(4)グループ連携による高付加価値サービスの提供

三井住友銀行のみならず、グループ会社においても、法人向け決済関連サービスの提供を強化した。2012年4月には、グループ会社の「フィナンシャル・リンク」が、グループ各社の様々な金融関連サービスを組み合わせて、企業のお客さまの資金回収・支払いに付随する事務を受託し、これら事務の効率化や高品質化を図る「SMFG-BPO(Business Process Outsourcing)サービス」を開始した。

その後、景気回復に伴う人手不足の深刻化やワークスタイル変革の流れなどを背景に、企業の業務効率化や合理化、生産性向上ニーズが一層強まるなか、当社と日本電気(NEC)グループは2017年8月、協業を通じてSMFG-BPOサービスのラインアップを拡充することを公表、同年10月、三井住友銀行の100%子会社であったフィナンシャル・リンクが日本電気(NEC)とNECマネジメントパートナーの出資を受け入れ、商号を「NCore株式会社」(エヌコア)(注20)に変更した(三井住友銀行51%出資)。これにより、決済関連の業務プロセス代行をはじめとする金融分野のBPOサービスに加え、日本電気(NEC)グループが提供する金融にとどまらない分野のサービス提供が可能となった(図表9-6)(注21)

図表9-6 NCoreを窓口とする「SMFG-BPOサービス」
(図表9-6)NCoreを窓口とするSMFG-BPOサービス

さらに、スマートフォンの普及を背景にEC市場が急成長するなか、2015年11月、三井住友銀行は、EC決済代行業界のトッププレーヤーであるGMOペイメントゲートウェイとの合弁で、EC決済代行業務を行う「SMBC GMO PAYMENT株式会社」を設立した(三井住友銀行51%出資)。SMBC GMO PAYMENTは、クレジットカード決済やコンビニ決済、銀行振込、電子マネー決済などをワンストップで提供する通販・ECサイト向けの総合決済システム「SMBCマルチペイメントサービス」を通じてEC決済代行業務を提供している。2021年4月には、SMBCグループのキャッシュレス決済戦略強化のため、SMBC GMO PAYMENTの第三者割当増資を三井住友カードが引き受けて資本増強を行うとともに、三井住友銀行が保有する同社株式の一部を三井住友カードに譲渡した。その結果、SMBC GMO PAYMENTの株主構成は、三井住友カード50%、GMOペイメントゲートウェイ40%、三井住友銀行10%となり、三井住友カードの連結子会社としてキャッシュレス化の促進に取り組んでいくこととなった。