(2)SMBCクラウドサインの電子契約サービス

当社は2019年10月、hoops link tokyoの「経営者道場」(注16)というイベントで知り合った弁護士ドットコムとの共同出資で、電子契約サービスを提供する「SMBCクラウドサイン株式会社」を設立した(当社出資比率51%)。

これまで企業は、契約書を電子文書で作成した後、印刷・製本し、契約当事者の署名・捺印により契約を締結、紙の契約書原本をお互いに保管する、という実務を行ってきた。SMBCクラウドサインの提供する電子契約サービスは、紙の契約書に代えてPDFファイルに電子署名とタイムスタンプを施すことで、紙の契約書と同様の証拠能力を提供する(注17)。これにより、契約書に貼付する印紙代が不要となるほか、契約書の印刷・製本・郵送・保管に係る諸費用や人件費の節減も可能となる。また、契約書を電子文書として保管するため、契約書の一元管理や検索が容易になるだけでなく、契約実務に従事する従業員がリモートワークで業務を行うことが可能となる。2020年以降、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、SMBCクラウドサインの利用企業数は17倍、契約書送信数は130倍に急増した(注18)

SMBCクラウドサインの社長には、事業の構想段階から中心となって尽力してきた当時30代の担当者を抜擢し、当社社長の太田による「社長製造業」宣言の下での若手・中堅従業員の思い切った登用方針を内外に印象づけた。

図表10-2 電子契約サービスの概要
(図表10-2)SMBCクラウドサインによる電子契約サービス