(2)事務・システム体制の強化

事務・システム体制についても、グローバルな業務展開に応じた体制強化を継続した。

事務面では、三井住友銀行は2017年1月、海外事務規程を全面的に見直し、グローバル・ポータルサイトにWeb化して掲示することとした。従前は、各海外拠点は海外拠点共通事務手続等の各本部規程を前提としつつ、所在国や所在地の法令ならびに商慣習などに則して各拠点特有の事務手続を「拠点プロシージャー・マニュアル」として定めていた。これらのWeb化により事務品質の向上を図るとともに、アジア地域の拠点プロシージャー・マニュアルにおける事務手続の新規制定や改廃に際して、アジア・大洋州業務管理部やアジア・大洋州統括部による「ファンクショナル・レビュー」というプロセスを導入して、アジア・大洋州、東アジア両地域における事務のさらなる標準化や地域横断的な管理、内部管理態勢の強化を目指すこととした。

このほか、アジア・大洋州および東アジア地域では、標準化された事務については、マレーシアの「SMBCシェアードサービスセンター(SSC)」(2011年3月設立)への事務集約を進めるとともに、臨店による事務指導・支援や集合研修等を繰り返し実施することで、事務管理態勢のレベルアップに努めた。

欧米においても、SMBCグループ各社のバックオフィス連携強化を目指し、「グローバル」「リージョナル」「グループ会社」ベースで集約可能業務の検討を行い、事務集約を進めた。また、RPA(注38)を活用した先進的なビジネスプラットフォームの構築や銀証一体運営を支えるシステムの整備等を進め、お客さまとのリレーションや案件管理等の高度化、効率化を図った。また、2016年11月に米ドル決済の24時間化、2018年7月には、シティバンクに委託していたFedwire(注39)の米ドル決済について直接決済を開始し、欧米拠点における決済サービスの向上および各種決済オペレーション上のリスク低減を実現した。

システム面では、2017年に勘定系システムの統合が一巡した後は、決済系システムの統合を進めた。欧米拠点では「Montran」(注40)のシステム更改を行う一方(米州2017年、欧州2018年)、各国で異なるシステムを使用していた豪亜地域では「PayCIS」(注41)を導入し、地域内のシステム共通化を進めた(2020年1月シンガポール拠点から順次実施)。そのほか、オペレーショナルリスク管理システム「SCOPE」の導入(豪亜地域2018年4月、米州2019年4月、欧州2020年4月)、外貨資金繰りの安定性向上に資する外貨ALMシステム「GAIA」(注42)の導入(2020年4月)などを実施して、リスク管理やコンプライアンス態勢の強化・高度化を図った。