られた忍耐力や挑戦する気持ちを思い出し、また仕事をがんばろうと思えます。

私の会社紹介

三井住友フィナンシャルグループはこんな会社

人のつながりを大切にしている会社です。新入社員向けの研修や管理職向けの研修をグループ会社合同で実施したり、幅広い世代で人事交流があったり、グループ会社の社員が一体感を持って業務にあたれるような取り組みが数多く行われています。「カスタマーファースト」を掲げているからこそ、まずはグループ各社のお互いの立場を理解し、コミュニケーションを積極的にとっていこうという思いやりの深い人が多いと感じています。

三井住友フィナンシャルグループ企画部IR室 横山 沙織

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※日経ビジネス 2015年6月19日号掲載(PDF形式:833KB)