(4)「SMFL Way」の制定
三井住友ファイナンス&リースは、2007年10月に当社と住友商事の戦略的共同事業としてスタートした際、企業の使命や存在意義として経営理念を、経営理念をもとに事業を通じて成し遂げる目標として経営目標をそれぞれ定めた。そして、全ての役職員がこれらを共有し、お客さまや多くのステークホルダーからの支援や協力の下、事業に邁進することでお客さまと共に発展してきた。
その後、三井住友ファイナンス&リースは、事業環境が大きく変化するなか、事業の買収や統合等も行い、多様な企業風土や企業文化と接し、融合することで成長へとつなげてきた。また、2018年度には前述したように、リース事業の再編を実施し、事業領域を大きく広げるとともに、お客さまへのサービスを一層向上させている。一方、世界規模で環境・社会問題が深刻化するなか、2015年に国連サミットで17の「持続可能な開発目標(SDGs)」を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、民間企業にも持続可能な社会の実現に向けて、SDGsを経営の中に取り込むことが求められるようになった。
このようななかで、三井住友ファイナンス&リースは、その存在意義、目指す姿、ありたい姿を見直す時期と考え、2020年4月、従来の経営理念、経営方針を再定義し、これらを総称した「SMFL Way」を制定した。SMFL Way制定に際しては、自社の強みは何なのか、5年後、10年後、三井住友ファイナンス&リースとしてどのような会社でありたいか、といったテーマを中心に、社員の意見をアンケートやタウンホールミーティングで拾い集めた。そして社員の思いを集約し、議論を重ねながら、ほぼ丸1年をかけて従来の経営理念・経営方針を再定義したものが「SMFL Way」であった。社員と経営の想いを集大成した、三井住友ファイナンス&リースのいわばアイデンティティといえるものであった。
「SMFL Way」の中でも特に重要なのがOur Visionである(図表6-12)。お客さま、社会、社員の3つの視点で目指す姿を明示するとともに、その実現の原動力としてデジタルシフトによるビジネスの変革を推進していく方針を提示した。具体的には、①お客さまにとって新しい価値を提供する不可欠なビジネスパートナーであること、②SDGsに正面から取り組み、未来に選ばれる企業であること、③多様性を強みとし、社員一人ひとりのチャレンジを応援し、共に成長する企業であること、④デジタルシフトでこれらを目指す姿を実現し、成長の壁を乗り越えるデジタル先進企業であること。三井住友ファイナンス&リースはこのOur Visionの実現を通じてお客さまと社会の持続的な発展に貢献していくとした。

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第1章不確実性が増す外部環境
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第2章新たなガバナンスの下でのグループ・グローバル経営の強化
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第3章「カラを、破ろう。」
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第4章「お客さま本位の業務運営」の徹底
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第5章リテール金融ビジネスにおけるビジネスモデルの変革
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第6章ホールセールビジネスにおける真のソリューションプロバイダーを目指して
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第7章グローバル・プレーヤーとしての進化
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第8章高まる不透明感の下での市場ビジネスの進化
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第9章アセットマネジメントビジネスの強化
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第10章デジタル戦略の本格展開
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第11章G-SIBsとしての内部管理態勢の確立
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第12章業務インフラの高度化
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第13章グループ経営を支える人事戦略
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第14章持続可能な社会の実現に向けた取り組み
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第15章「コロナ危機」への対応
- おわりに