(コラム)

デジタライゼーションへの取り組み

三井住友銀行の市場営業部門は、お客さまとの外国為替取引をはじめとする市場取引において、取引の効率化や透明性を高めるために、早くから取引の電子化を推進してきた。

2002年10月には他メガに先駆けて、外国為替のインターネット約定システム「i-Deal」を稼働開始した。「i-Deal」は従来、架電により行っていた為替予約や外貨預金振替といった外国為替取引を、インターネットの専用画面上で法人企業のお客さまが簡単かつスピーディに実行できる仕組みになっている。

日本企業の海外進出増加、グローバル化を受けて、外国為替取引も増加するなか、2012年には、先進的なIT技術を取り入れ、「i-Deal」の機能を向上させたうえ、外国送金などをインターネットで行える「Global e-Tradeサービス」と連携させ、「次世代i-Deal」としてシステム更改した。このシステム更改によって、「i-Deal」では、市場実勢をよりタイムリーに反映した価格提示ができるようになり、お客さまは画面上で提供されるマーケット情報などを参考に、相場変動時であっても、望むタイミングで、為替予約などを実行できるようになった。また、「Global e-Tradeサービス」と連携したため、たとえば、「i-Deal」で為替予約を実行すると、その画面から「Global e-Trade サービス」へ移行し、海外送金手続きも完了できる仕組みとなった。このシステム更改による利便性、効率性の向上によって、大企業のお客さまや金融機関のニーズにも対応できるようになり、利用者層が拡大した。

図表8-8 2012年に「i-Deal」と「Global e-Tradeサービス」を連携させた。
(図表8-8)「Global e-Tradeサービス」と「i-Deal」

2017年度以降、セールス&トレーディングが注力分野となる一方で、日本企業のグローバル化や海外金融機関との競争の激化などを背景に、外国為替の電子取引のさらなるレベルアップが課題となった。このため、外国為替取引については、お客さまの社内システムと接続して取引価格の提供を行うサービスを開始するなどチャネルの拡充も行い利便性を向上させた。また、グローバル化の下でのお客さまのニーズに応えるために、2020年度より始まった中期経営計画期間中(20202022年度)も、注文執行に要する時間のさらなる短縮、およびマルチバンクプラットフォーム(注13)へのより競争力のある価格提供を目指し、「i-Deal」のプライシングエンジンのレベルアップを続けている。