(5)法人向け決済ソリューションビジネスの展開
スマートフォンを用いたキャッシュレス決済が普及するなか、自社アプリにキャッシュレス決済を導入したり、キャッシュレス決済アプリを展開したりする企業が増加している。こうしたなかで、三井住友銀行は2019年以降、「TOYOTA Wallet」や「UNIQLO Pay」といった企業によるキャッシュレス決済サービスの構築支援を行った。
「TOYOTA Wallet」は、2019年11月に、トヨタグループと三井住友銀行、三井住友カードが「どこでも・誰でも使える」をテーマにリリースしたスマートフォン決済アプリで、①「iD」による事前チャージ・決済、②「TS CUBIC Pay」(注60)による後払い決済、③「銀行Pay」(注61)や④「Bank Pay」(注62)による銀行口座からの即時引落としの支払手段の中から利用者が選択できる。
「UNIQLO Pay」は、ユニクロが2021年1月に展開を開始した会員証アプリ(ユニクロアプリ)上のキャッシュレス決済サービスで、三井住友銀行が「Bank Pay」によるQRコード決済機能を提供している。UNIQLO Pay利用者は、自分の銀行口座をアプリに紐づけることで、全国のユニクロ店舗での買い物時に、購入代金をQRコード決済で銀行口座から即時に支払うことが可能となる。これにより、お客さまの購買体験の向上を図るとともに、セルフレジの導入といった店舗オペレーションの進化に対応した、安心便利かつ拡張性がある決済ソリューションを提供することができた。Bank PayによるQRコード決済自体には、ポイント還元がないものの、企業アプリとの連携により、企業が利用者にポイントやクーポン等を還元し、積極的に企業アプリでの決済を促していくことも想定される。
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第1章不確実性が増す外部環境
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第2章新たなガバナンスの下でのグループ・グローバル経営の強化
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第3章「カラを、破ろう。」
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第4章「お客さま本位の業務運営」の徹底
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第5章リテール金融ビジネスにおけるビジネスモデルの変革
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第6章ホールセールビジネスにおける真のソリューションプロバイダーを目指して
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第7章グローバル・プレーヤーとしての進化
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第8章高まる不透明感の下での市場ビジネスの進化
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第9章アセットマネジメントビジネスの強化
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第10章デジタル戦略の本格展開
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第11章G-SIBsとしての内部管理態勢の確立
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第12章業務インフラの高度化
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第13章グループ経営を支える人事戦略
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第14章持続可能な社会の実現に向けた取り組み
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第15章「コロナ危機」への対応
- おわりに