3.中期経営計画(2014~2016年度)の策定と実行

(1)10年後を展望したビジョンの策定

2014年4月からスタートする次期中期経営計画(2014~2016年度)の策定に先立ち、当社は、経済金融環境や規制環境がダイナミックに変化するなか、当社グループが10年後にどのような姿を目指すのか、その将来像をまず十分に議論することとした。そのうえで、10年後を展望したビジョンとして、「最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さまと共に成長するグローバル金融グループ」という中長期ビジョンを掲げた。このことは、「アジア・セントリック」、「国内トップの収益基盤」、そして「真のグローバル化」と「ビジネスモデルの絶えざる進化」を10年の計で実現していくことを意味していた。

そして中期経営計画の策定に際しては、この「未来のあるべき姿(=ビジョン)」から逆算して今後3年間に何をなすべきかを検討し(バックキャスティング)、必要となる具体的な施策を中期経営計画に盛り込む、という手法を当社グループとして初めて明示的に採用した。そうした手法を採用した背景には、日本経済の回復に伴い外部環境が好転していたものの、「金利低下をはじめとする内外金融・経済および社会の構造変化を踏まえれば、現在の延長線上に当社グループの未来はなく、絶えざる自己変革が不可欠」との経営陣の強い危機意識があった。

図表2-5 最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さんと共に成長するグローバル金融グループ
(図表2-5)10年後を展望したビジョン

また、当社グループが拡大し、かつグローバル化するなかで、役職員の多様化が一段と進んだことを踏まえ、10年後を展望したビジョン・将来像の実現に向けて、内外のグループ役職員が共有すべき価値観、行動指針として、「Customer First」「Proactive and Innovative」「Speed」「Quality」「Team SMBC/SMFG」という5つのキーワードからなる「Five Values」を2014年4月に制定した(注14)。短くわかりやすい英単語を用いて、全てのグループ役職員の日々の業務の判断基準として幅広く浸透させていくこととした。